AG2RシトロエンはB&Bホテルズ KTMの解散で所属先を失っていたフランク・ボナムール(フランス)の獲得を発表した。同選手は初出場だった2021年ツール・ド・フランスで何度も逃げ、総合敢闘賞に輝いたオールラウンダーだ。



AG2Rシトロエンに加入したフランク・ボナムール(フランス)AG2Rシトロエンに加入したフランク・ボナムール(フランス) photo:AG2R CITROËN TEAM
「2年契約でAG2Rシトロエンに加入することができて誇りに思う。ワールドチームに所属することがキャリアの目標でもあった。それをフランス籍のチームで叶えることができ、達成感と共に大きなモチベーションを感じている」とフランク・ボナムール(フランス)はチームのプレスリリースでそう語った。

ボナムールはフランス・ブルターニュ地方出身の27歳。2014年に同地域のブルターニュ・セシェ(現アルケア・サムシック)でプロデビュー後は順調にキャリアを重ね、B&Bホテルズ KTMに移籍した2021年のツール・ド・フランスで何度も逃げ、総合敢闘賞を獲得した。今季もB&Bと契約を結んでいたボナムールだったがチーム消滅を受け、AG2Rが救いの手を差し伸べた。

2021年ツールで総合敢闘賞を獲得したフランク・ボナムール(フランス、当時B&Bホテルズ・KTM)2021年ツールで総合敢闘賞を獲得したフランク・ボナムール(フランス、当時B&Bホテルズ・KTM) photo:Makoto AYANO
GMであるヴァンサン・ラヴニュ氏はボナムールについて「彼は我々が数年間追っていた選手。そのためB&Bが解散後すぐにチームに加えよう思った。3人のネオプロを獲得したなかで、彼をどんな地形にも対応できる経験豊富な選手と見ている」とコメント。また「彼は小集団で力を発揮するスピードがあり、登りが得意でクラシックレースも走ることができる。何より我々のチームにふさわしい精神力の持ち主だ」とその特徴を説明した。

AG2Rは昨年ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、ボーラ・ハンスグローエ)やクレマン・シャンプッサン(フランス、アルケア・サムシック)、リリアン・カルメジャーヌ(フランス、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)ら主力選手を放出。しかしチームは代わりとなる即戦力選手ではなく、昨年のブエルタ・ア・ブルゴスで区間優勝したバスティアン・トロンション(フランス)ら、19〜21歳の若手選手3名を加入させるに留まっていた。

text:Sotaro.Arakawa