一体誰がこの展開を予想できただろうか。ジロ最後のスプリント勝負が見込まれていた平坦コースで、逃げる4名が大集団の計算を狂わせた。ドリース・デボント(ベルギー、アルペシン・フェニックス)がチームに今大会3勝目をもたらした。



アルプスからポー平原に向かうジロ・デ・イタリア第18ステージアルプスからポー平原に向かうジロ・デ・イタリア第18ステージ photo:CorVos
5月26日(木)第18ステージ ボルゴ・ヴァルスガーナ〜トレヴィーゾ 152km5月26日(木)第18ステージ ボルゴ・ヴァルスガーナ〜トレヴィーゾ 152km image:RCS Sport過酷な山岳ステージは一旦お休み。ジロ・デ・イタリア第18日目の舞台は、ピュアスプリンターにとってラストチャンスとなるほぼ真っ平らな152km。ピナレロのお膝元であるトレヴィーゾのフィニッシュラインを目指す道中には4級山岳が2ヶ所設定されているものの、難易度は全く高くない。

マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、クイックステップ・アルファヴィニル)やフェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)、アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)など、ここまで激しい峠道を耐え抜いてきたスプリンターが優勝争いを繰り広げるはずだった。

ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)のCOVID-19陽性が発覚し、マリアビアンカを着たままリタイアというニュースが流れたこの日。レースはマグナス・コルト(デンマーク、EFエデュケーション・イージーポスト)のアタックをきっかけに、4名の逃げがあっさりと決まることとなった。

逃げグループを形成した4名
ドリース・デボント(ベルギー、アルペシン・フェニックス)
マグナス・コルト(デンマーク、EFエデュケーション・イージーポスト)
エドアルド・アッフィニ(イタリア、ユンボ・ヴィスマ)
ダヴィデ・ガッブロ(イタリア、バルディアーニCSFファイザネ)

逃げグループを形成したガッブロ、コルト、デボント、アッフィニ逃げグループを形成したガッブロ、コルト、デボント、アッフィニ photo:CorVos
区間4勝目を目指したアルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)だったが、夢破れる区間4勝目を目指したアルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)だったが、夢破れる photo:CorVos
逃げの名手デボントとガッブロ、クラシックハンターのコルト、そしてTTスペシャリストのアッフィニ。4名ながら強力な逃げグループに対して、メイン集団ではスプリント勝負を狙うチームががっちりとコントロールを担った。タイム差は最大でも2分半を超えず、常時1分台に留められる。誰がどう見てもスプリント勝負に持ち込まれる状況だったものの、逃げる4名の中では集団を出し抜く計画が動いていた。

「あえてスローペースで走り、後ろの集団がどう反応するか見ようとした」とアッフィニが振り返る通り、下り基調のコースを43km/hほどのイージーモードで逃げた4名。85kmを残して一時的にタイム差は1分台を割り込んだものの、メイン集団は早すぎる吸収を嫌ってかタイム調整を行い、再び1分半〜2分台ほどまで広がった。

平均12.3%、最大勾配19%に達する55km地点の4級山岳を2分半リードで登り始めたコルトたち。大観衆が詰めかけた壁のような短距離登坂を400ワットほどのイーブンペースで越え、頂上通過時点でもタイム差はそのまま。ここから逃げ切りを目指し、脚を貯めた先頭4名がトップギアに入れ替えた。

55km地点の4級山岳を越えるメイン集団55km地点の4級山岳を越えるメイン集団 photo:RCS Sport
ドリース・デボント(ベルギー、アルペシン・フェニックス)が逃げグループを率いるドリース・デボント(ベルギー、アルペシン・フェニックス)が逃げグループを率いる photo:CorVos
スプリンターチームが4名を追うもタイム差はなかなか縮まらないスプリンターチームが4名を追うもタイム差はなかなか縮まらない photo:CorVos
完璧な協調体制を敷いた先頭グループは、残り40km地点でタイム差を2分、残り30kmで1分45秒、残り20kmでも1分20秒とリードを維持し続ける。パニックに陥ったスプリンターチームがアシスト総動員でメイン集団を引いたものの、リード減少は「10km/1分の法則」を下回った。全速力で通過した横風区間ではメイン集団をざっくりと2分割する分断も発生し、アルメイダに代わりマリアビアンカを着た総合8位フアン・ロペス(スペイン、トレック・セガフレード)が遅れをとった。

焦りと混乱、集団分断による人数減。トレヴィーゾ市街地の周回コースに入り、一度フィニッシュラインを通過したタイミング(残り13km)で先頭4名のリードは未だ1分11秒。スプリンターチームのアシスト勢が捨て身の牽引を行ったものの、コーナーが連続する市街地コースは先頭グループに味方する。もはやリードアウト要因もほとんど使い切った状態のメイン集団が最後まで追い続けたが、ラスト55km区間を平均スピード51km/hで逃げた4名を捕まえることはできなかった。

