10月10日(月・祝)に株式会社ジャパンサイクルリーグ(JCL)主催の「みずほヴェロフェスタ」が開催された。初回大会でありながら、多くのサイクリストが集まったスタンプラリーイベントをサイクルジャーナリストの小玉凌さんによる実走レポートで紹介していこう。



今年初開催の「みずほヴェロフェスタ」今年初開催の「みずほヴェロフェスタ」 photo:kodama ryo
岐阜県の瑞穂市とその周辺市町を周遊するライドイベントとして開催された「みずほヴェロフェスタ」。今年が初開催ながら、ロングライド初心者でも参加できる敷居の低さと、岐阜の絶品が食べられることから前評判も高かった。

そんなライドのポテンシャルは如何ほどなのか。サイクルジャーナリストの小玉凌が味見、いや、しっかり堪能してきたので当日の模様をお届けします!

楽しみ方は千差万別!好きなルートでゆる〜いライドを

決められたルートは無く、スタート直後から方々に走り出す様子が印象的だった決められたルートは無く、スタート直後から方々に走り出す様子が印象的だった photo:kodama ryo
みずほヴェロフェスタは「みんなに優しいロングライド」をテーマに掲げており、ルート設定からチェックポイントの選定までの全てを参加者が自由に決めるエリア周遊型のイベントだ。チェックポイントをすべて周ると、走行距離約75〜100kmとなるが、実のところフルコンプリートする必要は一切無い。

なので、当日の様子を見ながらルートの変更だってもちろん可能だ。自分のペースで無理せず、美味しいとこだけ堪能できることが「みずほヴェロフェスタ」最大の魅力である。 また、参加者は全員同カテゴリーであるため、脚力に差がある参加者同士でも合流地点を決めれば十分一緒に楽しむことだってできるのだ。

スタート前に「めぐローカル」の使い方をレクチャースタート前に「めぐローカル」の使い方をレクチャー photo:kodama ryo
さて、参加が決まったタイミングで、早速ルートの選定を行った。ウェブサービス「めぐろーかる」でチェックポイントを確認していく。ちなみにこの「めぐろーかる」は大会当日にチェックポイントにチェックインするのにも使うことになるので、事前に操作に慣れておくという目的もあった。

自分の脚力を想定すれば無理のないルートで周りたいところ。しかしエイドステーション情報を見ていると気になるグルメが盛りだくさん。煩悩だらけの私にはここが一番の難所であった。結局、「食」を優先した私は、大盛り気味のルートを採用していたのである。

スマートフォンへのアクセスがしやすいマウントが重宝したスマートフォンへのアクセスがしやすいマウントが重宝した photo:kodama ryo
大会当日、スタート&ゴール地点であるサンコーパレットパークへと到着すると、参加者がすでに身支度をしていた。当日の朝は生憎の雨模様で、みなさんウェアの選定に頭を悩ませている様子。しかし、気温があまり下がらないようなので、私は薄手のウェアを羽織って繰り出した。

スタートまでの待ち時間、談笑しているグループに今日のルートを聞いてみることに。私とほぼ同じチェックポイントを周るようだが、地元ライダーがいるらしく、交通量の少ないルートを取っているようだ。撮影を兼ねて同行を依頼すると快諾してくださった!

走って、撮って、食べて、走って、撮って、食べて……

チェックポイントに着いたらまずは記念撮影チェックポイントに着いたらまずは記念撮影 photo:kodama ryo
コンパクトながら食べ応えのある「ながらういろう」コンパクトながら食べ応えのある「ながらういろう」 photo:kodama ryo 道の駅 織部の里では空気入れ、工具の貸し出しが行われている道の駅 織部の里では空気入れ、工具の貸し出しが行われている photo:kodama ryo


まずは「美江寺宿本陣」(みえじじゅくほんじん)へ。写真を撮り、先述した「めぐローカル」を使ってチェックイン。みなさん画像のアップロードをすませると早々に出発態勢をとっている。遅れを取るべからずと、私も慌てて後に続いた。

糸貫川を伝いながら北上していくと次なるポイント「道の駅 織部の里」へ到着。ここでは岐阜の名産、長良ういろうが振舞われる。コンパクトで食べやすく、 行動食としての相性が良いため、ポケットにしまい込むライダーも見かけた。この頃には気温も上がり出し、身体の動きも良くなってくる。調子に乗って、次なるポイントへもテンポよく向かった。

参道を抜けると立派な門構えが現れる参道を抜けると立派な門構えが現れる photo:kodama ryo
紅葉シーズンが待ち遠しい参道紅葉シーズンが待ち遠しい参道 photo:kodama ryo
温かい豚汁と五平餅をいただく温かい豚汁と五平餅をいただく photo:kodama ryo
今は無き名鉄谷汲沿線を進むと「谷汲山華厳寺」に到着。ここも急ぎ足で通過すると、メンバーのスピードが一段と上がる。そう、次のポイントではお待ちかねの五平餅&豚汁が待っているのだ。

時刻は正午も近く、お腹が減った最高のタイミングでのこの補給はたまらない。バイクをラックに掲げると、すでに醤油の焦げた匂いが漂っている。 撮影することも忘れて五平餅を一口かじってしまったほど……。

道の駅 池田温泉で一息 ここまで順調に来ていたはずだったが……?

