2021/12/11(土) - 18:36
12月11日、茨城県土浦市で2日間のシクロクロス全日本選手権が開幕。初日はシングルスピードと男女マスターズの年代別選手権が行われ、各エイジグループで新たな日本チャンピオンたちが誕生した。
メイン会場となったのは「りんりんポート土浦」。霞ヶ浦一周サイクリングで人気が高まるつくば霞ヶ浦りんりんロードの中間地点に位置するサイクリングターミナルだ。すぐ隣にはかすみがうらマラソンでもおなじみの「J:COMフィールド土浦」陸上競技場があり、JR土浦駅からも徒歩5分という至近のロケーション。
全日本選手権の招致を果たした土浦市はサイクリング環境や関連施設の充実ぶりがめざましい。「駅から5分のシクロクロス」のキャッチフレーズどおり、多くの観客も観戦に訪れた年代別選手権。シクロクロス人気は衰えること無く、趣味で走る社会人レーサーなどマスターズクラスは年々熱さを増している。
りんりんポート土浦とヨットが並ぶマリーナ、そして陸上競技場脇の舗装路、そしてその周囲に広がる芝の丘陵に設営されたコース。りんりんポートの屋上テラスに登ればコース越しに霞ヶ浦を望むことができ、芝の広場の脇にはマリーナに停泊するヨットやクルーザーがずらりと並んでいる。すぐ近くが駅であり、駅前マンションなども臨める都市型クロス。天気にも恵まれ、ロケーションの素晴らしさが光る。
コースは概ねフラットで厳しい上りが無い。J:COMフィールド土浦の陸上トラックを走り出し、芝の丘陵につけられたスラロームコースへ。霞ヶ浦に近い広場の斜面をこなすスピード&パワーコース。
土曜の第1レースはエキシビション扱いのシングルスピード(30 分)。変速器の無いシングルスピードの駆動系で競うレースに25人がエントリー。腰山雅大(All-City Cycles)と三宗広歩(TEAM TAMAGAWA)のマッチレースとなり、勝負はゴールスプリントに持ち込まれ、腰山が勝利した。
第2レースからはマスターズの10歳刻みのエイジ別レース。60歳台レースで勝利したのは佐藤稔(さとうとしみ/スワコレーシング)。佐藤は元ロード選手にしてかつてイギリス・リーズで開催された1992年のシクロクロス世界選手権の日本代表として走った経歴があるという往年の名選手だ。
女子マスターズはエリートから今季よりマスターズに転向した唐見実世子(弱虫ペダル)が余裕の勝利。唐見はすでに今年ロードレースとロード個人タイムトライアル、マウンテンバイククロスカントリーのマスターズチャンピオンを獲得しており、これで4種目のマスターズチャンピオンとなった。
M50レースはじつに70人もの選手がエントリー。すぐに昨年覇者の大原満、湯浅勉(RIDE LIFE GIANT)、筧太一(BUCYO Coffee/Cult)の三つ巴の闘いとなったが、ラスト2周で大原が独走に持ち込み、M50連覇を達成。
優勝した大原。昨年は飯山の泥区間で力強いランで差をつけたが、今年はスピードとテクニックで他を凌駕した。大原は今から25年前の1996年に初めて開催された第1回シクロクロス全日本選手権の覇者であり、以降3連覇を遂げ、世界選手権代表にもなった「小さな巨人」と呼ばれたレジェンド。現在は愛三工業に勤めるフルタイムのサラリーマン。
大原「スタート直後は5、6番手で誰が出てくるかな?と様子を伺いながら走りました。早めに3人になったのでそれぞれの力を見極めながらの走りでした。ラスト2周ぐらいで抜け出して、チェーンを外して追いつかれてからの再び追い抜いての独走でした。コース的には自信が無く、もっと大きな集団になることを覚悟していました。先週、実は落車して肋骨を痛めてしまって多分骨折しているんです。その痛みを我慢しながらの走りだったんです。勝ててホっとしました」。
カテゴリー1クラスの選手が多く含まれる若いM30クラスはいつもの60分より短い40分レースで争われる。昨年の覇者村田憲治(岩井商会レーシング)が脚の違いを見せつけて独走を決め、2連覇を達成した。フルタイムワーカーであるため練習は週末のみ。ロードにも乗るがシクロクロスが楽しいと言う。
村田「思い通りの勝利ですがバイクの変速の調子が悪くて焦っていました。芝区間でペースを上げたら後ろが離れてくれたのでなんとか勝てました。普段は60分レースを走り慣れているはずなのに40分が長く感じましたね」。
