フィニッシュ手前に3kmのグラベル区間が登場したバレンシアナ3日目は、アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ)がレムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル)らを引き離し勝利。リーダージャージも獲得し、総合優勝を大きく引き寄せた。



スタートラインに並ぶ各賞ジャージを着用した4人スタートラインに並ぶ各賞ジャージを着用した4人 photo:CorVos
バレンシアナ3日目は、未舗装路を含む頂上フィニッシュが待つ155kmのクイーンステージ。港湾都市アリカンテから海岸線の平坦路を進み、幾つもの登りを経て最後に1級山岳アルト・アンテナス・デル・マイモ・ティビ(距離9.8km/平均7.5%)が待ち構える。ラスト1km地点まで3kmに渡り登場するグラベル区間を、総合首位のレムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル)がどう乗り切るかに注目が集まった。

前日に2人の選手からコロナ陽性者が出たモビスターに続き、バイクエクスチェンジ・ジェイコも選手2人から陽性反応を検出。アレハンドロ・バルベルデ(スペイン)ら選手たちがレースを続行したモビスターとは違い、バイクエクスチェンジはレースからの撤退を発表した。

159から138まで人数が減ったこの日、総合争い加わっていないグルパマ・エフデジとAG2Rシトロエンがそれぞれ2人ずつ送り込む合計11人の逃げ集団が形成される。クイックステップ・アルファヴィニルがコントロールするメイン集団は、地中海沿いを離れ3分差で山岳地帯に突入した。

ヤン・トラトニク(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス)ら11人の逃げグループヤン・トラトニク(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス)ら11人の逃げグループ photo:CorVos
下りで落車したイルヌル・ザカリン(ロシア、ガスプロム・ルスヴェロ)は今季限りでの引退を宣言している下りで落車したイルヌル・ザカリン(ロシア、ガスプロム・ルスヴェロ)は今季限りでの引退を宣言している photo:CorVosトップで未舗装路区間までたどり着いたヤン・トラトニク(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス)トップで未舗装路区間までたどり着いたヤン・トラトニク(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス) photo:CorVos

レースが動いたのは最後から2つ目の3級山岳ティビ峠。逃げグループからこの日がプロデビュー666レース目のヤン・トラトニク(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス)が速度を上げると、後ろにつく選手を一人また一人と引き離していく。トラトニクは一時2分まで縮まったプロトンとのタイム差を2分20秒まで戻し、最終1級山岳アルト・アンテナス・デル・マイモ・ティビの登坂を開始した。

メイン集団ではイルヌル・ザカリン(ロシア、ガスプロム・ルスヴェロ)らが下りで落車。アシストをほぼ使い切ったエヴェネプールのクイックステップ・アルファヴィニルに代わり、モビスターが先頭に人数を集めて追走した。残り5kmを通過し依然として1分差で進むトラトニク。後方ではバルベルデのアタックをフアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツ)が潰し、最初に未舗装路に踏み入れたトラトニクをヤコブ・フルサン(デンマーク、イスラエル・プレミアテック)が先頭を行く集団が捉えた。

土埃を上げながらアレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ)が先頭に立った後ろにはエヴェネプールとエンリク・マス(スペイン、モビスター)、フルサンがつく。路面に小石が目立ち始めた残り1.5kmでウラソフが飛び出すと、すぐさま10秒までリードを広げ、アスファルトに変わったラスト1kmもスピードが落ちないウラソフが独走勝利を決めた。

未舗装路で飛び出すアレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ)未舗装路で飛び出すアレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos
追走するリーダージャージのレムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル)追走するリーダージャージのレムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル) photo:CorVos
移籍後初勝利を掴んだアレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ)移籍後初勝利を掴んだアレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos
「こういう登りは好きだし、厳しそうなグラベル区間も映像で予習していた。だから集中してアタックの時を待っていたんだ。勝利に足る自分の状態が何よりも嬉しく、勝てたことでチームの一員になれた気がするよ」と語るのは、移籍後初勝利を喜ぶウラソフ。

総合首位のエヴェネプールが41秒遅れの8位でフィニッシュしたため、ウラソフは総合リーダージャージを獲得し、ステージ2位には14秒差でカルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ)が入った。なお新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)は16分50秒遅れの82位で無事フィニッシュしている。
ボルタ・ア・ラ・コムニタ・バレンシアナ2022第3ステージ結果
1位 アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ) 4:02:17
2位 カルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ) 0:14
3位 エンリク・マス(スペイン、モビスター) 0:21
4位 ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) 0:29
5位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
6位 ヤコブ・フルサン(デンマーク、イスラエル・プレミアテック) 0:32
7位 ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード) 0:35
8位 レムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル) 0:41
9位 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)
10位 ダビ・デラクルス(スペイン、アスタナカザクスタン) 0:50
82位 新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス).16:50
個人総合成績
1位 アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ) 12:28:39
2位 レムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル) 0:32
3位 カルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ) 0:36
4位 エンリク・マス(スペイン、モビスター) 0:50
5位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) 1:02
6位 ヤコブ・フルサン(デンマーク、イスラエル・プレミアテック) 1:05
7位 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) 1:14
8位 ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード) 2:00
9位 パヴェル・シヴァコフ(ロシア、イネオス・グレナディアーズ) 2:05
10位 ダビ・デラクルス(スペイン、アスタナカザクスタン) 2:28
その他の特別賞
山岳賞 ベンジャミン・キング(アメリカ、ヒューマンパワードヘルス)
ポイント賞 アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ)
ヤングライダー賞 レムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル)
チーム総合成績 イネオス・グレナディアーズ
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
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