ニールソン・ポーレスとアンドレア・ピッコロのワンツーフィニッシュで幕を閉じたジャパンカップ。その夜、ラファ宇都宮で開催されたEFエデュケーション・イージーポストのアフターパーティーには他チームも含め多くの選手たちが集い、勝利を祝うハッピーな雰囲気に包まれた。



EFエデュケーション・イージーポストのジャージが目印EFエデュケーション・イージーポストのジャージが目印
3年ぶりに開催され、熱い戦いが繰り広げられたジャパンカップ・サイクルロードレース。本戦の日曜はニールソン・ポーレス(アメリカ)とアンドレア・ピッコロ(イタリア)のEFエデュケーション・イージーポストの2人が優勝と2位を獲得。EFチームとしては最高の結果となった。

JC覇者ニールソン・ポーレスがカジュアルに登場JC覇者ニールソン・ポーレスがカジュアルに登場 photo:Makoto AYANO
同時に欧州選手3人に加え、中根英登、岡篤志、門田祐輔の日本人3人で構成された今回のチームは、育成チームであるEFエデュケーション・NIPPO ディベロップメントチームとしての若手選手の成長ぶりを確認できた素晴らしい結果にもなった。岡選手はクリテリウムで3位になり、門田選手も最終局面まで2人のエースをサポートする走りができたからだ。

中根英登選手らとファンが談笑する中根英登選手らとファンが談笑する
そんな最高の夜、チームのアパレルスポンサーをつとめるラファがジャパンカップに併せて開店するポップアップ(期間限定)ストアの「ラファ宇都宮」においてアフターパーティを開催。勝っても負けても、もともと予定されていたパーティのスタートは18時。ワンドリンク代込みのチケットを買って入店すれば、続々と来店するレースを終えた選手たちと交流することができるのだ。

優勝したニールソン・ポーレスは引っ張りだこだ優勝したニールソン・ポーレスは引っ張りだこだ photo:Makoto AYANOバーレーン・ヴィクトリアスのペリツォッティ監督バーレーン・ヴィクトリアスのペリツォッティ監督


新城幸也選手もやってきた新城幸也選手もやってきた
ラファ宇都宮に来る選手はEFの選手だけじゃなく、他のどのチームでもウェルカム。今年、バーレーン・ヴィクトリアスは翌日の月曜の夜に東京都内でパーティを開催することになったが、他のチームのパーティ予定は無かったため、チームを問わず多くの選手たちがここに集うことになった。そのバーレーンと新城幸也選手たちもやってきた。皆が集まる場を提供してくれることに対し、ラファ・ジャパンには他チームからも感謝のメッセージがSNSで寄せられているという。

EFエジェームズ・ショーが「ジャパーンカップもジャパンも最高!」と叫ぶEFエジェームズ・ショーが「ジャパーンカップもジャパンも最高!」と叫ぶ photo:Makoto AYANO
22時になると小俣さんの司会によりEFの選手たちが前列に並び、勝利の一言挨拶タイムに。中根英登選手は大事な局面でのメカトラで遅れたピッコロ選手を必死になってアシストして先頭集団に引き上げたときの苦しさを語ってくれた。岡選手はクリテリウムで表彰台に登れた喜びと、豪華すぎるチームが(育成チーム所属の)自分のためにフルアシストしてくれ、スプリントに臨んだ気持ちを話してくれた。門田選手も厳しいレースでチームに貢献できたことを話してくれた。

「ジャパーンカップもジャパンも最高!」と素っ頓狂な雄叫びを上げたのはジェームズ・ショー(アメリカ)。自身としてリザルトは無いが、ショーの2日間に渡る献身的なアシストぶりは観戦したファンたちは皆が分かっているから、惜しみない拍手が送られた。

チームメイトへの感謝を忘れないニールソン・ポーレスチームメイトへの感謝を忘れないニールソン・ポーレス photo:Makoto AYANO他のチームのスタッフたちもくつろいだ表情で楽しむ他のチームのスタッフたちもくつろいだ表情で楽しむ


そして優勝したニールソン・ポーレスは、2日間に渡って調子が良かったこと。クリテで確認できた脚の調子でロードでも必ず勝てると思っていたことなどを話してくれた。そして並んだチームメイトやサポートしてくれた関係者に対する感謝も忘れなかった。

