デローザの生みの親であるウーゴ・デローザ氏が逝去した。1953年の創業から70年。数々のチャンピオンを育てたマエストロは、1月末に89歳の誕生日を迎えたばかりだった。



ウーゴ・デローザ氏。2019年の本社工房取材において撮影 photo:Gakuto Fujiwara

ウーゴ・デローザ氏は1934年1月27日年生まれ。故郷ミラノで12歳からフレーム制作の修行を始め、1953年には自身の名を冠したデローザブランドを創業。そこから70年、現在に至るまで自ら指揮を取り、ブランドを成長させると共にヨーロッパのロードレース界に大きな影響を与え続けてきた。

エディ・メルクスと歩んだ急成長期には東京上野の老舗自転車店、横尾双輪館によって日本上陸を果たし(2019年で50周年を迎えた)、規模を拡大させると共にビルダーの後進育成にも注力。現ナガサワレーシングサイクルの代表、長澤義明さんもデローザの工房で腕を磨いた一人だ。

ウーゴ・デローザ氏自身が最も印象に残っているというエディ・メルクスの自転車とともに

プロレースとの関係性をより強めた1980、1990年代を経て時代はカーボンバイク全盛期へ。デローザも主軸をカーボンモデルに切り替えながらスチールバイク生産も継続。伝統的なレーサーはもちろん、ディスクブレーキモデルやグラベルモデルも含め、デローザならではのこだわり抜いたスチールモデルを揃えるなど柔軟な姿勢も見せてきた。

息子であるクリスチャーノ・デローザ氏が事業経営を引き継いでもなお工房に立ち、生涯現役を貫いた「マエストロ」。ミラノの自宅で亡くなったと報じられている。享年89歳だった。

以下は、デローザの正規輸入販売店を務める日直商会のメッセージ。



DE ROSAの創業者であるウーゴ・デ・ローザ氏(1934年1月27日)が、2023年3月26日、イタリアはミラノ、 クザーノミラニーノの自宅にて永眠されました ウーゴ氏のご活躍、自転車業界への多大なる影響と貢献、そしてなによりも自転車作りへの情熱に感謝し、心から哀悼の意を表します。