ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、UAEチームエミレーツ)が1時間で進む最"短"記録に挑戦し、これまでの世界記録1070mを上回る(下回る)918mでワールドレコードを更新した。



今年のツール・ド・フランスでタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)を2連覇に導いたダヴィデ・フォルモロ(イタリア)今年のツール・ド・フランスでタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)を2連覇に導いたダヴィデ・フォルモロ(イタリア) photo:Luca Bettini
舞台となったのはイタリアのバッサーノ・デル・グラッパにあるリーノ・メルカンテ・ヴェロドローム。10月30日にサイクルイベントの催しとして行われた記録挑戦に、今年のツール・ド・フランスでタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)の2年連続総合優勝に貢献したフォルモロが挑んだ。

レギュレーションである「ブレーキのない変速付き」のバイクで走り出したフォルモロは、60分間進み続けなければならない(静止してはならない)ルールのなか、左足でペダルを操作し、右足を後輪に当てながらブレーキする独自のフォームで進んでいった。

フォルモロが目指したのは1979年ジロ・デ・イタリアでマリア・ネラ(最下位賞)を獲得したブルーノ・ザノニ(イタリア)の持つ1070m(2019年)。この記録には過去に、ジロを2度制したジルベルト・シモーニや、2018年のツール・ド・おきなわで優勝&引退したアラン・マランゴーニ(当時NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニ)が挑んだものの、それぞれ1072mと1350mと記録の更新はならなかった。


そして60分でヴェロドロームを約4周半したフォルモロは、世界記録を152m更新する918mで新記録を樹立。もちろんUCI(国際自転車競技連合)非公認だ。

なお最長記録のアワーレコードは、来季ロット・スーダルへの復帰が決まっているヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、クベカ・ネクストハッシュ)が2019年に樹立した55.089km。今月5日にアレックス・ドーセット(イギリス、イスラエル・スタートアップネイション)が挑戦するも更新はならず。しかし、世界選手権個人タイムトライアルを2連覇中のフィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)が「来夏に挑戦するかもしれない」とコメントして注目を集めている。


text:Sotaro.Arakawa