2009年ジャパンカップを制したクリスアンケル・セレンセン(デンマーク)が9月18日、世界選手権の解説として訪れたベルギーでのライド中に交通事故で命を落とした。享年37歳。



2010年ジロ・デ・イタリア第8ステージで優勝したクリスアンケル・セレンセン(デンマーク、当時サクソバンク)2010年ジロ・デ・イタリア第8ステージで優勝したクリスアンケル・セレンセン(デンマーク、当時サクソバンク) photo:Kei Tsuji
デンマーク放送局TV2 Sportの解説者として9月19日より開幕するロード世界選手権のためにベルギーを訪れていたセレンセンは、個人タイムトライアルが行われるクノック=ヘイストブルッヘにほど近いゼーブルッヘをライド中に車に追突され、37歳の若さで命を落とした。

同局のディレクターであるフレデリク・ラウエセン氏はこの訃報について「同僚であるクリスアンケル・セレンセンが亡くなったと聞かされた時の悲しみは、あまりにも大きかった。彼は世界選手権のためにベルギーを訪れ、本日土曜日のライド中に車に轢かれ亡くなってしまった。彼の家族には心よりお悔やみ申し上げます」と悲しみを綴っている。

1984年生まれのセレンセンは2005年にチームCSC(後のティンコフ・サクソ)でプロデビューを果たすと、2015年までの10シーズンを同チームで過ごした。その後は2016年にフォルトゥネオ・ヴァイタルコンセプト(現アルケア・サムシック)を経て、2018年に母国デンマークのリワル・セラミックスピードで現役を退いた。

独走で最後の古賀志林道頂上を越えるクリスアンケル・セレンセン(デンマーク、当時サクソバンク)独走で最後の古賀志林道頂上を越えるクリスアンケル・セレンセン(デンマーク、当時サクソバンク) photo:Akihiro.NAKAO
2009年ジャパンカップを制したクリスアンケル・セレンセン(デンマーク、当時サクソバンク)2009年ジャパンカップを制したクリスアンケル・セレンセン(デンマーク、当時サクソバンク) photo:Makoto Ayano
クライマーとして活躍したセレンセンはツール・ド・フランス5度を含むグランツールに12回出場。アンディ・シュレク(ルクセンブルク)などの山岳アシストを務めながら2008年クリテリウム・ドゥ・ドーフィネで区間優勝すると、2009年の第18回ジャパンカップで優勝、2010年ジロ・デ・イタリア第8ステージでも勝利を挙げた。また2012年ツールには総合エースとして出場し、2015年には念願のデンマークのロードナショナルチャンピオンに輝いている。

引退後も解説者としてロードレースに携わっていたセレンセン。その突然の死を惜しむ多くの声がSNSを通して届けられており、ダヴィ・ラパルティアンUCI会長も「元プロ選手で現在はジャーナリストであったクリスアンケル・セレンセンの訃報に、言葉にできない悲しみを感じています。彼の家族や友人、そしてデンマーク自転車協会に対して心よりお悔やみ申し上げます」と哀悼の意を記している。

37歳の早すぎる逝去を悼み、心からお悔やみ申し上げます。

text:Sotaro.Arakawa