BMXで培った技術と、綿密な準備の積み重ねで悲願のSSCX全日本チャンピオンに輝いた腰山雅大(All-City Cycles)。彼の走りを支えたのは、オールシティサイクルズのSS専用モデル、NATUREBOY ACEだった。



腰山雅大(All-City Cycles)のオールシティサイクルズ NATUREBOY ACE腰山雅大(All-City Cycles)のオールシティサイクルズ NATUREBOY ACE photo:Makoto AYANO
ラファスーパークロス野辺山のシングルスピードクラスで勝ち、勢いそのままに臨んだ全日本選手権シングルスピードで悲願のチャンピオンとなったのが、コッシーこと腰山雅大(All-City Cycles)。日頃からシングルスピードでカテゴリー1レースを転戦し、BMXで培ったテクニックを武器にレースを沸かせる彼が駆るのはオールシティサイクルズのシングルスピード専用設計モデル、NATUREBOY ACE(現NATURE CROSS SINGLESPEED)だ。

グリーンのスプラッターペイントが目を引くバイクは、クラシカルなスチールフレームながら、コロンバス製のカーボンフロントフォークや12mmスルーアクスル、テーパーヘッド、フラットマウントディスクブレーキなど現代規格をふんだんに盛り込んだ仕様。本人によれば「現代のシステムと自転車らしい伝統的なカッコ良さを両立したバイク」だという。

38Tx18Tでギア比は2.111。コースと戦略を踏まえた上でのチョイスだという38Tx18Tでギア比は2.111。コースと戦略を踏まえた上でのチョイスだという photo:Makoto AYANO
トラックやBMXレースで話題を呼んだ和泉チエンのIZUMI-V NARROWトラックやBMXレースで話題を呼んだ和泉チエンのIZUMI-V NARROW photo:Makoto AYANOエキセントリックBBでチェーンテンションを保持エキセントリックBBでチェーンテンションを保持 photo:Makoto AYANO


ギア比は普段2.0だが、全日本選手権では得意のインターバルを活かすべく、38Tx18Tで2.111とやや重めに設定。アルテグラのクランクやST-R785のレバーを使いつつ、不要なDi2ボタンは撤去するなど軽量化を突き詰めた。フレームがスライダーエンドではなく、エキセントリックBBを採用している点もシングルスピードらしい美しさに拍車を掛けている。

ゴールドが目立つチェーンは、和泉チエンのIZUMI-V NARROW。アメリカのトラックチームが使い、アシュトン・ランビーが4km個人パシュートで4分の壁を破った際に採用していたチェーンであり、腰山も「今までは普通の多段ギア用を使っていましたが、これはとにかく滑らかで本当に良い」と太鼓判。

タイヤは自身も開発に携わるパナレーサーのCGCX TLC。シーラントとヴィットリアのインサートを併用しているタイヤは自身も開発に携わるパナレーサーのCGCX TLC。シーラントとヴィットリアのインサートを併用している photo:Makoto AYANO
Di2用STIレバーはSS用にスイッチを取り外しているDi2用STIレバーはSS用にスイッチを取り外している photo:Makoto AYANOペダルはクランクブラザースのEgg Beater。CX選手では少数派の選択だペダルはクランクブラザースのEgg Beater。CX選手では少数派の選択だ photo:Makoto AYANO


できるだけトラブルリスクを抑えるパーツチョイスが行われており、ホイールはマヴィックのOPEN PRO DISCリムを使った手組み品。これまではカーボンホイールを使っていたと言うが、「もう何本壊したかわからない」と苦笑い。タイヤは自身も開発に携わるパナレーサーのCGCX TLC(33c)をチューブレス運用し、リム打ち対策としてシーラントとヴィットリアのインサートを併用しているという。

「もともとはBMXと同じ感覚で走りたいなとシングルスピードを選んだんですが、もう止めどきが分からなくなってしまいました」と言うコッシー。事前に「全日本獲ったら(シングルスピードを)卒業でもいいかなあ」と笑っていたが、はてさて...?

シングルスピードクラスで念願の優勝を叶えた腰山雅大(All-City Cycles)シングルスピードクラスで念願の優勝を叶えた腰山雅大(All-City Cycles) photo:Makoto AYANO
text:So Isobe