母国アルゼンチンで開催中のブエルタ・ア・サンフアンに出場しているマキシミリアーノ・リケーゼが、このレースをもって引退することを発表した。同選手は昨年末に解散したB&Bホテルズ KTMと移籍合意していた。



ブエルタ・ア・サンフアンを最後に現役を引退するマキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン) photo:CorVos

「自分のキャリアには満足している。自らの勝利を狙い、また様々なエースと素晴らしい関係性を築いてきた。彼らの勝利もまた僕の勝利でもある」とイタリアメディアに語ったのは、39歳のマキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン)。現在、母国アルゼンチンで開催中のブエルタ・ア・サンフアンを最後に、現役を引退することを発表した。

2006年にチェラミカ・パナリア・ナビガーレ(現グリーンプロジェクト・バルディアーニCSF・ファイザネ)でプロデビュー後、チームNIPPOやクイックステップ・フロアーズを経て、2020年よりUAEチームエミレーツで走っていたリケーゼ。2021年限りでUAEを離れ、現役最終シーズンを地元アルゼンチンで走る予定だったものの、スプリンター兼リードアウト役を担うアルバロホセ・ホッジ(コロンビア)が手首と足首の骨折を含む大怪我を負ったことで急遽チームに復帰。2022年6月までフェルナンド・ガビリア(コロンビア、現モビスター)のリードアウトとしてジロ・デ・イタリアなどで衰えぬ走りを披露した。

数々の名スプリンターの勝利をアシストしてきたマキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン) photo:Kei Tsuji / TDWsport

2012年は中根英登らと共にチームNIPPO・デローザに所属した photo:Sonoko.Tanaka

当初の予定通り2022年限りで引退を考えていたリケーゼだが、マーク・カヴェンディッシュ(イギリス)と共にパリ市の支援を得たB&Bホテルズ KTMへの移籍が浮上した。「マークとB&Bで走る予定だったが、計画自体が破綻してしまった。その後もマークとは話し、僕を新しいチームに連れていきたいと言ってくれた」。

しかし「そのチームがアスタナだという所まで話していたのだが、ある日突然カヴが僕の電話に応じてくれなくなったんだ。1本の電話やテキストメッセージで十分だったのに」とリケーゼ。「マークは素晴らしきチャンピオンだが、人間として僕をがっかりさせた。一緒にツール・ド・フランスに出場し、歴史的な記録を達成することに高いモチベーションを感じていたから尚更ね」とカヴェンディッシュへの不満を顕にしている。

リケーゼがアルゼンチンナショナルチームとして出場するブエルタ・ア・サンフアンは1月29日に最終日を迎える。その同日にリケーゼは、16年に渡る現役生活に終止符を打つ。

text:Sotaro.Arakawa