西伊豆に張り巡らされた古道を蘇らせたトレイルを用いたMTBガイドツアーを行うYAMABUSHI TRAIL(山伏トレイル) TOUR。暖かいホスピタリティで、伊豆半島のダイナミズムを感じられる極上トレイルツアーを紹介しよう。



山と海。全てが近い西伊豆に張り巡らされたトレイルを楽しめる"YAMABUSHI TRAIL TOUR"山と海。全てが近い西伊豆に張り巡らされたトレイルを楽しめる"YAMABUSHI TRAIL TOUR"
「東京には、贅沢な裏庭がある」。YAMABUSHI TRAIL TOURのPV冒頭、大写しになるこのフレーズ。裏庭と呼ぶには東京からいささか遠いのではないか、というのが最初の感想(失礼!)。しかし、実際に走ってみると別の疑問がわいてきた。こんなに素敵で、壮大で、愛に満ちた裏庭がこの地上にあるのだろうか、と。

東名沼津ICから伊豆中央道へ。そして国道136号線で船原峠を越えて駿河湾沿いの海岸道路のアップダウンをいくつも越えた先にある花とロマンの里、松崎町。そこに、「贅沢な裏庭」への入り口がある。

YAMABUSHI TRAIL TOURの皆さん。一番右が松本潤一郎代表だ。YAMABUSHI TRAIL TOURの皆さん。一番右が松本潤一郎代表だ。
かつて炭焼きが盛んだったというこの地域には、山から木を伐り出すための山道が張り巡らされていたという。使われることも絶えて久しくなったその古道に、再び息を吹き込んだのがYAMABUSHI TRAIL TOURを主宰する松本潤一郎さんだ。

17歳からバックパッカーとして世界を巡り、ヒマラヤやカラコルムのトレイルを踏破。南米大陸の23,000㎞をオフロードバイクで走り抜けたのち、この西伊豆へと移住してきたという、「遊び心」を知り尽くした松本さんが立ち上げたのが「西伊豆古道再生プロジェクト」だ。

ロッジモンドの共有スペース。この壁の木は自分たちで切り出してきたもの。ロッジモンドの共有スペース。この壁の木は自分たちで切り出してきたもの。
カヤックフィッシング用の船。ペダリングで進むので両手がフリーになるのだそう。こっちもやってみたいですね!カヤックフィッシング用の船。ペダリングで進むので両手がフリーになるのだそう。こっちもやってみたいですね! ずらり並んだレンタルバイク。ロッキーマウンテンのフルサスやコナのフルサスE-MTBなど、良い機材そろってますずらり並んだレンタルバイク。ロッキーマウンテンのフルサスやコナのフルサスE-MTBなど、良い機材そろってます



「山が全然活きていなかったんですよ。伊豆は海の遊びはたくさんあるんですけど、山のアクティビティというのが全然無くて、どうにか活用したいなと思っていたら地元の方々から古道があるという話を聞いて。じゃあMTBで走れるようにすれば面白いんじゃないか?というのがきっかけですね」

古道再生プロジェクト、そしてYAMABUSHI TRAIL TOUR立ち上げについてそう語る松本さん。そのトレイルのクオリティは多くのMTBerがリピートしていることからも察せられるハズ。そんな古道再生から始まった取り組みは、トレイル整備の際に伐り出した木材を利用してリノベーションしたロッジ・聞土(モンド)や、駿河湾でのカヤックフィッシングツアーといったように、その活動の幅を拡大。山から海、西伊豆の全てを体験し楽しめるアクティビティセンターとして全国から注目を集める存在ともなった。



松崎港へ集合松崎港へ集合 バイクを積み込んでいきますバイクを積み込んでいきます


中に積みきれない分は外に吊るして。中に積みきれない分は外に吊るして。 手書きの積載量表記。潮風にやられてしまったんでしょう。手書きの積載量表記。潮風にやられてしまったんでしょう。


さて、そんなYAMABUSHI TRAIL TOURは海から始まる。海風激しい松崎漁港で、ガイドを務める平馬さんと合流。潮風に磨かれたキャラバンに自転車を積み込んだら本日一つ目のトレイルへ、早速走り出す。

今日の予定は午前1本、午後2本の計3本。今回はサンタクルズの新型BRONSONのテストと撮影も兼ねているので、時間に余裕を持たせたスケジューリング。前日、ロッジモンドでの打ち合わせで、色んなアクションが押さえられるコースで!なんて要望をお伝えしたところ、このプランがベストだとオススメされたコースたちだ。

和気あいあいとした雰囲気の車内。手慣れた運転で一気にトレイルヘッドまで向かいます和気あいあいとした雰囲気の車内。手慣れた運転で一気にトレイルヘッドまで向かいます
海沿いの国道を右折すると、あっという間に森の中に。一瞬前までの光景が嘘のような切り替わりの早さに、もともとは海底火山群であったという伊豆半島のダイナミズムを体感する。正直自分では運転したくないような細くのたうつ林道を、平馬さんはなんでもないかのようなハンドル捌きで登っていく。

気付けば標高400m。海抜0mからなので、純粋に400m登ったことになる。自走するとしたら、たとえロードバイクであったとしても息も絶え絶えのハズ。そんな山道を搬送してくれるのはひとえにありがたいの一言だ。

