山本大喜がエスケープ　サウジツアー3日目をヴァーレンショルトが勝利

逃げに乗った山本大喜が一時バーチャルリーダーに立ったサウジツアー第3ステージは、3日連続でスプリント決着。強豪スプリンターを抑え、現TTU23王者ソーレン・ヴァーレンショルト（ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリングチーム）が勝利した。

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ツール・ド・フランスと同じA.S.O.が主催するサウジツアー（UCI.2.1）も折り返しの第3ステージを迎えた。この日はアルマンシラ駅から丘陵地帯を進み、標高1,143mアブ・ラカまで緩やかに登っていく159.2km。カテゴリー山岳のないスプリントステージだが、フィニッシュ手前に短くも最大勾配13％の登りがピュアスプリンターを退けた。

連日積極的に逃げに選手を送るJCL TEAM UKYOからはこの日、キナンレーシングチームから移籍した山本大喜が逃げに入った。メイン集団に対し最大7分差をつけた5名の中で、最も総合タイムの良い山本がバーチャルリーダーに立つシーンもありながらも、横風によりペースの上がったプロトンに残り35kmで吸収された。

前日勝者ジョナサン・ミラン（イタリア）を擁するバーレーン・ヴィクトリアスが終盤に向けてスピードを上げるなか、残り2kmでパスカル・アッカーマン（ドイツ、UAEチームエミレーツ）が飛び出す。エーススプリンターを任されながらも、ここ2日は勝負に絡めていないアッカーマンの動きにはゼネク・スティバル（チェコ、ジェイコ・アルウラー）が反応し、チームメイトかつ総合首位のディラン・フルーネウェーヘン（オランダ）は登りに耐えきれず遅れていった。

アッカーマンとスティバルを捉えた集団は、最終ストレートで唯一トレインを組んだウノエックス・プロサイクリングチームのコントロールから、ミランが2日連続勝利を目指しスプリント。追従したシモーネ・コンソンニ（イタリア、コフィディス）の更に後ろからタイミングを図っていたソーレン・ヴァーレンショルト（ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリングチーム）がミランを抜き、一車身差をつけ勝利した。

「第1ステージを4位で終えていたのでどうしても勝利がほしかった」とプロ初勝利を挙げたヴァーレンショルトは語る。「（ツール・ド・フランスで）クリストフのリードアウトができる自信はあるものの、ステージレースでも戦えることをここで証明しなければならない」とワイルドカードでの出場が決まっているツール・ド・フランスに向け、ヴァーレンショルトは意気込みを語った。

ヴァーレンショルトはノルウェー出身の22歳。ジュニア時代から勝利を重ね、2021年のツール・ド・ラヴニールでは初日プロローグと第1ステージで連続優勝し、2022年でも区間1勝とロード世界選手権U23個人タイムトライアルで優勝したTTスペシャリスト兼スプリンターだ。

JCL TEAM UKYOでは39位（35秒遅れ）でフィニッシュした岡篤志が最高位。総合ではこの日逃げた山本が３分32秒遅れの54位につけている。翌日の第4ステージはマラヤをスタートする163.4kmコースで、残り11kmから距離2.9km/平均12%の登りが待ち受ける。