イタリアのカレラが発表した新たなエントリーモデル、SL1。軽量なオールラウンダー然としたシンプルな造形を与えられた、新世代のエントリーディスクロードの持つ実力に迫るインプレッション記事をお届けする。



カレラ SL1カレラ SL1 photo:Makoto Ayano
イタリア・ロンバルディア州に本拠地を置くカレラ。エディ・メルクスやフェリーチェ・ジモンディなど、伝説的な選手たちと共にヨーロッパのロードレース全盛期を支えたダビデ・ボイファヴァ氏によって、1989年に創業されたカレラは、そのルーツからもわかる通りレーシングブランドとして非常に大きな存在感を示し続けてきた。

創業以来、現在までに500を超えるレース勝利数を誇る歴史を持つ常勝ブランドであり、90年代には"海賊"と呼ばれたマルコ・パンターニや、”ディアブロ”クラウディオ・キアプッチらがカレラのロードレーサーを駆りグランツールで活躍。

モダンなロードバイクらしく広めのタイヤクリアランスが確保されるモダンなロードバイクらしく広めのタイヤクリアランスが確保される トップチューブには独特の紋様がトップチューブには独特の紋様が わずかにベンドしたフロントフォークわずかにベンドしたフロントフォーク


レーシングブランドとしての地位を押しも押されぬものとしたカレラだが、その後も世界に先駆けカーボンバックのアルミフレームの開発や、近年では独創的なフレーム形状を用いた「フィブラ」を発表するなど、革新的なシステムやデザインを生み出してきた。

そんなカレラの2022ラインアップのなかで、ボトムラインを担うのがSL1という新モデルだ。ブランド史上初となるエンデュランスロードとして発表されたER-01の後継機種として新たに開発されたバイクであり、ロードバイク入門者に向けた位置づけとされている。

エントリーモデルとはいうものの、そのルックスは軽量オールラウンドレーサー然とした端正な佇まい。無駄を削ぎ落したシンプルかつ洗練された造形で、ロングライドはもちろんのこと、ヒルクライムやロードレースにも似合いそうな雰囲気を纏っている。

ケーブルはダウンチューブから内装されるケーブルはダウンチューブから内装される
一見オーソドックスながら左右非対称のチェーンステー 駆動効率を高める設計だ一見オーソドックスながら左右非対称のチェーンステー 駆動効率を高める設計だ シンプルな造形のダウンチューブ。グラフィックも簡素だが力強いデザインシンプルな造形のダウンチューブ。グラフィックも簡素だが力強いデザイン


フレームのアシンメトリックデザインを推し進めることで、反ドライブサイドの剛性と強度を向上させることに成功。更に、カーボン積層に関する技術研究を深化させることによって、狙った部位に意図通りの性能を発揮させることが可能に。

この積層技術の進歩に加え、フレームの構造解析を丹念に行うことで大きなストレスのかかる部分への強化を実施。剛性面においてはパワー伝達効率やスプリントの反応性、ダウンヒルでの安定性を向上させることで走行性能を全体的に底上げしている。

一方で、1台目のロードバイクに選ばれることも多いエントリーモデルとして、強度面でも長く扱える性能を実現。フレームを疲労試験に掛けた際には基準を超える結果を出し、耐久面でも高い性能を示しているという。

細身のシートステーが快適性を高める細身のシートステーが快適性を高める シートクランプは臼式 デザイン面、空力面、快適性といった様々なメリットがあるシートクランプは臼式 デザイン面、空力面、快適性といった様々なメリットがある ボトルケージ台座は上下2ポジションから選択可能ボトルケージ台座は上下2ポジションから選択可能


細身のシートステーやベンドしたフォークブレード、シートポストの出代を確保する臼式のシートクランプなど、快適性も重視された設計となっており、長距離ライドでも心強い相棒となってくれるだろう。タイヤは最大28mm幅まで対応している。

フレームは1,100g、フォークは430gと、超軽量バイクとは言えないものの安心感のある数値だ。扱いに細心の注意を払う必要のある薄肉チューブではなく、しっかりとしたチュービングを採用していることが窺われる1台だ。さて、それではインプレッションをお届けしよう。



