落車、メカトラ、パンク・・・。トラブル続出のパヴェ区間が設定されたツール・ド・フランス第3ステージを走り終えた有力選手たちのコメント。

トル・フースホフト(ノルウェー、サーヴェロ・テストチーム)
メイングループを率いるトル・フースホフト(ノルウェー、サーヴェロ・テストチーム)とファビアン・カンチェラーラ(スイス、サクソバンク)メイングループを率いるトル・フースホフト(ノルウェー、サーヴェロ・テストチーム)とファビアン・カンチェラーラ(スイス、サクソバンク) photo:Kei Tsuji「パヴェステージでの勝利は非常に大きな意味が有る。チームの走りはパーフェクトだった。彼らに心から感謝したい。彼らはモチヴェーション高くレースに挑み、終始僕のポジション取りに尽くしてくれた。トラブルを避けるためにも、今日はずっと集団先頭で走る必要があった。今日はチャンスがあると思っていたよ。今日の勝利を誇りに思う。スペシャルなステージでのビッグウィン。ずっと狙っていたステージで作戦通り勝てて本当に満足だ。ノルウェーチャンピオンジャージを着ての勝利だから尚更。マイヨヴェールを獲得出来ると思っていたよ」

ジェレイント・トーマス(イギリス、チームスカイ)
「カンチェラーラやトル(フースホフト)、カデル(エヴァンス)と一緒にパヴェを走るなんて信じられない体験だった。あれ以上強力なグループは無いよ。ナショナルチャンピオンジャージを着て、世界チャンピオンやビッグネームと一緒に先頭グループで走るなんて。コースの雰囲気も最高だった。マイヨブランを獲得出来たのは素晴らしいボーナス。明日はこのジャージを着てレースを楽しみたい。でも僕の役割はブラッド(ウィギンズ)」のアシストであることに変わりはない。今日も後ろに下がってブラッドをサポートすることを考えたけど、監督に先頭グループに残るように言われたんだ。マイヨブランはしばらくキープ出来ると思う。チームにとっても良い一日だったと思う」。

カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)
メイングループでパヴェを駆け抜けるカデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)メイングループでパヴェを駆け抜けるカデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) photo:Kei Tsuji「(ヒンカピーのパンクは)最悪のタイミングだった。決して石畳のコースは得意じゃないけど、総合を狙うオールラウンダーとして、タイムを失わなかった意味は大きい。先頭グループから抜け出すことなんて出来なかったよ。ピレネーの山岳ステージを考えると、(ライバルたちから得た)20秒のリードは決して大きくない。でもリードが無いより有る方が良いに決まっている」。

アルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)
「チームの働きは素晴らしかった。特にヴィノ(ヴィノクロフ)の走りはインプレッシブだった。(ホイールに問題を抱えていたが)止まってバイクを交換すればもっとタイムを失うと思った。だからブレーキが触れながらも走り続けたんだ。とにかく今日の厳しいステージを乗り切ることが出来た。ライバルたちから奪ったリードは大きく無い。というよりも、正直に言うと、レース中は誰が前方で走っていて、誰が後方に下がっていたのかさっぱり分からなかった。まだまだタイム差は小さい。今日はスタートから調子が良くなかったんだ。でも100km地点でバイクを交換してからは徐々に調子が戻って来て、パヴェ走行は全く苦じゃなかった。ホイールトラブルが発生してからは力を発揮出来ず、多くのエネルギーをロスしていたと思う。でも止まれなかったんだ」。

ランス・アームストロング(アメリカ、レディオシャック)
パンクによってライバルたちから遅れてしまったランス・アームストロング(アメリカ、レディオシャック)パンクによってライバルたちから遅れてしまったランス・アームストロング(アメリカ、レディオシャック) photo:Kei Tsuji「ご覧のように、今日のような(パヴェの)レースでは運やメカトラ、パンク、そして落車が鍵を握っている。今日はそれら全てがレースを左右した。フランク・シュレクが落車したとき、集団が割れ、パンクの影響で後方に下がってしまった。言い訳をしたいわけじゃない。ポジション取りは悪くなかった。コースにパヴェを取り入れるのは良いアイデアだと今でも思っている。ダイナミックなステージだった。クライマーには不利なコースだと言われていたけど、実際には(サクソバンクのような)強力なチームがレースを支配した。今日のレースの最大の鍵はチーム力だ」。

「総合優勝のチャンスは遠ざかった。でも山岳でチャンスは残されている。ただ今日は運がなかったと言うしか無い。今日敗戦だったからと言って、首を揃えて家に帰るわけじゃない。顔を上げて、これからも闘って行く」

イヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス)
「予想していた通り、非常に厳しい一日だった。良い結果とは言えないけど、悪いとも言えない。これより厳しい闘いはすでにジロ・デ・イタリアの未舗装区間で経験している。ライバルたちから少し遅れたけど、カラダに問題なくこのステージをクリア出来たことに満足している。目の前で落車が発生してポジションを落としてしまった。フランク・シュレクが落車しているのが見えた。僕は何とか脚をついて落車を免れたけど、失ったタイムを挽回するために、そこから必死に先頭を追ったんだ。一番厳しいパヴェ区間ではクインツィアートとオスの強力なアシストに助けられたよ。あの状況では、集団先頭で走るのが必須条件。少しの運が勝利の行方を左右する。今はこの結果を受け止め、明日からのステージに目を向けたい。数日後には、専門分野であるアルプスの山岳が登場する。そこで今日失ったタイムを挽回する自信が僕には有る」。

マッティ・ブレシェル(デンマーク、サクソバンク)
「サクソバンクはメンバー全員が一丸となって闘った。プロトンの中で我々が一番強いチームであることを見せつけることが出来たと思う。個人的には、パヴェを走る喜びに溢れていた。フランク(シュレク)の不運な落車を除くと、素晴らしい走りだったと思う」。

選手コメントは現地取材、ならびに各チーム公式サイトより抜粋。


text:Kei Tsuji

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