素晴らしい雰囲気にファンたちも満足げだ素晴らしい雰囲気にファンたちも満足げだ
この日ファンたちから数え切れないほどの祝福を受けたポーレスは、韓国にルーツを持つパートナーと一緒にしばらく日本と韓国を旅して回るのが楽しみだとも。

厳しいレースを走り終えた選手たちだが、ファンたちとの交流を楽しむために長く会場に居てくれた。ほとんどの選手にとってジャパンカップでレースシーズンはほぼ終了。リラックスした表情を覗ける貴重な機会なのだ。

ジャパンカップ期間中にファンに嬉しいイベントを数々開催

ラファ宇都宮ポップアップストアラファ宇都宮ポップアップストア photo:Makoto AYANO
ポップアップストア「ラファ宇都宮」は、かつて2015年はオリオン通りのアーケードに店を構えたこともあるが、近年(といっても3年越し)はクリテリウムのコース沿道に面した駅前大通に広い床面積で店舗を展開。ファンはJC期間中に必ず立ち寄りたいスポットになっている。

ツール・ド・フランスを現地取材した小俣雄風太さんと辻啓さんの「今シーズン振り返り」トークショーツール・ド・フランスを現地取材した小俣雄風太さんと辻啓さんの「今シーズン振り返り」トークショー photo:Hiroko Takashima
おなじみサイクルフォトグラファー辻啓さんの写真展示や、今年ツール・ド・フランスを現地取材した小俣雄風太さんと辻さんの「今シーズン振り返り」トークショーでは「ポガチャルはどう走ればツールに勝てたのか」「マチュー(ファンデルプール)の今シーズンは」といった、ここだけのディープなテーマに沿った話が聞けた。

そして女性版ツール・ド・フランス「ファム」をテーマに、レースウォッチャーのアヤフィリップさんと小俣さんのトークショーも開催し、女性レースへの興味が高まるなかタイムリーさもあるイベントが企画された。

267mのスプリントタイムを計測する「Wahoo RGTスプリントチャレンジ」267mのスプリントタイムを計測する「Wahoo RGTスプリントチャレンジ」
奥の広いスペースではwahooが相乗りしてスピニングイベントを開催。ジャパンカップ前夜、クリテリウムの表彰直後に開催されたミニイベント「Wahoo RGTスプリントチャレンジ」は、wahooのスマートローラーに設置されたバイク上でオンラインサイクリングアプリ「Wahoo RGT」のカナリーワーフ内に設定されている267mのスプリントタイムを計測、ゲストである入部正太朗(弱虫ペダルサイクリングチーム)、織田聖(EFエデュケーション・NIPPO ディベロップメントチーム)、まささん(Youtuber)の3人に勝てば賞がもらえるというもの。

ゲストは入部正太朗(弱虫ペダルサイクリングチーム)、織田聖(EFエデュケーション・NIPPO ディベロップメントチーム)、まささん(Youtuber)の3人ゲストは入部正太朗(弱虫ペダルサイクリングチーム)、織田聖(EFエデュケーション・NIPPO ディベロップメントチーム)、まささん(Youtuber)の3人
真剣なアタックに会場は大盛りあがり真剣なアタックに会場は大盛りあがり こんなタイムが出ました!こんなタイムが出ました!


ここで販売されるジャパンカップ限定キャップとミュゼットはオリジナルデザインで、EFの選手たちもお土産に買って帰るという。モチーフとなっているのは、亀ヶ岡城を中心に広がったレースの舞台である宇都宮の街。EFエデュケーション・イージーポストのジャパンカップへの意気込みも織り交ぜ、ピンクの亀甲柄をモチーフにデザインが施された。

宇都宮の亀ヶ岡城が由来の亀甲柄をあしらったジャパンカップ限定ミュゼット宇都宮の亀ヶ岡城が由来の亀甲柄をあしらったジャパンカップ限定ミュゼット オリジナルデザインのキャップは選手たちもお土産に買っていくオリジナルデザインのキャップは選手たちもお土産に買っていく


実はこれらのグッズは3年前の2019年大会に用意されたものだが、コロナの影響で大会は2年連続中止になり、3年越しに販売されたというストーリーがある。しかし3年経ってもラファのEFチームへのサポートは続き、ジャパンカップは続き、デザインの変更は必要なかったということ(破棄にもならなかった)。そういう裏話を聞くと、なおさらちょっと感慨深いものがある。


text&photo:Makoto AYANO