獲得標高4,000m弱に及ぶ休息日前の難関ステージで、本来の登坂力を披露。逃げグループに入り、自らレースを動かしたジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)が涙の復活勝利を挙げた。



マリアローザ着用初日を迎えたリチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)マリアローザ着用初日を迎えたリチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVosエオーロ・コメタを率いるイヴァン・バッソエオーロ・コメタを率いるイヴァン・バッソ photo:CorVos


5月22日(日)第15ステージ リヴァローロ・カナヴェーゼ〜コーニュ 177km5月22日(日)第15ステージ リヴァローロ・カナヴェーゼ〜コーニュ 177km image:RCS Sport大会2週目最終盤の難関ステージ2連戦を締めくくる舞台は、スイス国境に面した山岳地帯。スタートしてから90kmは真っ平らな平坦路が続くが、アオスタ渓谷へ入ると標高1,400〜1,500mクラスの大きな山岳に3回挑む。

まずは30年ぶりのジロ登場となる1級山岳ピラ(登坂距離12.3km/平均勾配6.9%/最大15%)と2つ目の1級山岳ヴェッロニェ(距離13.8km/平均勾配7.1%/最大14%)をクリアし、最後は2級山岳コーニュ(距離22.4km/平均4.3%%/最大11%)の山頂にフィニッシュする。残り50km地点から獲得標高3,000m近くを登るという一切気の抜けないレイアウトだ。

最後の「コーニュ」は頂上に近づくほど勾配が緩くなるため、前日に比べて総合成績は動きづらい。逃げ切りにもチャンスが用意されたこの日も、当然ながら多くの選手がスタート直後からアタック合戦に加わわることとなる。

7km地点で落車したリチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)たち7km地点で落車したリチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)たち photo:CorVos
逃げグループに入ったマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)逃げグループに入ったマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス) photo:CorVos
前日37歳の誕生日を過ごしたマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、クイックステップ・アルファヴィニル)がグランツールのステージ300日目(合計走行距離は約55,000km)となったこの日は、スタートから7km地点でマリアローザを着たばかりのリチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)をきっかけとした大きな落車が発生してしまう。カラパスは他選手と接触し、バランスを崩して肩から路肩に落ちたものの、幸い柔らかい草地だったため肩口を汚したのみ。同じく草地に落ちたサイモン・イェーツ(イギリス、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)にも怪我はなかった。

小さな逃げグループが生まれては引き戻され、さらに小さな逃げグループが生まれては引き戻される。全く逃げが決まらないまま距離を消化し、なんと70kmを過ぎてもエスケープは容認されなかった。1級山岳ピラの手前では2つの逃げグループが合流し、ようやく28名という大集団が先行を開始した。

アオスタ渓谷に入り、大きな山岳区間を越えるステージ後半戦アオスタ渓谷に入り、大きな山岳区間を越えるステージ後半戦 photo:CorVos
1級山岳ピラを先頭通過し、マリアアッズーラを獲得したクーン・ボウマン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)1級山岳ピラを先頭通過し、マリアアッズーラを獲得したクーン・ボウマン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos
怪我なく復帰し、メイン集団前方に位置取るリチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)怪我なく復帰し、メイン集団前方に位置取るリチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos
ステージ優勝狙い、山岳賞狙い、あるいは総合バトルを見据えた前待ち。さまざまな思惑を秘めた先頭グループは、イネオス・グレナディアーズ率いるメイン集団から4分リードで1級山岳ピラの登坂を開始する。マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)が登りでペースアップを図る中、続いて飛び出したクーン・ボウマン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)は1分リードを稼いでピラ山頂をクリア。山岳ランキング2位につけていたボウマンは、逃げに入れなかったディエゴ・ローザ(イタリア、エオーロ・コメタ)を抜いてマリアアッズーラ奪取に成功している。

ボウマンには下り区間でファンデルプールとマーティン・トゥスフェルト(オランダ、チームDSM)が追いついたものの、直後の1級山岳ヴェッロニェではタイミングを待ったジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)が追走グループから抜け出し、サンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス)、そしてアントニオ・ペドレロ(スペイン、モビスター)を従えて合流。ファンデルプールたちオランダコンビがついていくことができず、代わってクライマーコンビがレース先頭に立った。

先頭3名にはやがてヒュー・カーシー(イギリス、EFエデュケーション・イージーポスト)が、続いてトゥスフェルトが、さらにはルイ・コスタ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)が追いつき、イネオス率いるメイン集団からは前日に遅れ、総合5位から12位まで落ちたギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス)が飛び出して順位アップを目論む。こうした展開で、先頭6名がメイン集団に対して5分半リードを携え、この日最後のカテゴリー山岳である2級山岳コーニュへの登坂を開始した。

2級山岳コーニュに入るとアントニオ・ペドレロ(スペイン、モビスター)やジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)がペースアップ2級山岳コーニュに入るとアントニオ・ペドレロ(スペイン、モビスター)やジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)がペースアップ photo:CorVos
コーニュ序盤でカーシーを千切るジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)コーニュ序盤でカーシーを千切るジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード) photo:RCS Sport
総合順位ジャンプアップを狙い飛び出すギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス)総合順位ジャンプアップを狙い飛び出すギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス) photo:CorVos
序盤ほど勾配がキツく、終盤になるほど緩やかになる2級山岳コーニュ。登録100周年を祝うイタリア最古の国立公園「グラン・パラディゾ」を登り始めるや否や、チッコーネが積極的にペースを上げた。「フィニッシュに近づくほど平坦になることが分かっていたので、急勾配の序盤区間で仕掛けた」と言うチッコーネはすぐに先頭グループを分断し、3名となってすぐにブイトラゴを千切り、さらには断続的なペースアップでカーシーさえも振り落とす。

