1月17日に発表されたマーク・カヴェンディッシュ(イギリス)のアスタナ・カザフスタン加入。2月11日開幕のツアー・オブ・オマーンでシーズンインするカヴがインタビューに答え、移籍の舞台裏や新シーズンへの意気込みを語った。



ウィリエール FILANTE SLRに跨るマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、アスタナ・カザフスタン) photo:ASTANA QAZAQSTAN TEAM

「僕には人生経験から得た”くよくよせず前を向く”という教訓がある。ヴィノ(クロフ)からの電話は正直、予想外の出来事だった。しかし結果的に素晴らしいサプライズになったよ」と、アスタナ・カザフスタンへの入団が決まったマーク・カヴェンディッシュ(イギリス)は仏レキップのインタビューにそう答えた。

昨年限りでクイックステップ・アルファヴィニル(現スーダル・クイックステップ)を退団したカヴェンディッシュ。パリ市の支援をつけ「パリ・サイクリング」という名で活動予定だったB&Bホテルズ KTMと契約合意していたものの、新スポンサーが決まらずチームが消滅。その後ヒューマンパワードヘルスなどが獲得に名乗りを上げるなか、共にプロトンで走ったアレクサンドル・ヴィノクロフがGMを務めるアスタナへの移籍が決まった。

「ヴィノから電話があったのは昨年12月。パリ(サイクリングの)計画が消滅した直後のことだった。秋の時点で僕には複数チームの選択肢もあったけれど、既にパリと合意していたんだ。決め手となったのはヴィノによるとても前向きな話し方だった。もちろん他のチームも好意的な態度で接してくれたが、彼とは交渉の必要がないほどスムーズな話し合いができたんだ」。

「再びツールという舞台に戻りたい」 photo:ASTANA QAZAQSTAN TEAM

アスタナはカヴェンディッシュだけではなくそのリードアウト役としてケース・ボル(オランダ)も獲得しており、アスタナはその”好意的な態度”で獲得を実現に導いた。「この数年間で最も困難だったのは勝てなかったことと、そもそもレースを走る機会を掴めなかったこと。彼(ヴィノクロフ)は僕と一緒に目標を定めてくれ、それにより僕の気持ちがポジティブに切り替わった。だから契約に合意したんだ」。

今年5月に38歳を迎えるカヴェンディッシュはツアー・オブ・オマーン(2月11日〜)をシーズン開幕戦とする予定で、その後はUAEツアー(2月20日〜)に出場。そして最多区間勝記録更新が期待されるツール・ド・フランスを予定している。

現在スペイン・アルテアでのトレーニング合宿に参加するカヴェンディッシュは、「僕の選手キャリアがツールに基づいていることは周知の事実。ツールこそが僕の選手生活を輝かしいものにしてくれた。まだレースを走ることが大好きなんだ。だからこそあの舞台で再び走りたい」とインタビューを締めくくった。

text:Sotaro.Arakawa
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