ツアー・ダウンアンダー本戦の開幕に先立ち、アデレード市街地でシュワルベクラシックが開催。男子はカレブ・ユアン(オーストラリア)が、女子はアリー・ウォラストン(ニュージーランド)が優勝した。



サントス・ツアー・ダウンアンダーに先立ち開催されたシュワルベクラシック photo:CorVos

2020年以来ようやくレースカレンダーに戻ってきたサントス・ツアー・ダウンアンダー。男女共にUCIワールドツアーである本戦レースを前に、アデレード市街地を舞台にシュワルベクラシックが行われた。

スタート&フィニッシュ地点となるのは、2020年大会と同じくヴィクトリア広場横のフリンダース通り。前回大会よりも300mほど短くなった1.35kmのコースを女子は34周(45.9km)、男子は39周(52.65km)で争い、オーストラリアの真夏の暑さを避けるべく午後5時半(日本時間午後4時)に女子レースがスタートした。

優勝したアリー・ウォラストン(ニュージーランドナショナルチーム) photo:CorVos

ツアー・ダウンアンダー2023シュワルベクラシック女子 表彰台 photo:CorVos

直前に行われたオーストラリア国内選手権ロードレースを制したブローディー・チャップマン(トレック・セガフレード)ら70名の選手が出場したレースは、アリー・ウォラストン(ニュージーランドナショナルチーム)が集団スプリントで先着。10日前に22歳を迎え、UCIチームであるAGインシュランス・スーダル・クイックステップに所属するウォラストンが、ワールドチームのルビー・ローズマンギャノン(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー)やニーナ・バイスマン(オランダ、ヒューマンパワードヘルス)を抑え初優勝を飾った。

トラック競技をバックボーンに持ち、チームパシュートのジュニア世界王者という経歴のウォラストンは「ナショナルカラーのジャージで勝利できて誇りに思う」と、喜びを語っている。



男子はユアンが5度目の優勝

マイケル・マシューズ(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー) photo:CorVos

午後7時(日本時間午後5時半)にスタートした男子レースには、参戦を見送ったロット・デスティニーではなくオーストラリアナショナルチームの一員としてカレブ・ユアンが出場。その他にもマイケル・マシューズ(ジェイコ・アルウラー)や注目の若手スプリンターであるカーデン・グローブス(アルペシン・ドゥクーニンク)など強力なオージースプリンターが顔を揃えた。

レースは散発的なアタックが繰り返されるなか、チームDSMに移籍後初レースとなったパトリック・ベヴィン(ニュージーランド)が落車。フェンスと地面に激しく身体を打ちつけたものの、足首の捻挫と肘と膝の打撲のみでいまのところ骨折はないとチームは伝えている。

先頭に出たカレブ・ユアン(オーストラリアナショナルチーム) photo:CorVos

自身5度目の優勝を飾ったカレブ・ユアン(オーストラリアナショナルチーム) photo:CorVos

ひと塊の集団で突入した最終ストレートでは、ニキアス・アルントのリードアウトからフィル・バウハウス(共にドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス)が発射。しかしその背後にピッタリとつけていたユアンがそれを上回るスピードで加速し、ヨルディ・メーウス(ベルギー、ボーラ・ハンスグローエ)やグローブスを抑え勝利した。

これが5度目のツアー・ダウンアンダー・クラシック制覇となったユアンは「(UCIレースでないとは言え)ここアデレードでシーズン序盤に勝てたことは自信に繋がる。ツアー・ダウンアンダー(の本戦)には良いスプリンターが揃っているので、この勢いを結果に繋げたい」と喜んだ。

ツアー・ダウンアンダー2023シュワルベクラシック男子 表彰台 photo:CorVos

今年ワールドツアーに昇格し、全3ステージで行われる女子レースは本日開幕。その最終日である17日からは男子レースが全6日間の日程で行われる。
ツアー・ダウンアンダー2023女子シュワルベクラシック 結果
1位 アリー・ウォラストン(ニュージーランドナショナルチーム) 1:02:41
2位 ミカエラ・ドラモンド(ニュージーランド、ZAAFサイクリングチーム)
3位 ニーナ・バイスマン(オランダ、ヒューマンパワードヘルス)
4位 ルビー・ローズマンギャノン(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー)
5位 クロエ・モラン(オーストラリア)
ツアー・ダウンアンダー2023男子シュワルベクラシック 結果
1位 カレブ・ユアン(オーストラリアナショナルチーム) 1:02:35
2位 ヨルディ・メーウス(ベルギー、ボーラ・ハンスグローエ)
3位 カーデン・グローブス(アルペシン・ドゥクーニンク)
4位 フィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス)
5位 マリウス・マイヤーホーファー(ドイツ、チームDSM)
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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