踏切でレース中断のハンガリー3日目　ヤコブセンが2連勝し総合でも首位浮上

雨と踏切が選手の行く手を阻んだハンガリー3日目。盤石だった前日のリードアウトから一転、単独でのスプリントを強いられたファビオ・ヤコブセン（オランダ、クイックステップ・アルファヴィニル）が2連勝を決め、総合でもリーダージャージを獲得した。

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開幕前から雨が選手たちの体温を奪う photo:Tour de Hongrie
スプリンターの活躍が続くツール・ド・ハンガリー（UCI.2.1）は3日目を迎え、この日も平坦路であるシャーロシュパタクからニーレジュハーザの154kmで争われた。

大会初日を制したオラフ・コーイ（オランダ、ユンボ・ヴィスマ）が前日の落車でリタイアを選んだこの日、キーガン・スウィルブル（アメリカ、ヒューマンパワードヘルス）ら4名が逃げグループを形成する。しかし雨で濡れた路面に加え、踏切でレース中断を余儀なくされたことによりメイン集団とのタイム差は拡大できず。残り15km地点でイネオス・グレナディアーズが牽引するメイン集団に吸収された。

レース序盤から飛び出し、逃げ集団を形成した4名 photo:Tour de Hongrie
踏切に行く手を阻まれる4名の逃げグループ photo:CorVosレースの一時中断を告げられたプロトン photo:CorVos

アレクセイ・ルツェンコ（カザフスタン、アスタナカザフスタン）が先頭でペースを作りながら残り5km地点を通過すると、大会2連覇を目指すバイクエクスチェンジ・ジェイコを先頭に最終ストレートに突入。3日連続となる集団スプリントが幕開けた。

マチュー・ウォールス（イギリス、ボーラ・ハンスグローエ）の最終発射台であるアイルランド王者ライアン・ミューレンが先頭でスピードを上げると、コースの反対側ではフロリアン・セネシャル（フランス、クイックステップ・アルファヴィニル）が早々と遅れていく。リードアウトを失い単独になったファビオ・ヤコブセン（オランダ）だったが、即座にミューレンの背後をこじ開け、残り200mで飛び出した。

不慮の事態にも一切の戸惑いを見せなかったヤコブセン。ツール・ド・フランスを見据える世界トップスプリンターの加速に敵うものはおらず、ハンドルを投げたヤコブセンが2日連続の区間優勝に輝いた。

ハンドルを投げ、2日連続の勝利を決めたファビオ・ヤコブセン（オランダ、クイックステップ・アルファヴィニル） photo:CorVos
2連勝をアピールするファビオ・ヤコブセン（オランダ、クイックステップ・アルファヴィニル） photo:Tour de Hongrie
「チームによる勝利再び。最後はセネシャルを見失ってしまったものの、冷静に合流することができた。残り200mからは身を潜め、濡れた路面にもかかわらず勝利を掴んだ」とヤコブセンはレースを振り返える。また「勝利にリーダージャージというボーナスもついてきた。1ヶ月間レースに出場できなかったので、このジャージは自信に繋がるよ」とも。

翌日の第4ステージは3つのカテゴリー山岳が登場するものの、難易度は低いため4日連続の集団スプリントが濃厚。好調ヤコブセンの3連勝を阻む選手は現れるだろうか。

区間優勝と共にリーダージャージを獲得したファビオ・ヤコブセン（オランダ、クイックステップ・アルファヴィニル） photo:Tour de Hongrie