JBCF(一般社団法人 全日本実業団自転車競技連盟)が主催するJBCFサイクルロードレースシリーズが、3月26日に播磨中央公園で開幕した。初日に行われたレースの模様をフォトレポートし、あわせて27日に第1戦が行われるJプロツアーの2022年シーズンをプレビューする。



新たに7kmコースを使用して行われる「播磨中央公園ロードレース」

コースに新たに追加された区間はカーブとアップダウンが連続するコースに新たに追加された区間はカーブとアップダウンが連続する photo:Satoru Kato
播磨中央公園のコースは再整備中 今年秋に正式オープン予定播磨中央公園のコースは再整備中 今年秋に正式オープン予定 photo:Satoru Kato桜のつぼみは開花直前桜のつぼみは開花直前 photo:Satoru Kato

JBCFサイクルロードレースシリーズは、昨年に続き兵庫県立播磨中央公園で開幕した。昨年は1周3kmのコースでクリテリウム としての開催だったが、今年はコースが1周7kmに延長されたことでロードレースとして開催される。

新たに追加された区間はカーブとアップダウンが繰り返され、「休める区間が無い」という感想が聞かれるほどハードなコース設定となった。加えて初日は朝から降り続く雨により、コースのあちこちに「川」が流れる状態。気温は17℃前後まで上がったようだが、雨を受けて走る選手には開幕から厳しいコンディションでのレースとなった。

全日本チャンピオンジャージを着てスタートラインに並ぶ植竹海貴(Y's Road)全日本チャンピオンジャージを着てスタートラインに並ぶ植竹海貴(Y's Road) photo:Satoru Kato
女子 残り2周 植竹海貴(Y's Road)が登り区間でペースアップ女子 残り2周 植竹海貴(Y's Road)が登り区間でペースアップ photo:Satoru Kato
女子 開幕戦で優勝した植竹海貴(Y's Road)女子 開幕戦で優勝した植竹海貴(Y's Road) photo:Satoru Kato女子 表彰式女子 表彰式 photo:Satoru Kato

女子のレースには、植竹海貴(Y's Road)が全日本チャンピオンジャージを着て出場。破竹の勢いを見せた昨年同様にレースを主導する強さを見せて優勝した。

雨の中、水しぶきを上げて走るE1の集団雨の中、水しぶきを上げて走るE1の集団 photo:Satoru Kato
E1 レース中盤に形成された10名の先頭集団が勝ち逃げE1 レース中盤に形成された10名の先頭集団が勝ち逃げ photo:Satoru KatoE1 3名のスプリント勝負を制したのは小林亮(soleil de lest)E1 3名のスプリント勝負を制したのは小林亮(soleil de lest) photo:Satoru Kato

エリートリーダージャージの小林亮(soleil de lest 写真左)と、U19リーダージャージの川田翔太(AVENTURA VICTORIA RACING)エリートリーダージャージの小林亮(soleil de lest 写真左)と、U19リーダージャージの川田翔太(AVENTURA VICTORIA RACING) photo:Satoru Kato
E2優勝 野々山大我(イナーメ信濃山形-EFT)E2優勝 野々山大我(イナーメ信濃山形-EFT) photo:Satoru KatoE3優勝 加藤辰之介(イナーメ信濃山形-EFT)E3優勝 加藤辰之介(イナーメ信濃山形-EFT) photo:Satoru Kato

マスターズ優勝 波片鉄平(CR3W)マスターズ優勝 波片鉄平(CR3W) photo:Satoru Katoマスターズ表彰式マスターズ表彰式 photo:Satoru Kato

Y1クラスタ優勝 望月蓮(Avenir Yamanashi Yamanakako)Y1クラスタ優勝 望月蓮(Avenir Yamanashi Yamanakako) photo:Satoru KatoY2 独走する武西憲進(E'quipe u Racing)Y2 独走する武西憲進(E'quipe u Racing) photo:Satoru Kato

初日は女子の他に、E1、E2、E3、マスターズ、ユースのレースが行われた。ユースには新たにU15対象のクラスタが設定され、従来のU17対象のY1クラスタ、U15対象のY2クラスタとしてレースが行われる。「弱虫ペダル」の協賛も継続となり、それぞれにリーダージャージが設定される。

