アスタナカザフスタンは12月12日、ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア)との契約を即時解除したことを発表した。今年5月に違法薬物やマネーロンダリングの取引容疑で逮捕された人物とロペスの関連が明らかになったためとしている。



アスタナカザフスタンとの契約が解除されたミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア)アスタナカザフスタンとの契約が解除されたミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア) photo:VueltaBurgos
「ミゲルアンヘル・ロペスとマルコス・メイナール博士との関係を示す新たな事実が明らかとなった。そのためアスタナカザフスタンは同選手との契約とチーム規約の違反に基づき、同選手との関係を直ちに終了させる以外に解決策はないと判断した」。アスタナカザフスタンはミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア)に関するプレスリリースを発表した。

スペイン・エストレマドゥーラ大学の教授であるマルコス・メイナール氏が薬物取引とマネーロンダリングの容疑でスペイン警察に逮捕されたのは今年の5月11日のこと。しかしロペスはその1日前である5月10日に出場中だったジロ・デ・イタリアを太ももの痛みを訴え途中棄権。アスタナカザフスタンは同事件への関与が疑われていたロペスに対し暫くの出場停止処分を下した。

直後にロペスは担当弁護士を通してメイナール氏の容疑への関与を否定。8月2日のブエルタ・ア・ブルゴスでレース復帰し、続くブエルタ・ア・エスパーニャでは総合4位に入る好成績を収めたものの、今回メイナール氏との新たな関係が明らかとなったようだ。

ブエルタ・ア・エスパーニャで総合4位に入ったミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア)ブエルタ・ア・エスパーニャで総合4位に入ったミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア) photo:CorVos
ロペスは2015年にアスタナでプロデビューした28歳。2016年のツール・ド・スイスで総合優勝して頭角を現し、ボルタ・ア・カタルーニャ総合優勝やツール・ド・フランスとブエルタの両方で区間優勝を挙げるなど世界トップクライマーの一人だ。また2021年にモビスターへ移籍したロペスだったが、チームとの不和によってシーズン途中で同チームを退団して今季アスタナに復帰していた。

メイナール氏の容疑にロペスがどのように、またどの程度関わっていたかはいまだ不明であるものの、チームが契約解除するに足る事実があると考えられている。なお、アスタナカザフスタンは「チームと選手の権利を守るため、これ以上のコメントは差し控える」とプレスリリースを締めくくっている。

text:Sotaro.Arakawa