今季21勝と大活躍したロレーナ・ウィーベス(オランダ)がチームDSMからSDワークスへ移籍する2023年。その他にも現ジュニアロード&TT世界王者のゾーイ・バックステッド(イギリス)がEFに本格加入するなど、来シーズンに向けた移籍動向を紹介します。



SDワークスへ移籍するロレーナ・ウィーベス(オランダ)SDワークスへ移籍するロレーナ・ウィーベス(オランダ) photo:CorVos
2021年はパリ〜ルーベ・ファムがスタートし、2022年7月にはツール・ド・フランス・ファムが33年振りに復活するなど年々プレゼンスを高めている女子ロードレース。また2023年はワールドチームが13から14チームに増えるなど、年々勢いの増すプロトンの移籍情報をまとめてお届けしよう。

今年のストーブリーグの中心は今季21勝と2つの総合優勝という圧倒的な力を見せつけたロレーナ・ウィーベス(オランダ)だ。ツール・ファムで区間2勝に加えヨーロッパ選手権も制した現役最速スプリンターは、来季3年契約でSDワークスに移籍する。

SDワークスには今年のストラーデビアンケとロンド・ファン・フラーンデレンを制し、ツール第1ステージではウィーベスとフィニッシュスプリントを争ったロッタ・コペッキー(ベルギー)がいるものの、ピュアスプリンターではないためレースでの役割は被らない。更に来年のツール・ファムでは総合エースのデミ・フォレリング(オランダ)との兼ね合いなど、SDワークスは来季最も注目度の高いチームとなった。

注目のバックステッドとファンエンペルがワールドツアーデビューへ

シクロクロスとトラックを合わせて今年4枚のアルカンシエルを獲得したゾーイ・バックステッド(イギリス)シクロクロスとトラックを合わせて今年4枚のアルカンシエルを獲得したゾーイ・バックステッド(イギリス) photo:Nobuhiko Tanabe
若手では2004年のパリ〜ルーベ覇者マニュス・バックステッド(スウェーデン)の娘であるゾーイ・バックステッド(イギリス)が注目の的。弱冠18歳ながらも9月のロード世界選手権女子ジュニアではロードと個人タイムトライアルで2年連続2冠という圧巻の強さを見せつけた。加入するのは今年8月からトレイニー(研修生)走っているEFエデュケーション・TIBCO-SVBで、今年ワールドツアー未勝利と失意の底にいるチームを救えるか。

同じ若手ではユンボ・ヴィスマがフェム・ファンエンペル(オランダ)を獲得。ロードの経験は乏しいもののシクロクロスでエリート相手に現在15戦10勝(2位が4度)と圧倒的な強さを誇り、当然2月に行われるシクロクロス世界選手権のアルカンシエル候補と目される逸材だ。

ファンフルーテンの後継者として期待されるリッパートがモビスターへ 

今年ドイツ国内選手権を制したリアヌ・リッパート(チームDSM)今年ドイツ国内選手権を制したリアヌ・リッパート(チームDSM) photo:CorVos
チーム創設時である2012年より所属したバイクエクスチェンジ・ジェイコを離れるアマンダ・スプラット(オーストラリア)チーム創設時である2012年より所属したバイクエクスチェンジ・ジェイコを離れるアマンダ・スプラット(オーストラリア) photo:Kei Tsuji今年は躍進の年となったキアラ・コンソンニ(イタリア)今年は躍進の年となったキアラ・コンソンニ(イタリア) photo:CorVos

今年行われた3つのメジャーステージレースで3冠を達成したアネミエク・ファンフルーテン(オランダ)を擁するモビスターには、チームDSMから若手クライマーのリアヌ・リッパート(ドイツ)が加入。リッパートにはファンフルーテンに欠けていた山岳アシストの役割に加え、来季限りで引退するファンフルーテンから総合エースの引き継ぎが期待されている。

トレック・セガフレードにはベテランクライマーのアマンダ・スプラット(オーストラリア)がバイクエクスチェンジ・ジェイコより加入し、リブレーシング・テックファインドに名前を改めるリブレーシング・エクストラにはスペイン王者マビ・ガルシアがUAEチームADQより移籍する。

また今年UCIチームながらワールドツアーを上回る14勝を挙げたヴァルカー・トラベル&サービスからは、ジロ・デ・イタリア・ドンネで区間優勝を挙げたキアラ・コンソンニとセラティジット チャレンジ by ブエルタで同じく区間優勝したシルヴィア・ペルシコ(共にイタリア)が揃ってUAEに加入。大幅な戦力補強に成功している。

text:Sotaro.Arakawa

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