談笑しながら登りをこなせるのもゆったりとしたグルメライドらしい談笑しながら登りをこなせるのもゆったりとしたグルメライドらしい photo:kodama ryo
短くも急な斜面が現れるが、エイドステーションまでのひと踏ん張り!短くも急な斜面が現れるが、エイドステーションまでのひと踏ん張り! photo:kodama ryo 霞間ヶ渓公園から見下ろす濃尾平野霞間ヶ渓公園から見下ろす濃尾平野 photo:kodama ryo


まもなく紅葉を迎える揖斐峡。揖斐川橋だけが色づいているまもなく紅葉を迎える揖斐峡。揖斐川橋だけが色づいている photo:kodama ryo
お腹を満たしたわれわれが次に向かった先は「道の駅 池田温泉」。道中では飛騨・美濃紅葉33選に選出されている揖斐峡や桜の名所である霞間ヶ渓を通過。春と秋の絶景ポイントをしっかり予習した後、無事池田温泉に到着。

ここへ来たからには足湯に浸かるべしと、疲れ切った足を休めることにした。足湯に浸かって、しっかりほぐれた両足は再出発を拒んでいたが、しぶしぶシューズを履くことに。

サイクリストに優しい事がうかがえる池田温泉サイクリストに優しい事がうかがえる池田温泉 photo:kodama ryo ゲストライダーのおかずちゃんは池田温泉でアイスクリームを堪能!ゲストライダーのおかずちゃんは池田温泉でアイスクリームを堪能! photo:kodama ryo


進捗具合を見ながらルートを変更する進捗具合を見ながらルートを変更する photo:kodama ryo
体の芯まで温まる足湯。ミニタオルは必須ですよ!体の芯まで温まる足湯。ミニタオルは必須ですよ! photo:kodama ryo 地元民のコミュニティースペースにもなっています地元民のコミュニティースペースにもなっています photo:kodama ryo


スイーツを堪能するメンバーの元に戻ると何やら作戦タイム中。当初の予定でいくとゴールの時刻に間に合わないようだ。泣く泣く次を最終スポットとし、ゴールへ向かうことにした。

心地よい葉擦れを聴きながら稲田を進むと最後の目的地である「株式会社 箕浦」が見えた。ここでは飛騨牛コロッケ、美濃いびフランクフルトが我々を迎えてくれる。揚げたて、焼きたてと最高の状態で待っていた2品を頬張る。言うまでもなく、絶品極まりない。

ここが我々にとっての最終チェックポイントとなったここが我々にとっての最終チェックポイントとなった photo:kodama ryo
森本工房の飛騨牛コロッケ。旨味をしっかりと感じる森本工房の飛騨牛コロッケ。旨味をしっかりと感じる photo:kodama ryo アツアツで用意しもらえるアツアツで用意しもらえる photo:kodama ryo


さらにノンアルコールビールも購入できたため、ゴール目前で"優勝"してしまう参加者もいたことだろう。

西濃エリアを堪能するのにぴったりな「みずほヴェロフェス」

あっという間のライドに若干の名残惜しさを感じながらも再びスタート地点へ戻ることに。到着すると既にチェックアウトしている参加者も。聞くと、北上はせず、平野部を中心に周っていたそう。別のルートを進んだ仲間と情報をシェアしながら次回の計画を立てていくのも面白そうだ。

最後も「めぐローカル」を用いてチェックイン。完走賞をもらって終了!最後も「めぐローカル」を用いてチェックイン。完走賞をもらって終了! photo:kodama ryo
ちなみに今回は6カ所中、4カ所のエイドポイントに立ち寄った。残る2カ所、「さい川桜公園」ではたこ焼き(オクトパスファイヤーズ)と873°(ハナサンド)、「BLOCK47」ではパリブレスト(洋菓子)を食べることができたのだとか。食べ逃した分、食べた参加者の話を聞いていると更に美味しそうに聞こえてくる。

今回のライドを振り返ると川辺、用水の脇を走ることが多く、多くの清流が流れる岐阜らしさを肌で感じることができた。また、水にちなんだ名産が多いことにもうなずける。

当初の予定のポイントすべてを訪ねることこそ叶わなかったが、それでもお腹いっぱいで終えた。これこそ、ホスピタリティの高いグルメライドであった証拠であるといえるだろう。そんな「みずほヴェロフェスタ」は初開催ながらも魅力満載で満足度の高いイベントであったといえるだろう。次回は全グルメのコンプリートを目指し、脚力と胃袋を鍛えて再戦に臨みたいところだ。

text&photo:kodama ryo

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