フィニッシュまで19km。「2,3名のスプリントになれば結果はギャンブル。一人で行った方が確実に勝てる。なぜなら今日は絶好調だったから」と言うチッコーネが、19kmを残して単独先頭に立った。

独走に持ち込んだチッコーネは、それぞれ単独となって追うブイトラゴや、カーシーとの距離をぐいぐいと広げ続ける。残り10km地点で2番手ブイトラゴとの差は1分に到達し、逃げ切りへの青信号をしっかりと点らせる。一方、7分台まで開いたメイン集団では、イネオス・グレナディアーズが徹底的なペースメイクをしたため、マルタン以降飛び出しを図る選手は現れなかった。

緩斜面の2級山岳コーニュをジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)が駆け上がる緩斜面の2級山岳コーニュをジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)が駆け上がる photo:CorVos
2級山岳コーニュに独走でフィニッシュするジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)2級山岳コーニュに独走でフィニッシュするジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード) photo:RCS Sport
復活勝利に感極まるジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)復活勝利に感極まるジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード) photo:RCS Sport
ほぼ平坦と言える最終区間でもペースを崩さず、アウターギアを回したチッコーネがフィニッシュ地点にやってくる。ジャージとヘルメットを整え、観衆を沸かせ、勝利のトレードマークであるアイウェアを沿道に投げ込むパフォーマンスを決めてからフィニッシュライン上で右手を突き上げる。これまで不運に見舞われ続けていたチッコーネは、フィニッシュ直後、チームスタッフや報道陣に囲まれながら、感情を抑えることができなかった。

2019年ジロのモルティローロステージで勝利を挙げ、続くツール・ド・フランスではマイヨジョーヌを途中着用するも、2020年ジロは気管支炎で、2021年のジロとブエルタ・ア・エスパーニャはどちらも落車や体調不良でリタイア。コロナ感染や落車に悩まされ続けるなど苦しい期間を乗り越えて、「チッコ」が再びトップコンディションに戻ってきた。

ジロ通算ステージ3勝目を挙げたジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)	ジロ通算ステージ3勝目を挙げたジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード) photo:RCS Sport
争うことなくマリアローザを守ったリチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)争うことなくマリアローザを守ったリチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ) photo:RCS Sport
マリアアッズーラを獲得したクーン・ボウマン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)	マリアアッズーラを獲得したクーン・ボウマン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos
「ようやく勝利がやってきた。今までの中で一番美しい勝利だ。ツールのマイヨジョーヌより、僕の最初のジロ区間優勝よりも美しい。3度目のステージ優勝だけど、僕にとって一番価値がある勝利になった。挑戦しても結果に繋がらない苦しい時期を過ごしたけれど、今日ようやく結果に結びついた」とチッコーネは勝利を喜ぶ。総合成績という大きな目標からは遅れたものの、ステージ優勝に狙いを切り替えた27歳が価値ある勝利を掴み取った。

この日メイン集団はイネオスに率いられたまま7分48秒遅れでフィニッシュ。その1分42秒前でフィニッシュしたマルタンは総合12位から総合10位まで順位を回復させている。

ジロ・デ・イタリア2022第15ステージ結果
1位ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)4:37:41
2位サンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス)+1:31
3位アントニオ・ペドレロ(スペイン、モビスター)+2:19
4位ヒュー・カーシー(イギリス、EFエデュケーション・イージーポスト)+3:09
5位マーティン・トゥスフェルト(オランダ、チームDSM)+4:36
6位ルーカ・コヴィッリ(イタリア、バルディアーニCSFファイザネ)+5:08
7位ナトナエル・テスファション(エリトリア、ドローンホッパー・アンドローニ・ジョカトリ)+5:27
8位バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)
9位ハイス・リームライゼ(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)
10位ギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス)+6:06
マリアローザ 個人総合成績
1位リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)63:06:57
2位ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ)+0:07
3位ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)+0:30
4位ミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)+0:59
5位ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)+1:01
6位ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)+1:52
7位エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)+1:58
8位ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナカザフスタン)+2:58
9位フアン・ロペス(スペイン、トレック・セガフレード)+4:04
10位ギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス)+8:02
マリアチクラミーノ ポイント賞
1位アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)238pts
2位マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、クイックステップ・アルファヴィニル)121pts
3位フェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)117pts
マリアアッズーラ 山岳賞
1位クーン・ボウマン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)109pts
2位ディエゴ・ローザ(イタリア、エオーロ・コメタ)92pts
3位ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ)62pts
マリアビアンカ ヤングライダー賞
1位ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)63:07:27
2位フアン・ロペス(スペイン、トレック・セガフレード)+3:34
3位テイメン・アレンスマン(オランダ、チームDSM)+11:17
チーム総合成績
1位ボーラ・ハンスグローエ189:24:11
2位バーレーン・ヴィクトリアス+1:02
3位アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ+11:49
text:So Isobe
photo:CorVos
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