圧巻の走りで2連覇を達成したエレン・ファンダイク(オランダ)は「フィニッシュ後、勝利を告げられ驚いた」と予想外の勝利を喜んだ。2位のブラウンや女子U23初代優勝者に輝いたグアジーニのコメントを紹介します。



優勝 エレン・ファンダイク(オランダ)

優勝を聞かされ驚くエレン・ファンダイク(オランダ)優勝を聞かされ驚くエレン・ファンダイク(オランダ) photo:CorVos
私に向いていない難しいコースで、優勝できると思っていなかった。だがコーチやボーイフレンドのおかげもあり、良い精神状態と身体のコンディションで臨むことができた。アルカンシエルを着て過ごした1年は素晴らしい時間だったので、表彰台に上がることができれば最高だと思っていた。それすら叶わなければしょうがないとね。でも、そのリラックスした気持ちがこの素晴らしい結果に結びついたのだと思う。

途中のタイムは知りたくたかったので聞いていない。ただ、チームカーにいる監督は「良い走りだ」と伝えてくれていた。また「このまま行けば良い結果が掴めるぞ」とも言っていたが、それが優勝なのかメダルなのか私にはわからなかった。笑

1周目を過ぎた辺りでどこからか「メダルも可能なタイム」という言葉が聞こえてきた。だから「きっとそれぐらいのタイムなんだろう」と思いながら走っていた。とにかく情報を入れず自分自身にだけ集中したかった。力の配分も上手くいき、2周目の前半でスピードが緩んでしまったものの、それは皆も同じだったと自分に言い聞かせた。

自身3度目の獲得となったアルカンシエルにサインをするエレン・ファンダイク(オランダ)自身3度目の獲得となったアルカンシエルにサインをするエレン・ファンダイク(オランダ) photo:CorVos
とにかく最後まで踏み続けることができた。また、最後はマーレン(ローセル)の姿も見えたので「少なくとも今日はバッドデイではなさそうだな」と思った。だからフィニッシュ後に勝利を告げられた時は驚いたよ。

全てのタイトルはそれぞれ物語がある。最初に世界選手権を獲った時は、優勝候補筆頭に挙げられていたこともあり、とても緊張した状態で掴んだ勝利。そして昨年の2度目は8年越しのアルカンシエル獲得だったこともあり、かつてないほどの感動があった。そしてこの勝利は…まだ頭の整理がついていないので、また後で聞いてね。

欧州から遠く離れたオーストラリアでのレースは少し奇妙な感覚だった。なぜならいつもそばにいるコーチやボーイフレンドがいないからね。でも彼らとはスタート前に連絡を取っていたので、この勝利は彼らおかげ。久々のレースだったということもあり、他の選手と比較することなく臨むことができた。それらがとても上手くいった結果だと思う。

2位 グレース・ブラウン(オーストラリア)

母国オーストラリアで銀メダルを獲得したグレース・ブラウン(オーストラリア)母国オーストラリアで銀メダルを獲得したグレース・ブラウン(オーストラリア) photo:CorVos
目標は表彰台に上がることで、夢はここで勝つことだった。目標は達成することができたので、今後は夢の実現を目指して走っていく。母国で勝利できれば素晴らしい気持ちだったろうが、(2位でも)十分スペシャルな日になった。だからこの結果に満足しているよ。

マーレン・ローセルとエレン・ファンダイクがスタートして、ライブで伝えられる計測タイムを見て緊張が最高潮に達した。自分自身の走りには満足していたものの、複雑な感情に押し潰されそうだった。優勝できるとも思っていたが、今日のファンダイクは異次元の走りを見せた。

来年以降に向けてタイムトライアルのトップ選手という自信がついた。他の選手に比べて個人TTに出場する機会は少ないと思うが、TTスペシャリストという自覚を持って競技に取り組んでいきたい。(世界選手権という大舞台で)自分の足跡を残すことができた。最高にクールだね。

3位 マーレン・ローセル(スイス)

3年連続で表彰台に上がったマーレン・ローセル(スイス)3年連続で表彰台に上がったマーレン・ローセル(スイス) photo:CorVos
2位じゃなかった!笑。もう(優勝を逃しすぎて)オランダの国家そらで歌えるようになったよ。そして優勝したファンダイクを祝福したい。

世界選手権個人タイムトライアルで3位はかなり満足と言える結果。レース直前に様々な困難に見舞われ、準備することがとても難しかった。だから脚の力を限界まで振り絞らなければならなかった。だが私の技術面において過去最高の走りができた。

この結果はコーチやスイスナショナルチーム、また特別にコーチをしてくれたシュテファン・キュングのおかげ。また、私を応援して素敵なメッセージを送ってくれた皆に感謝したい。

U23優勝(エリート4位) ヴィットリア・グアジーニ(イタリア)

U23のアルカンシエルを射止めたヴィットリア・グアジーニ(イタリア)U23のアルカンシエルを射止めたヴィットリア・グアジーニ(イタリア) photo:CorVos
世界選手権だからではなく、タイムトライアルはいつも緊張する。タイムトライアルは鍛錬みたいなもので、内なる自分との戦い。だからU23やエリートでの順位のことは考えず、スタートからフィニッシュまで全力を尽くすことだけを考えていた。

無線からはエリートカテゴリーでも良いタイムで走っていると伝えられていた。目標はエリートで表彰台に上がることだったが、他の選手たちが強すぎた。自分の走りには満足しているし、アルカンシエルに袖を通すことができた。この虹色ストライプを身につけることが夢の1つだったので、とても誇りに思う。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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