全5ラウンドのトラックチャンピオンズリーグが初開催　女子スクラッチで梶原が5位

UCIが主催する新しいレースシリーズ「トラック・チャンピオンズリーグ」がスペイン・マヨルカで開幕。男子スプリントはハリー・ラブレイセン（オランダ）が優勝し、女子スクラッチで梶原悠未が5位入賞を果たした。

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レース前に行われたプレゼンテーションに並ぶ選手たち photo:CorVos
8月の東京オリンピック、10月の世界選手権、そして11月6日に全く新しいトラックシリーズがスペイン・マヨルカで開幕を迎えた。この「UCIトラック・チャンピオンズリーグ」は世界4ヶ所で全5ラウンドが行われ、30ヶ国から選出された72名のトップ選手によって争われる。

それぞれのラウンドで行われるのはエンデュランス（中距離）種目のスクラッチとエリミネーション、スプリント（短距離）種目のケイリンとスプリントの合計4種目。約2時間半という短時間に予選から決勝までが詰め込まれ、そのラウンドでの優勝はもちろん、全ラウンド共通の通しゼッケンをつけた選手たちが上位15位までに与えられるポイントを競う。そしてイスラエル・テルアビブの最終第5ラウンド終了時に最もポイントが多かった選手が総合優勝に輝く。

トラック・チャンピオンズリーグ2021開催日程
第1ラウンド（11月6日）：マヨルカ（スペイン）
第2ラウンド（11月27日）：パネヴェジース（リトアニア）
第3ラウンド（12月3日）：ロンドン（イギリス）
第4ラウンド（12月4日）：ロンドン（イギリス）
第5ラウンド（12月11日）：テルアビブ（イスラエル）

女子エリミネーション：優勝したケイティ・アーチボルド（イギリス） photo:UCI
女子スプリント：レアソフィー・フリードリヒ（ドイツ）に並ぶエマ・ヒンツェ（ドイツ） photo:CorVos
男子スプリント予選で幕を開けた第1ラウンド。開始から1時間も立たずに行われた女子スクラッチ決勝では、通常よりも5kmと短い距離が有力選手たちの目算を狂わせ、マギー・コールズリスター（カナダ）がオリビア・バレイシテ（リトアニア）とハンナ・ツェラカ（ベラルーシ）と共に逃げ切り勝利する大波乱の結果に。またエリミネーションではスクラッチで4位のケイティ・アーチボルド（イギリス）が優勝してリーダジャージに袖を通した。日本の梶原悠未はスクラッチで5位（11ポイント）、エリミネーションで14位（2ポイント）を獲得して開幕戦を総合8位で終えている。

男子のエンデュランス種目ではコルビン・ストロング（ニュージーランド）がスクラッチとエリミネーションの両方で優勝。2種目で1位に与えられる25ポイント、合計50ポイントを獲得する最高のスタートとなった。また窪木一茂はスクラッチで9位（7ポイント）、エリミネーションを8位（8ポイント）で総合8位（合計15ポイント）につけた。

男子スプリント：下馬評通り優勝したハリー・ラブレイセン（オランダ） photo:CorVos
男子スプリント：優勝し歓声に応えるハリー・ラブレイセン（オランダ） photo:CorVos
絶対王者ハリー・ラブレイセン（オランダ）と同国のジェフリー・ホーフランドによる一騎打ちに注目が集まった男子スプリント。しかし準決勝でホーフランドがミハエル・イアコフレフ（ロシアロシア自転車競技連盟）に破れ、決勝ではラブレイセンがイアコフレフに競り勝ち優勝した。山崎賢人が決勝に残った男子ケイリンでは、競輪にも参戦経験のあるシュテファン・ベティヒャー（ドイツ）がラブレイセンとホーフランドを抑えリーダジャージを獲得。山崎は6位で10ポイントを可算している。

女子スプリント（短距離）種目には太田りゆと佐藤水菜が出場し、2種目合わせて太田は7ポイント（総合12位）、佐藤は6ポイント（総合15位）にランクイン。女子スプリントは「最高の雰囲気だった」と喜ぶエマ・ヒンツェ（ドイツ）が制し、東京五輪金メダリストのケルシー・ミッチェル（カナダ）が女子ケイリンで開幕戦王者に輝いている。

男子ケイリン：ラブレイセンとホーフランドを抑え優勝したシュテファン・ベティヒャー（ドイツ） photo:CorVos