最多の84人が参加するもっとも激戦区となったM40クラス。ディフェンディングチャンピオン生田目修(イナーメ信濃山形&大幸)と、太田好政(Rapha Cycling Club)、田崎友康(ToyoFrame)の2020年の表彰台トリオの3人が抜け出す展開に。お互いに激しく競り合う3人の勝負は最後までもつれたが、最終コーナーで先行した生田目を追い上げるロングスプリントで交わした田崎が勝利した。
田崎「バチバチの戦いでしたが消耗しないように気をつけてはいました。生田目さんに先行されたけど冷静で渾身のスプリントが成功しました。シクロクロスの全日本はチャレンジ3年目で、目標にしていた”3年で日本一になる”という目標を有言実行、達成することができました。ロード出身でテクニックが無い自分でしたが、3位の太田さんはじめ多くの人に走り方を教えてもらってここまできました」。
2日間で開催される全日本選手権初日は12月と思えない暖かな好天に恵まれ、市街地至近の好ロケーションも手伝って多くの観客が観戦に訪れた。弱虫ペダル作者の渡辺航先生もマスターズレースを走って即サイン会に臨むなど大忙し。多くの弱虫ペダルファンもサイン会と応援目当てに集まった。明日の日曜は男女エリートレースをはじめU23、ジュニアの日本一を争うハイレベルなレースが期待できる。
メイン会場となったのは「りんりんポート土浦」。霞ヶ浦一周サイクリングで人気が高まるつくば霞ヶ浦りんりんロードの中間地点に位置するサイクリングターミナルだ。すぐ隣にはかすみがうらマラソンでもおなじみの「J:COMフィールド土浦」陸上競技場があり、JR土浦駅からも徒歩5分という至近のロケーション。
全日本選手権の招致を果たした土浦市はサイクリング環境や関連施設の充実ぶりがめざましい。「駅から5分のシクロクロス」のキャッチフレーズどおり、多くの観客も観戦に訪れた年代別選手権。シクロクロス人気は衰えること無く、趣味で走る社会人レーサーなどマスターズクラスは年々熱さを増している。
りんりんポート土浦とヨットが並ぶマリーナ、そして陸上競技場脇の舗装路、そしてその周囲に広がる芝の丘陵に設営されたコース。りんりんポートの屋上テラスに登ればコース越しに霞ヶ浦を望むことができ、芝の広場の脇にはマリーナに停泊するヨットやクルーザーがずらりと並んでいる。すぐ近くが駅であり、駅前マンションなども臨める都市型クロス。天気にも恵まれ、ロケーションの素晴らしさが光る。
コースは概ねフラットで厳しい上りが無い。J:COMフィールド土浦の陸上トラックを走り出し、芝の丘陵につけられたスラロームコースへ。霞ヶ浦に近い広場の斜面をこなすスピード&パワーコース。
土曜の第1レースはエキシビション扱いのシングルスピード(30 分)。変速器の無いシングルスピードの駆動系で競うレースに25人がエントリー。腰山雅大(All-City Cycles)と三宗広歩(TEAM TAMAGAWA)のマッチレースとなり、勝負はゴールスプリントに持ち込まれ、腰山が勝利した。
第2レースからはマスターズの10歳刻みのエイジ別レース。60歳台レースで勝利したのは佐藤稔(さとうとしみ/スワコレーシング)。佐藤は元ロード選手にしてかつてイギリス・リーズで開催された1992年のシクロクロス世界選手権の日本代表として走った経歴があるという往年の名選手だ。
女子マスターズはエリートから今季よりマスターズに転向した唐見実世子(弱虫ペダル)が余裕の勝利。唐見はすでに今年ロードレースとロード個人タイムトライアル、マウンテンバイククロスカントリーのマスターズチャンピオンを獲得しており、これで4種目のマスターズチャンピオンとなった。
M50レースはじつに70人もの選手がエントリー。すぐに昨年覇者の大原満、湯浅勉(RIDE LIFE GIANT)、筧太一(BUCYO Coffee/Cult)の三つ巴の闘いとなったが、ラスト2周で大原が独走に持ち込み、M50連覇を達成。
優勝した大原。昨年は飯山の泥区間で力強いランで差をつけたが、今年はスピードとテクニックで他を凌駕した。大原は今から25年前の1996年に初めて開催された第1回シクロクロス全日本選手権の覇者であり、以降3連覇を遂げ、世界選手権代表にもなった「小さな巨人」と呼ばれたレジェンド。現在は愛三工業に勤めるフルタイムのサラリーマン。