隠田だったという湿原。確かにこれは見つからないのも納得の秘境感あふれるロケーション隠田だったという湿原。確かにこれは見つからないのも納得の秘境感あふれるロケーション
午前中のトレイルは、YAMABUSHI TRAIL TOURのメインコースとは異なる山の新たなルートだという。バイクを下ろし、プロテクターを装着し、準備を整えていざ、コースイン。入り口から少し行くと、一面にススキが群生する湿地の縁に。「ここは昔、隠田だったんですよ」と平馬さん。言われてみれば山間のこんな場所にまっ平な土地があるなんて、検地する側も思いもよらないだろう。そんな、土地の記憶を伝えるのも「古道再生」の一環なのだ。

湿地をぐるりと回るようなトレイルを抜け、湿地から流れ出る小川まで出れば、本格的な下りの始まり。しっかりと手が入れられたトレイルを平馬さんの先導のもと、下っていく。参加者のレベルに合わせて下ってくれ、遅れがちな人(今回は私のことだ笑)もしっかりとケアしてくれる。

MTB経験者ばかりでなく、初心者ライダーやスポーツバイク未経験の家族のガイドも行っているだけあって、そのあたりの気づかいはお手のもの。サイクルハウスミカミの三上店長とRiserideの鈴木店長というベテラン2人にMTB素人の私という全くレベルの違う組み合わせでも、なんとかついていこうと必死になるようなシーンも無く、楽しんで下れたのは平馬さんのガイド力あってこそ。

木漏れ日の差すフラットなセクション木漏れ日の差すフラットなセクション
谷の入り口って初めて見た気がします。谷の入り口って初めて見た気がします。
少し行くだけでこんな落差に!少し行くだけでこんな落差に!
「もともとインドアな人間で、MTBもこの仕事を始めてから始めたんです。だから初心者の気持ちも良くわかるんですよね」。そう語る平馬さん。実際、初めてのMTB体験はなかなかエキサイティングな思い出だったようで、その時の顛末はYAMABUSHI TRAIL TOURのオフィシャルブログのこちらの記事に詳しい。この記事より面白いこと間違いなしなのでぜひご一読あれ(笑)

さて、トレイルの方はと言えば、だんだんと難易度が上がっていくような構成で朝の一本目に走るのにはまさにピッタリなコース。だんだん身体があったまって、目が慣れてきたころ合いで、大きなウォールやバンク、ロックセクションが次々に現れる。

ダイナミックなウォール区間。上手い人はそこを走るの⁉という高度を走る、魅せ所です。ダイナミックなウォール区間。上手い人はそこを走るの⁉という高度を走る、魅せ所です。 信頼できる仲間とトレインを組むと楽しさも倍増信頼できる仲間とトレインを組むと楽しさも倍増


特に伐り出した木を運ぶためのソリが通るために切り通されたというウォールはゲレンデコースでは絶対味わえない、この場所でしか走れない、地域資源としてのトレイルの魅力凝縮したようなセクションだ。この山の成り立ち、そこに住まう人々が重ねてきた歴史がタイヤを通じて伝えられ、その一つとして私たちの轍が重ねられていく。YAMABUSHI TRAIL TOURが丹精込めて整備することで、手つかずとなっていた自然は、思い切り楽しめる遊び場へ生まれ変わったのだ。

そんな濃密な一本を下り終えるとちょうどお昼ご飯には良いころ合いに。オススメの海鮮丼を頂き、午後はYAMABUSHI TRAIL TOURのメインとなる、ロッジモンド裏の山へ。いくつものルートが張り巡らされているそうで、レベルに合わせて色んなコースが取れるのだとか。

午後のスタート前に、皆で1枚。右がガイドの平馬さんです。午後のスタート前に、皆で1枚。右がガイドの平馬さんです。
杉林の間を縫うようなトレイルを行く杉林の間を縫うようなトレイルを行く
激坂&スイッチバックの難関セクション激坂&スイッチバックの難関セクション
午前と比べると、少しコンパクトになりつつトレイルライドの楽しさがより濃厚になったようなコースで、とにかく面白い。流れに乗ってフワリフワリと走っていける区間もあれば、細かなスイッチバックやちょっとしたドロップオフなどチャレンジングなセクションもあり。更にはグループで走れば、絶対「どこまで行けたか勝負!」となるような激坂登りもありと、3~4kmほどのコースで、ここまで色んなMTB遊びが出来るのか、と思わせられる。

今回は3つのコースを案内してもらったけれど、まだまだ伊豆の古道は延びているという。YAMABUSHI TRAIL TOURでは、自分のMTBを持っているようなライダー向けの「エピックライドツアー」の他にも、MTB初挑戦の方でも安心のレンタル付「ファンライドツアー」、e-MTBで松崎の街並みとトレイルを一挙に楽しむ「e-Rideツアー」が用意されている。それぞれ、オープンツアーの他に、グループで貸し切りとなるプライベートツアーも用意されている。

落ち葉スプラッシュにチャレンジ!落ち葉スプラッシュにチャレンジ!
一気に開ける展望スポット。ここの伐採された木がロッジモンドに使われているのだそう一気に開ける展望スポット。ここの伐採された木がロッジモンドに使われているのだそう
こんなに贅沢な「裏庭」は、東京だけのものにしておくのは惜しい。関東、いや日本の「裏庭」として、全国のMTBライダーはYAMABUSHI TRAIL TOURへ遊びにくるべきだろう。



YAMABUSHI TRAIL TOUR
所在:静岡県賀茂郡松崎町松崎379-2
TEL:0558-36-3701
オフィシャルサイト:https://yamabushi-trail-tour.com/


text&photo:Naoki Yasuoka
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