横風分断で遅れたフアン・ロペス(スペイン)を引き戻すべくトレック・セガフレードが牽引横風分断で遅れたフアン・ロペス(スペイン)を引き戻すべくトレック・セガフレードが牽引 photo:CorVos
4名を追いかける集団だが、一度フィニッシュラインを通過する残り13km地点で差は1分以上4名を追いかける集団だが、一度フィニッシュラインを通過する残り13km地点で差は1分以上 photo:CorVos
僅差でアッフィニを下したドリース・デボント(ベルギー、アルペシン・フェニックス)僅差でアッフィニを下したドリース・デボント(ベルギー、アルペシン・フェニックス) photo:CorVos
4名のスプリント勝負を制したドリース・デボント(ベルギー、アルペシン・フェニックス)4名のスプリント勝負を制したドリース・デボント(ベルギー、アルペシン・フェニックス) photo:CorVos
たった4名で大集団の思惑を狂わせた逃げグループが残り1km地点を通過。先頭コルト、2番手アッフィニ、3番手デボント。残り200mを切ってからアッフィニが仕掛けてコルトを抜き、その背後からタイミングを読んだデボントがスプリントを開始する。伸び悩むコルトとガッブロを尻目に、アッフィニとデボントが並びながら踏み込み、ハンドルを投げ込む。僅差のスプリント勝負で元ベルギー王者の加速力が上回った。

したたかな戦略でスプリンターチームを出し抜き、数センチの差でアッフィニを下したデボントが自身初のグランツールステージ優勝。「うまく協調してメイン集団を振り切ることができた。初めてのグランツールステージ優勝。信じられないよ。こんな勝利を射止めるのが夢だった」と語る。決して勝利数は多くないものの、常勝アルペシン・フェニックスのアシストとして、マチュー・ファンデルプールのアシストとして重要任務を担う30歳がキャリア最大の勝利を収めることに。連日の逃げが実を結ぶとともに、アルペシン・フェニックスにとって今大会3勝目(ファンデルプール、オルダーニ、デボント)を献上することとなった。

頭を抱えるドリース・デボント(ベルギー、アルペシン・フェニックス)頭を抱えるドリース・デボント(ベルギー、アルペシン・フェニックス) photo:RCS Sport
キャリア初のグランツールステージ優勝を飾ったドリース・デボント(ベルギー、アルペシン・フェニックス)キャリア初のグランツールステージ優勝を飾ったドリース・デボント(ベルギー、アルペシン・フェニックス) photo:RCS Sport
明日からの山岳決戦を見据えるリチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)明日からの山岳決戦を見据えるリチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ) photo:RCS Sport
逃げグループを上回るスピードで追い込んだものの、逃げ吸収を果たせずにステージ優勝を逃したメイン集団はアルベルト・ダイネーゼ(チームDSM)を先頭に14秒遅れでフィニッシュ。激しいハイペースに耐えたのはわずか40名程度で、総合2位ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ)は最終盤にメカトラブルで遅れるも救済措置によってタイム差無し扱いに。その一方でトレック・セガフレード擁する第2集団は2分57秒遅れたため、ロペスはマリアビアンカこそ守ったものの総合8位から9位まで落としている。

リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)はメイン集団内に残ってマリアローザをキープ。「比較的穏やかな1日だったけれど、常にランダとヒンドレーの位置をチェックしていたよ。最後までマリアローザを守りたいし、自分に自信を持っている」と、残る山岳2ステージ、そして最終個人タイムトライアルを見据えている。

ジロ・デ・イタリア2022第18ステージ結果
1位ドリース・デボント(ベルギー、アルペシン・フェニックス)3:21:21
2位エドアルド・アッフィニ(イタリア、ユンボ・ヴィスマ)
3位マグナス・コルト(デンマーク、EFエデュケーション・イージーポスト)
4位ダヴィデ・ガッブロ(イタリア、バルディアーニCSFファイザネ)
5位アルベルト・ダイネーゼ(イタリア、チームDSM)+0:14
6位アルノー・デマール(フランス、グルパマ・エフデジ)
7位ダヴィデ・チモライ(イタリア、コフィディス)
8位マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、クイックステップ・アルファヴィニル)
9位フェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)
10位シモーネ・コンソンニ(イタリア、コフィディス)
マリアローザ 個人総合成績
1位リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)76:41:15
2位ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ)+0:03
3位ミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)+1:05
4位ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナカザフスタン)+5:48
5位ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)+6:19
6位ヤン・ヒルト(チェコ、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)+7:12
7位エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)+7:13
8位ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)+12:30
9位フアン・ロペス(スペイン、トレック・セガフレード)+15:10
10位ヒュー・カーシー(イギリス、EFエデュケーション・イージーポスト)+17:03
マリアチクラミーノ ポイント賞
1位アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)254pts
2位マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、クイックステップ・アルファヴィニル)132pts
3位フェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)124pts
マリアアッズーラ 山岳賞
1位クーン・ボウマン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)218pts
2位ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)103pts
3位ディエゴ・ローザ(イタリア、エオーロ・コメタ)94pts
マリアビアンカ ヤングライダー賞
1位フアン・ロペス(スペイン、トレック・セガフレード)76:56:25
2位サンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス)+5:05
3位テイメン・アレンスマン(オランダ、チームDSM)+6:46
チーム総合成績
1位バーレーン・ヴィクトリアス230:14:47
2位ボーラ・ハンスグローエ+0:14
3位アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ+52:38
text:So Isobe
photo:CorVos
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