今回はAG2Rシトロエンのチームバイクをピックアップ。昨年に引きつづきチームバイクに採用されたBMCのオールラウンダー、SLR01やエアロロードのTimemachine Road01、TTバイクのTimemachine01を紹介していく。



アージェードゥーゼールの駆ったBMC SLR01アージェードゥーゼールの駆ったBMC SLR01 photo:Makoto AYANO
長い第一週目の最終日となった第9ステージで、60㎞に及ぶ独走の果ての逃げ切り勝利を飾ったボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク)がその存在感を見せつけたフレンチチーム、AG2Rシトロエン。

チームが駆るのは昨年に続きスイスの総合バイクブランド、BMC。スイスらしい精密さと、最先端の開発力を兼ねそなえたBMCのオールラウンダー、SLR01がユンゲルスの長い旅路を支えた。

サドルはフィジーク、3Dプリントパッドのアダプティブシリーズを使用する選手も多いサドルはフィジーク、3Dプリントパッドのアダプティブシリーズを使用する選手も多い BMCの一体型ハンドルはフラットなデザインでメモの視認性も良好だBMCの一体型ハンドルはフラットなデザインでメモの視認性も良好だ


ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク)は第1ステージでTimemachine Road01を使用ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク)は第1ステージでTimemachine Road01を使用
エアロ効果を発揮する専用ボトルケージエアロ効果を発揮する専用ボトルケージ パワー2マックスのスパイダー型パワーメーターを使用パワー2マックスのスパイダー型パワーメーターを使用


何万通りものシミュレーションから最適な形状を導き出すことで実現した、軽量かつエアロなオールラウンダーとして、昨年モデルチェンジしたばかりのSLR01は、このステージだけでなく、ほぼ全ステージを通して大半の選手に愛用されることに。

ラルプデュエズの登場する第12ステージでは、ユンゲルスのためにBMCはスペシャルモデルを用意。ドイツの職人が一台一台精密にカーボンレイアップを施した"Masterpiece"モデルは、発表時にはそのクオリティもさることながら、200万円を超える価格にも注目が集まった一台だ。一方で、平坦ステージではパワフルなライダーたちはエアロロードであるTimemachine Road01を使用するシーンも見られた。

ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク)が駆ったBMC SLR01 Masterpieceボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク)が駆ったBMC SLR01 Masterpiece
シートポストもMasterpieceフィニッシュだシートポストもMasterpieceフィニッシュだ フレームだけでなく、ハンドルも職人がレイアップしているフレームだけでなく、ハンドルも職人がレイアップしている


コンポーネントおよびホイールはカンパニョーロで統一。コンポーネントはSUPER RECORD EPS、ホイールはBORA ULTRA WTOをステージに応じてリムハイトを使い分けていた。一方、チューブラーを使用したい選手はBORA ONEを選択していた。山岳ステージでは、未発表のローハイトカーボンリムモデル(HYPERON?)を投入するのは、先に紹介したUAEとも共通する。

タイヤはピレリのP ZERO VELOシリーズを使用しているが、選手、ステージによって様々な仕様を使い分けている。BORA ULTRA WTOをメインで使用しているためチューブレスタイヤが多いのかと思いきや、ピレリのTPUチューブ"SMARTUBE"と組み合わせたクリンチャー仕様を使う選手も多い。一方で、チューブラーを使う選手もちらほら。

ピレリのP-ZERO RACE TLRを使用するピレリのP-ZERO RACE TLRを使用する チューブラーを愛用する選手はBORA ONEを使用チューブラーを愛用する選手はBORA ONEを使用


一方でクリンチャーモデルにSMARTUBEを組み合わせるバイクも多かった一方でクリンチャーモデルにSMARTUBEを組み合わせるバイクも多かった
コックピット周りは昨年のデダからBMC純正にスイッチ。フレームとマッチペイントされたステム一体型ハンドルを全ての選手が使用していた。サドルはフィジークで、3Dプリントパッドのアダプティブモデルを使用する選手も多い。ペダルはルック、サイクルコンピューターはワフーとなっている。

TTバイクとしてはBMC Timemachine01を使用。昨年はリムブレーキモデルを使用していたが、今年はついにカンパニョーロのTTコンポーネントがディスクブレーキに対応したことを受け、今年からはディスクブレーキモデルを使用する選手も見受けられた。ディスクブレーキ仕様のTTバイクには、前輪にBORA ULTRA WTO 80、後輪にBORA ULTRA WTO TTという新モデルを使用していた。

ベン・オコーナー(オーストラリア、アージェードゥーゼール・シトロエン)のBMC Timemachine01ベン・オコーナー(オーストラリア、アージェードゥーゼール・シトロエン)のBMC Timemachine01
シートポストがフレームデザインの一部となる、Timemachine01のユニークな部分だ。シートポストがフレームデザインの一部となる、Timemachine01のユニークな部分だ。 カンパニョーロの12速TTコンポーネントを使用。グリップは滑り止めテープを貼るカンパニョーロの12速TTコンポーネントを使用。グリップは滑り止めテープを貼る


TTバイクはBMCのTimemachine 01
ディスクブレーキ仕様のTTバイクには、前輪にBORA ULTRA WTO 80、後輪にBORA ULTRA WTO TTという新モデルを使用ディスクブレーキ仕様のTTバイクには、前輪にBORA ULTRA WTO 80、後輪にBORA ULTRA WTO TTという新モデルを使用
text:Naoki Yasuoka
photo:Makoto AYANO