大原「スタート直後は5、6番手で誰が出てくるかな?と様子を伺いながら走りました。早めに3人になったのでそれぞれの力を見極めながらの走りでした。ラスト2周ぐらいで抜け出して、チェーンを外して追いつかれてからの再び追い抜いての独走でした。コース的には自信が無く、もっと大きな集団になることを覚悟していました。先週、実は落車して肋骨を痛めてしまって多分骨折しているんです。その痛みを我慢しながらの走りだったんです。勝ててホっとしました」。
カテゴリー1クラスの選手が多く含まれる若いM30クラスはいつもの60分より短い40分レースで争われる。昨年の覇者村田憲治(岩井商会レーシング)が脚の違いを見せつけて独走を決め、2連覇を達成した。フルタイムワーカーであるため練習は週末のみ。ロードにも乗るがシクロクロスが楽しいと言う。
村田「思い通りの勝利ですがバイクの変速の調子が悪くて焦っていました。芝区間でペースを上げたら後ろが離れてくれたのでなんとか勝てました。普段は60分レースを走り慣れているはずなのに40分が長く感じましたね」。
最多の84人が参加するもっとも激戦区となったM40クラス。ディフェンディングチャンピオン生田目修(イナーメ信濃山形&大幸)と、太田好政(Rapha Cycling Club)、田崎友康(ToyoFrame)の2020年の表彰台トリオの3人が抜け出す展開に。お互いに激しく競り合う3人の勝負は最後までもつれたが、最終コーナーで先行した生田目を追い上げるロングスプリントで交わした田崎が勝利した。
田崎「バチバチの戦いでしたが消耗しないように気をつけてはいました。生田目さんに先行されたけど冷静で渾身のスプリントが成功しました。シクロクロスの全日本はチャレンジ3年目で、目標にしていた”3年で日本一になる”という目標を有言実行、達成することができました。ロード出身でテクニックが無い自分でしたが、3位の太田さんはじめ多くの人に走り方を教えてもらってここまできました」。
2日間で開催される全日本選手権初日は12月と思えない暖かな好天に恵まれ、市街地至近の好ロケーションも手伝って多くの観客が観戦に訪れた。弱虫ペダル作者の渡辺航先生もマスターズレースを走って即サイン会に臨むなど大忙し。多くの弱虫ペダルファンもサイン会と応援目当てに集まった。明日の日曜は男女エリートレースをはじめU23、ジュニアの日本一を争うハイレベルなレースが期待できる。
シクロクロス全日本選手権2021DAY1 マスターズ&SS
シングルスピード(30 分) | ||
1位 | 腰山雅大(All-City Cycles) | 27:28:610 |
2位 | 三宗広歩(TEAM TAMAGAWA) | |
3位 | 山崎雅典(Marunouchi Cycling) | |
女子 | ||
1位 | 野下幸(轍屋) | 31:36:740 |
男子マスターズ 60+(30 分) | ||
1位 | 佐藤稔(スワコレーシング) | 28:59:920 |
2位 | 久馬逸志(今日も押しまs) | |
3位 | 松井正通(2RLine) | |
女子マスターズ(30 分) | ||
1位 | 唐見実世子(弱虫ペダル) | 30:46.740 |
2位 | 野下幸(轍屋) | |
3位 | 森田由美子(Gufo Cycle Works) | |
男子マスターズ 50-59(30 分) | ||
1位 | 大原満 | 27:37.450 |
2位 | 湯浅勉(RIDE LIFE GIANT) | |
3位 | 筧太一(BUCYO Coffee/Cult) | |
男子マスターズ 35-39(40 分) | ||
1位 | 村田憲治(岩井商会レーシング)40:31.720 | |
2位 | 佐伯祐輔(SBC Vertex Racing) | |
3位 | 斉藤和哉(シルクロード) | |
男子マスターズ 40-49(40 分) | ||
1位 | 田崎友康(ToyoFrame) | 40:26.600 |
2位 | 生田目修(イナーメ信濃山形&大幸) | |
3位 | 太田好政(Rapha Cycling Club) |
text:Makoto AYANO
photo : Itaru Mitsui、Makoto AYANO
photo : Itaru Mitsui、Makoto AYANO
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