今年ラ・フレーシュ・ワロンヌを制したディラン・トゥーンス(ベルギー)がシーズン途中にイスラエル・プレミアテックへ電撃移籍。出場予定のブエルタにはバーレーン・ヴィクトリアスではなく新チームで臨むことになった。



バルベルデとの一騎打ちを制しラ・フレーシュ・ワロンヌ優勝を果たしたディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・ヴィクトリアス)バルベルデとの一騎打ちを制しラ・フレーシュ・ワロンヌ優勝を果たしたディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・ヴィクトリアス) photo:CorVos
バーレーン・ヴィクトリアスは8月6日、今年4月に「ユイの壁」をトップで駆け上がりラ・フレーシュ・ワロンヌを制したディラン・トゥーンス(ベルギー)の即時退団を発表した。そのトゥーンスを獲得したのはクリストファー・フルーム(イギリス)など多くのスター選手を抱えるイスラエル・プレミアテック。契約期間は2024年までの2年半だ。

「既に2023年から加入することが決まっていたなか、シルヴァン・アダムス(イスラエルの共同オーナー)からシーズン途中の移籍を提案され、それを快く受け入れた」と、電撃移籍の内幕を明らかにしたトゥーンス。「バーレーン・ヴィクトリアスとは3年半という素晴らしい時を過ごした。世界最高峰のレース(ツール)でも勝利を収めることができ、感謝の気持ちを伝えたい」とトゥーンスは古巣チームに対してもコメントを残した。

2021年ツール・ド・フランス第8ステージで優勝したディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・ヴィクトリアス)2021年ツール・ド・フランス第8ステージで優勝したディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・ヴィクトリアス) photo:Kei Tsuji
2014年にBMCレーシングでプロデビューを果たしたトゥーンスは現在30歳。バーレーン・メリダ(当時)に加入初年度の2019年と2021年にツール・ド・フランスで区間優勝を挙げると、今年4月には前述したラ・フレーシュ・ワロンヌを制覇した。また今年のツールでは幾度となく逃げに乗り、勝利にこそ届かなかったもののトップ10に3度入る活躍を見せた。

「彼は多才な選手で、クラシックとグランツールの両方でチームに強さを与えてくれる。我々のチームでもその実績ある勝者として結果を残してくれるだろう」と、チームの共同オーナーであるシルヴァン・アダムス氏はトゥーンスの獲得理由を語っている。

シーズン途中の獲得にはイスラエルのチーム事情が

現在ワールドチーム降格圏にいるイスラエル・プレミアテック現在ワールドチーム降格圏にいるイスラエル・プレミアテック photo:Makoto AYANO
イスラエルが異例とも言えるシーズン途中でトゥーンスを獲得した背景には、チームが陥るプロチームへの降格危機が関係している。UCI(国際自転車競技連合)は2023年シーズンよりワールドチームの下位とプロチーム上位の入れ替え行う予定で、その基準となるUCIポイントランキング(2020〜2022年まで累計)でイスラエルは現在降格圏(19位以下)である20位にいるのだ。

そのため残りシーズンでイスラエルはUCIポイントを積み上げ、最低でも2チームを上回らなければならず、トゥーンスにはブエルタやワンデーレースでの勝利とそれに付随するUCIポイントの獲得が求められる。だからこそイスラエルはトゥーンスを2023年からではなく、シーズン途中の獲得を実行したのだ。(なお、トゥーンスがバーレーン・ヴィクトリアス所属時に獲得した今季のUCIポイントはイスラエルには付与されない)

ワールドチームから降格の危機に瀕するイスラエル・プレミアテック。トゥーンスはそのチームの救世主となれるか。
ワールドツアー降格圏争い(8月6日現在)
7位 アルペシン・ドゥクーニンク 19192
14位 アルケア・サムシック 14484
17位 コフィディス 13827
18位 モビスター 13595
19位 ロット・スーダル 12858
20位 イスラエル・プレミアテック 12709
text:Sotaro.Arakawa

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