―インプレッション

「クラスを越えた軽快感 レースデビューにもうってつけの軽量バイク」
藤野智一(なるしまフレンド)


「クラスを越えた軽快感 レースデビューにもうってつけの軽量バイク」 藤野智一(なるしまフレンド)「クラスを越えた軽快感 レースデビューにもうってつけの軽量バイク」 藤野智一(なるしまフレンド) photo:Makoto Ayano
エントリーグレードとのことですが、実際に乗ってみるとクラスを越えた走りでレースを視野に入れた人にもオススメしたいバイクですね。非常に軽快感の高い乗り味で、ヒルクライムレースでも気持ちよく登ってくれると思います。

前モデルのER01がエンデュランス系の位置づけでしたので、このバイクも系統としては延長線上にあるのかと思っていましたが、かなりレーシーな味付けになっています。とはいえ剛性一辺倒、というようなイメージではなく、必要十分な硬さと軽量性をいい具合にバランスしていますね。

BB周辺はある程度動くのですが、フレーム全体としてみると大きくねじれている感覚はなく、踏んだ力を加速力へとしっかり変換してくれます。注意したい点としては、撓ったBB部の戻るスピードは早めなので、乱暴に踏んでしまうとリズムが崩れてしまって進まなくなってしまう印象を受けました。低いケイデンスだと、しなったフレームが戻ってきているタイミングで踏むことになってしまい、不快な反発を感じてしまいますね。

ですので、高いギア比でトルクを掛けて踏んでいくのではなく、細かく変速し、最適なギア比を探りながら回していった方がこのバイクの実力は引き出せるでしょう。ダンシングでもそれは変わりません。スピードに合わせたケイデンスで、フレームのリズムに合わせて踏んでいければ、平地でも登りでもスパスパと前に進んでいってくれます。スプリントでも同じようなイメージですね。一定ギアでケイデンスを上げていくよりも、スピードが上がるにつれて細かく変速していきたい。

「細かく変速し、最適なギア比を探りながら回していった方がこのバイクの実力は引き出せる」 藤野智一(なるしまフレンド)「細かく変速し、最適なギア比を探りながら回していった方がこのバイクの実力は引き出せる」 藤野智一(なるしまフレンド) photo:Makoto Ayano
軽い、と言う印象はハンドリングに関しても当てはまります。慣れないと少し怖さを感じてしまうくらい、スッとコーナーに入っていきますね。あまり自転車を倒そうとすると、予想以上に倒れ込んでいくのでバイクに任せていくような心持ちでいた方が良いでしょうね。

一方で、ER01の後継ということもあってか、快適性も高いレベルにまとまっています。太めのタイヤが付いていることもあると思いますが、かなり荒れた路面の激坂を登ってみても弾かれることはなく、フロントとリアともにしっかりと地面を掴んでスムースに登ってくれました。

軽快でパリッとしたフィーリングやリアバックのアシンメトリックな設計など、価格を感じさせない出来栄えですね。正直、ホビーレベルであればレースユースでも言い訳が出来ない完成度があると思います。今回のテストバイクではヴィジョンのカーボンホイールがついていますので、このレベルのホイールを組み合わせるという前提ではありますが、フレームのポテンシャルとしては非常に高いレベルの1台だと思います。

「非常に軽快感の高い乗り味で、ヒルクライムレースでも気持ちよく登ってくれるだろう」 藤野智一(なるしまフレンド)「非常に軽快感の高い乗り味で、ヒルクライムレースでも気持ちよく登ってくれるだろう」 藤野智一(なるしまフレンド) photo:Makoto Ayano
カレラ SL1
BB:プレスフィット 86x41
ヘッドセット:1/8" - 1/4"
シートポスト径:27.2mm
重量:フレーム (M) 1100±50g、フォーク 430±20g
タイヤサイズ:最大28mm
カラー:A22-111(グレー)A22-112(ブラック)
価格:165,000円(税込)

text:Naoki Yasuoka
photo:Makoto Ayano
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