公益財団法人 日本自転車競技連盟(JCF)は、トラック種目の2022年体制を発表した。ジュニアの短距離アドバイザーに、東京五輪代表の新田祐大が就任。強化指定選手は若いメンバーを中心とし、2024年パリ五輪と、さらにその先を目指す。



日本自転車競技連盟のトラック部会は、2022年のトラック・ナショナルチームの強化スタッフを発表。テクニカルディレクターのブノワ・べトゥ、短距離ヘッドコーチのジェイソン・ニブレット、中距離ヘッドコーチのクレイグ・グリフィンを軸に、東京五輪代表の新田祐大がジュニア短距離アドバイザーに就任する。

2022年ナショナルチーム 強化スタッフ
トラック・テクニカルディレクター:ブノワ・ペドゥ
短距離ヘッドコーチ:ジェイソン・ニブレット
中距離ヘッドコーチ:クレイグ・グリフィン
短距離コーチ:アンソニー・ペーデン
ジュニアコーチ:佐藤一朗
ジュニア 短距離アドバイザー:新田祐大

2020年トラック世界選手権で銀メダルを獲得した脇本雄太 今後は本業の競輪に専念するという2020年トラック世界選手権で銀メダルを獲得した脇本雄太 今後は本業の競輪に専念するという (c)JCF中距離で強化B指定となった谷内健太(京都産業大学)中距離で強化B指定となった谷内健太(京都産業大学) photo:Satoru Kato

2021年世界選手権女子ケイリンで銀メダルを獲得した佐藤水菜はパリ五輪での活躍が期待される2021年世界選手権女子ケイリンで銀メダルを獲得した佐藤水菜はパリ五輪での活躍が期待される photo:JCF男子中距離はチームブリヂストンサイクリングのメンバーがメインとなる男子中距離はチームブリヂストンサイクリングのメンバーがメインとなる photo:Satoru Kato

また、短距離種目では、東京五輪代表の新田祐大と脇本雄太が強化指定選手から外れ、昨年12月に行われた全日本選手権で活躍した若手選手を中心としたメンバーとなり、2024年パリ五輪を目指す。

4月15日にベルギーのヘントで開幕するUCIトラック1クラスの大会(International Track Meeting Belgium)を皮切りに、4月20日からイギリスのグラスゴーで開催されるネーションズカップと、新体制のナショナルチームで臨むことになる。

トラック強化指定選手はこちら(JCF公式サイト)



中野浩一 JCF 強化委員長コメント

JCF強化委員長の中野浩一氏(写真は2018年)JCF強化委員長の中野浩一氏(写真は2018年) photo:Satoru Katoパリオリンピックに向けて、次へと動き出さなければなりません。今までヘッドコーチであったブ ノワ・ベトゥがトラック競技のテクニカルディレクターに、アシスタントコーチだったジェイソン・ ニブレットがヘッドコーチへ昇格しました。中距離は変わらずクレイグ・グリフィンコーチがヘッド コーチです。

選手の方は新田祐大と脇本雄太が競輪に専念し、若者たちへと世代交代が行われます。今年 1 月から は若い選手たちを強化指定選手にしています。

既存のスポンサー様には今後も継続をお願いしたいですし、新たにスポンサーとしてやっていただけ るのであれば、是非ご協力をいただきたいと思います。

いよいよ今年のシーズンも始まります。選手たちも一生懸命トレーニングをして結果を残そうと頑張 っていますので、皆さんも是非応援お願いします。目標はパリオリンピックでのメダル獲得です。


ブノワ・ベトゥ トラックテクニカルディレクター コメント

トラックナショナルチーム全体を統括することになったブノワ・ベトゥ(写真は2020年全日本選手権)トラックナショナルチーム全体を統括することになったブノワ・ベトゥ(写真は2020年全日本選手権) photo:Satoru Kato私の新しい肩書きはトラック競技のテクニカルディレクターとなります。新たな役割での仕事は、ナ ショナルチームのパフォーマンスに関するミッションが数多くあります。現場にいるコーチ達と毎日 身近に協力し、コーチたちがトレーニングに集中できるように、私がコーチだった時に抱えていた課 題から彼らを守るように心掛けています。UCI(国際自転車競技連合)との関係を強化し、協力し合っ ていくことも仕事の一部となっています。

チームがパリ五輪でメダルを獲得するために尽力することが最優先となりますが、パリ五輪が仕事の 唯一の目標ではありません。日本における自転車競技の未来を構築することが目的でもあります。ナ ショナルチームの土台をさらに強くして、プロフェッショナルなチームを作り上げていきたいです。

ジェイソン・ニブレット 短距離コーチ コメント

短距離ヘッドコーチのジェイソン・ニブレット(2021年全日本選手権会見にオンライン参加した際の写真)短距離ヘッドコーチのジェイソン・ニブレット(2021年全日本選手権会見にオンライン参加した際の写真) photo:Satoru Kato役割が変わってもメダルを獲得するという目標は変わりません。東京オリンピックから選手は変わり ますが、目標が変わることはありません。ブノワ・ベトゥと私で 1 から始めてこのレベルまで来まし た。そして今は世界一になることを期待されています。その期待に応えられるように全力を尽くすのみです。

来たるべき日に、どんな状況になっても対応できるように準備をして、ベストパフォーマンスが発揮 できるようにしたいです。


新田祐大 ジュニア短距離アドバイザー コメント

-2021年全日本選手権男子1kmTTで優勝した新田祐大(写真中央)-2021年全日本選手権男子1kmTTで優勝した新田祐大(写真中央) photo:Satoru Kato僕が同じ年代だった時よりもタイム、身体、力において優れている人が多いと感じています。東京オリ ンピックを経験した選手たち、東京オリンピックに関わってサポートしてくれたスタッフたちと連携 をとりながら体制を作り上げていくことが、世界との距離感を縮めることになると思います。そうい う意味での架け橋的な役割が出来たらなと思っています。これからの自転車業界の発展のため、将来 的にコーチとしてやっていくためにも、まずは第一歩としてジュニアの育成に関わらせていただきま す。これからも、どうぞよろしくお願いします。
2022年シーズン主要参戦予定大会一覧
4月15日-17日 インターナショナルトラックミーティング(ベルギー・ヘント)
4月21日-24日 UCI トラックネーションズカップ第1戦(イギリス・グラスゴー)
5月12日-15日 UCI トラックネーションズカップ第2戦(カナダ・ミルトン)
6月18日-22日 アジア自転車競技選手権大会-トラック(エリート・ジュニア)
7月7日-10日 UCI トラックネーションズカップ第3戦(コロンビア・カリ)
7月28日-30日 ジャパントラックカップ I / II
8月26日-29日 全日本選手権大会トラック(伊豆ベロドローム)
9月13日-16日 第20回アジア大会 トラック(中国・杭州)
10月12日-16日 UCI 世界選手権大会-トラック(フランス・パリ)


text:Satoru Kato

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