トレック・セガフレードは4月28日、アントニオ・ティベーリ(イタリア)との契約解除を発表した。同選手は昨年6月に猫を空気銃で殺害し、今年2月にチームから20日間の謹慎処分を受けていた。



トレックと契約解除に至ったアントニオ・ティベーリ(イタリア) photo:CorVos

「アントニオ・ティベーリの謹慎期間中の行動がトレック・セガフレードの定める競技復帰の基準に満たなかったため、双方の合意に基づき契約を解除する結論に至った」と、トレック・セガフレードは4月28日(金)に発表したプレスリリースで伝えた。

アントニオ・ティベーリ(イタリア)は昨年6月、サンマリノの自宅の窓から猫の頭部を空気銃で撃ち殺害。その猫の飼い主であった近所の住人が警察を呼び、ティベーリは撃ったことは認めながらも「殺すつもりはなかった」と証言した。

この事件を受け、所属するトレック・セガフレードは今年の2月にティベーリに対し、20日間の出場停止処分と猫の保護団体へのボランティアを命じ、更にティベーリは今シーズン獲得した賞金を同団体に寄付する約束をした。ティベーリは直後に「自分の恥ずべき行為に対し、深く反省している」と謝罪。しかし前述した通り、ティベーリのその後の行動が「チームの定める競技復帰の基準に満たなかった」として、トレックはティベーリとの契約を解除した。

2019年TT世界選手権の男子ジュニアで優勝したティベーリは、2020年にトレックでプロデビューした21歳。2022年はツール・ド・ハンガリー最終ステージでプロ初勝利を飾り、直後のブエルタ・ア・エスパーニャを完走。今年はクライマーとしてサントス・ツアー・ダウンアンダーで総合8位、UAEツアーでも総合7位と好成績を収めていた。

チームは「現在、同選手との契約は終了しているため、他チームと自由に契約を結ぶことができる」とし、「現時点でこれ以上のコメントは差し控える」とリリースを締めくくっている。

text:Sotaro.Arakawa