広島で行なわれたJサイクルツアー第8戦西日本サイクルロードレースは、来週の全日本選手権ロードを最後に引退を決めている野寺 秀徳(シマノレーシング) が優勝。ルビーレッドジャージを着る畑中 勇介(シマノレーシング) とのワンツー・フィニッシュを決めた。

現在のJサイクルツアーのリーダーの証、ルビーレッドジャージを着る畑中が野寺を先着させた現在のJサイクルツアーのリーダーの証、ルビーレッドジャージを着る畑中が野寺を先着させた 全日本実業団自転車競技連盟

強烈なアタックで先頭集団を小さくしていく野寺 秀徳(シマノレーシング)強烈なアタックで先頭集団を小さくしていく野寺 秀徳(シマノレーシング) 全日本実業団自転車競技連盟梅雨の間の曇り空の下行われた西日本サイクルロードレース。スタート直後からブリヂストンアンカーが積極的にペースを上げ、100名を超える集団は長く伸びる。

距離123kmで争われたこのレース、広島県中央森林公園サイクリングコースは道幅がそれほど広くなく、かつブランドコーナーが連続する下り坂が続くため、このような状態では集団の後ろにいると自分の気づかないうちに集団が分かれ、遅れをとることになる。

下り区間を過ぎ、登りが連続する区間に入るとブリヂストンアンカー以外のチームも積極的にアタックを開始する。
この動きで有力チームのメンバーがほぼ全て含まれた8名の集団が出来上がる。最大1分15秒程の差をつけ、今日はこのメンバーで決まるかと思われたが、大集団もあきらめず、その差を徐々につめ、15秒程度まで迫る。

ここから、先頭集団から抜け出す選手、後続の大集団から先頭集団に追いつく選手などが入り混じり、新たに9名の先頭集団が形成される。この中には前半から積極的に動いたブリヂストンアンカーの選手が4名含まれる。先頭集団と大集団との差が、再び50秒まで開いたとき、大集団から鈴木謙一選手(愛三工業レーシングチーム)が単独で先頭を追い、わずか4km程で追いつく。これで先頭集団は10名になる。

ここから、ブリヂストンアンカー、シマノレーシングを中心に激しいアタック合戦が繰り広げられ、先頭の10名も徐々にバラけていく。
ラスト2周を残し、野寺秀徳選手(シマノレーシング)が登りでアタックをかける。これに付けたのはYOU Ki Hong(ユーキホン/ GEUMSAN GINSENG ASIA)のみ。2人は協力しながら後続の大集団との差を30秒程度に保ちながら最終周回に突入していく。

大集団もペースを上げ先頭との差を詰めていく。最後の登り区間に入った時、その差は10秒強。ここで野寺選手が単独で抜け出す。
後続集団からは野寺選手と同じシマノレーシングの畑中勇介選手が単独で抜け出し、登り区間の頂上付近で野寺選手と合流。若干疲れの見える野寺選手を畑中選手が強力に引っ張りながら後続と10秒差を保ちゴールに向かう。

最後は来週の全日本選手権で現役引退を発表している野寺選手が先にゴールラインを超え、彼にとってJ サイクルツアー最後のレースを優勝で飾った。

J サイクルツアーの総合ポイント争いは、このレースで2位に入った畑中勇介選手が守り、総合でもさらに大きな差をつけた。

このレースが野寺 秀徳(シマノレーシング) にとっては最後のJサイクルツアーとなったこのレースが野寺 秀徳(シマノレーシング) にとっては最後のJサイクルツアーとなった 全日本実業団自転車競技連盟Jサイクルツアー2010第8戦 西日本サイクルロードレース結果  
1位 野寺 秀徳(シマノレーシング) 3:08:36
2位 畑中 勇介(シマノレーシング)
3位 鈴木 真理(シマノレーシング) +"07
4位 中村 誠(宇都宮ブリッツェン) +"08
5位 飯野 嘉則(シマノレーシング) +"10
6位 松村 光浩(愛三工業レーシングチーム)+"16
7位 清水 良行(チームブリヂストン・アンカー)+"19
8位 中山 卓士(Team Eurasia Museeuw Bikes)+"22
9位 五十嵐丈士(GEUMSAN GINSENG ASIA)+"22
10位 阿部 良之(マトリックス・パワータグ・コラテック)+"26

text&photo : 全日本実業団自転車競技連盟