その他写真はフォトギャラリーへ。



Jプロツアーは全17戦予定

27日にはJプロツアーが開幕する。レースカレンダーと出場チームをおさらいしよう。
Jプロツアー2022 レースカレンダー
開催日 大会名 開催地
#1 3月27日 第2回播磨中央公園ロードレース 播磨中央公園
#2 4月16日 第56回西日本ロードクラシック広島大会 Day1 広島県中央森林公園
#3 4月17日 第56回西日本ロードクラシック広島大会 Day2 広島県中央森林公園
#4 4月24日 群馬CSCロードレース 群馬県みなかみ町 群馬CSC
#5・6 6月18日・19日 第56回東日本ロードクラシック修善寺大会 静岡県伊豆市 日本CSC
#7 7月16日 第2回石川クリテリウム ※調整中 福島県石川町
#8 7月17日 第20回石川ロードレース 福島県石川町
#9 7月18日 第1回古殿ロードレース ※調整中 福島県石川郡古殿町
#10 9月18日 第2回南魚沼クリテリウム 新潟県南魚沼市
#11 9月19日 第7回南魚沼ロードレース経済産業大臣旗ロード 新潟県南魚沼市
#12・13 9月23日・24日 群馬CSCロードレース 9月大会 群馬県みなかみ町 群馬CSC
#14 9月25日 まえばし赤城山ヒルクライム(調整中) 群馬県前橋市 赤城山
#15 10月22日 レース調整中
#16 10月23日 かすみがうらロードレース・土浦大会 茨城県かすみがうら市
#17 10月29日 第1回今治クリテリウム (JPT最終戦) 愛媛県今治市
2022年Jプロツアー出場チーム
マトリックスパワータグ チームブリヂストンサイクリング
愛三工業レーシングチーム 弱虫ペダルサイクリングチーム
シマノレーシング シエルブルー鹿屋
備後しまなみeNShare エカーズ
リオモ・ベルマーレ・レーシングチーム イナーメ信濃山形
群馬グリフィンレーシングチーム 稲城FIETS クラスアクト
Avenir Yamanashi Yamanakako Bryton Racing Team(台湾)
キナンレーシングチーム
レースカレンダーは先に発表されているものから変更点がいくつかある。まず、開幕戦の播磨中央公園でのレースは2連戦が予定されていたが1戦のみとなり、4月の「群馬CSCロードレース」も1日のみの開催となった。まだ調整中のレースがいくつかあるが、現時点では10月の「今治クリテリウム」までの全17戦が予定されている。

6月に予定されている「東日本ロードクラシック」は、昨年までは群馬サイクルスポーツセンター(群馬CSC)で開催されてきたが、今年は修善寺の日本サイクルスポーツセンターでの開催となる。また、9月には「まえばし赤城山ヒルクライム」がJプロツアーに復活する見込みだ。

初開催は、最終戦の今治の他に、昨年中止となった福島県の「古殿ロードレース」の2戦。南魚沼ロードレースが経済産業大臣旗ロードチャンピオンシップとして行われる。

Jプロツアー出場チームは、JCLのキナンレーシングチームを含む計15チーム。開幕戦には、欧州遠征に出ているエカーズと、台湾のブライトン・レーシングチーム、キナンレーシングチームを除く12チームが出場する。

今年もマトリックスパワータグがシーズンをコントロールするか?今年もマトリックスパワータグがシーズンをコントロールするか? photo:Satoru Kato
昨年の開幕戦ではチーム力を見せたチームブリヂストンサイクリング昨年の開幕戦ではチーム力を見せたチームブリヂストンサイクリング photo:Satoru Kato1週間前の富士クリテリウムでは岡本隼が優勝 今年も波に乗る愛三工業レーシングチーム1週間前の富士クリテリウムでは岡本隼が優勝 今年も波に乗る愛三工業レーシングチーム photo:Satoru Kato


昨年のチャンピオンチームであるマトリックスパワータグは、ホセ・ビセンテ・トリビオやフランシスコ・マンセボらも揃い、開幕戦からフルメンバーで挑む。対抗するのは、1週間前の富士クリテリウムでも雌雄を争ったチームブリヂストンサイクリングと、愛三工業レーシングチームの2チームとなるか。特に愛三工業レーシングチームは、昨年後半から上向いた流れを草場啓吾の全日本選手権優勝まで繋げた勢いがまだ続いているように見える。残念ながら、アジア選手権出場のため草場は開幕戦不出場となるが、それがハンデにはならないだろう。

この3チームの争いに、シマノレーシングや弱虫ペダルサイクリングチームなどの若手選手がどこまで絡んでくるか?新星の誕生にも期待したいところだ。


text&photo:Satoru Kato
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