「世界王者に返り咲くことが長年の夢だった」とは、2013年以来となる2度目の世界王者に輝いたエレン・ファンダイク(オランダ)。10秒届かず2位に終わったローセルや、3位のファンフルーテンなど、世界選手権女子エリート個人タイムトライアルを終えた選手たちのコメントを紹介します。



1位 エレン・ファンダイク(オランダ)

スプリントでフィニッシュラインを目指すエレン・ファンダイク(オランダ)スプリントでフィニッシュラインを目指すエレン・ファンダイク(オランダ) photo:CorVos
これほど感動するとは思わなかった。もう一度世界王者のタイトルを獲得することは、長い間抱き続けていた夢だった。今年は全てが上手くいっていたが、マーレン・(ローセル)はとても強く、自分の強さも感じてはいたが、彼女の強さはそれを上回っていた。ここ数週間の個人タイムトライアルでは常に彼女に負けていた。だから勝つのはとても難しいことだと思っていて、そのためには最高のタイムトライアルにしないと無理だと思っていた。

良い走りができたものの、優勝候補たちよりも1時間早くスタートしていたので、それが優勝に十分なタイムかどうか分からなかった。また風の影響もどちらに味方するか分からず、中間計測ではマーレンが一番早いタイムを出していたので勝った瞬間は信じられない気持ちだった。

8年越しのアルカンシエルを手にしたエレン・ファンダイク(オランダ)8年越しのアルカンシエルを手にしたエレン・ファンダイク(オランダ) photo:CorVos
ホットシートに座っている間はとにかく怖くてしかたがなかった。何もすることがなく、私が座った時はまだアネミエクがスタートしておらず、自分の走りがどれほど速いタイムなのかもよく分かっていなかった。周りから良い走りと言われはしたものの、優勝できるタイムかどうかは不明だった。

タイムトライアルは私の強みかつ心から愛している種目。また今日のコースは私に向いているとも思っていて、全力を注いでそれが報われた。夢が叶った。

2位 マーレン・ローセル(スイス)

第2中間計測までトップタイムだったマーレン・ローセル(スイス)は最終区間で失速第2中間計測までトップタイムだったマーレン・ローセル(スイス)は最終区間で失速 photo:CorVos
今日は勝利を狙っていたのでこの結果に落ち込んでいる。世界選手権で銀メダルは私やチームにとって価値のある結果だけど、優勝が可能な走りだっただけに残念。最高の走りができた欧州選手権後、モチベーションも高くベストな走りができた。10秒差で負けたがそれもレース。勝つ時もあれば負ける時もある。また諦めずに戦い続けていきたい。

3位 アネミエク・ファンフルーテン(オランダ)

表彰台という結果に喜ぶアネミエク・ファンフルーテン(オランダ)表彰台という結果に喜ぶアネミエク・ファンフルーテン(オランダ) photo:CorVos
最高の走りが私を3位に導いてくれた。満足できる結果だと思うし、このコースでは私を上回った2人の方が強かったということ。ファンダイクもの勝利は私にとっても嬉しいことで、彼女は優勝にふさわしい走りをしていた。今日のコースは私に合っておらず、彼女たちに何度もタイムトライアルで勝ってはいるものの、それはどれも登りがあるコースだった。良い出力を出すことができたので自分の走りには満足している。でも、無線に不具合があり最初のコーナーの後からタイム差が分からなくなった。なのでトップと数秒ではなく24秒差だと聞いて安心できた。無線の不具合が原因にならなかったから。

5位 リサ・ブレナウアー(ドイツ)

ネーベンに肉薄したリサ・ブレナウアー(ドイツ)は5位ネーベンに肉薄したリサ・ブレナウアー(ドイツ)は5位 photo:CorVos
個人タイムトライアルで5位入賞することができた。距離の長い平坦なコースは精神力が試されるレースだった。自分のパフォーマンスに満足しているし、フランドルの観客のなか走ることができて素晴らしい気持ちだった。サポートしてくれたドイツ自転車協会に感謝したい。そして世界王者になったファンダイクを祝福したい。彼女とはジュニアの世界選手権から争う仲で、その後はチームメイトになり、また共にそれぞれ世界選手権を制することになった。なんという復活劇なのだろうか。

7位 リサ・クレイン(ドイツ)

リサ・クレイン(ドイツ)リサ・クレイン(ドイツ) photo:CorVos
ファンダイクが後ろから迫ってくることは予想していて、それをモチベーションに走っていた。スタートから良いペースを保つことができたものの、最初の10kmでタイムを失ってしまった。でも今日は今後に繋がる良い経験になった。レースは楽しく素晴らしい雰囲気だった。トニー(マルティン)の現役最後のレースである水曜日のミックスリレーに向けて気持ちを切り替えたい。何しろチーム全体がやる気に満ち溢れているから。

10位 アレーナ・アミアリウシク(ベラルーシ)

目標としていたトップ10入りが叶ったアレーナ・アミアリウシク(ベラルーシ)目標としていたトップ10入りが叶ったアレーナ・アミアリウシク(ベラルーシ) photo:CorVos
トップ10が目標だったのでこの結果はとても嬉しい。自分の強みを活かせるコースではなかったものの、気持ちを前向きに臨むことができた。スタートからフィニッシュまでハイスピードと出力を保つことを意識し、レースを楽しむことができたので満足している。

text:Sotaro.Arakawa