レース序盤から逃げ、追いかけるメイン集団を振り切って勝利したマグナス・コルト(デンマーク、EFエデュケーション・NIPPO)は「少しでも早く頂上にたどり着くことだけを考えていた」とコメント。再び総合首位に立ったログリッチなど、ブエルタ第6ステージを終えた選手たちのコメントを紹介します。



ステージ1位 マグナス・コルト(デンマーク、EFエデュケーション・NIPPO)

ログリッチらを振り切ってフィニッシュするマグナス・コルト(デンマーク、EFエデュケーション・NIPPO)ログリッチらを振り切ってフィニッシュするマグナス・コルト(デンマーク、EFエデュケーション・NIPPO) photo:Unipublic
これまでの勝利はいずれも集団スプリントだった。だが逃げからでも、登りフィニッシュでも勝てるということを証明できた。だから今日の勝利は特別だよ。

登りの麓までタイム差は聞いていたが、集団が凄い速度で追ってきていたので、それがどれほど正確なのかはわからなかった。それでもまだ勝てるチャンスが残されていると思っていた。少しでも速く登り切ることだけに集中していた。逃げ集団を引き離し、後ろから集団があと少しのところまで迫ってきていた。勝利できて本当に嬉しい。

残り150mで振り返り、迫ってくるログリッチが見えた。そこから全力でスプリントして幸運にも彼を振り返ることができてよかったよ。

ステージ通算4勝目を飾ったマグナス・コルト(デンマーク、EFエデュケーション・NIPPO)ステージ通算4勝目を飾ったマグナス・コルト(デンマーク、EFエデュケーション・NIPPO) photo:CorVos
ブエルタは好きなレースなので、チームに頼み込んでメンバーに入れてもらったんだ。また、グランツールの第1週目で勝つのが初めてなんだ。それがこの勝利を更に特別なものにしてくれたよ。

ステージ2位&マイヨロホ プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)

3日間手放していたマイヨロホに再び袖を通したプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)3日間手放していたマイヨロホに再び袖を通したプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos
ステージ優勝にはそこまでの興味がなかった。それにとても強かったマグナスにこそ今日の勝利はふさわしい。僕とチームの目標は安全にフィニッシュすることだった。調子が良かったのでスプリントをして、タイム差を稼ぐことができて嬉しいよ。

明日は激しい戦いが繰り広げられるだろう。難しいステージかつ集団をコントロールするのも困難になるだろう。だが僕とチームには自信がある。常に感覚を研ぎ澄ませ、集中して走りたい。

ステージ3位 アンドレア・バジオーリ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)

スタートから今日は勝つ自信があった。最後の登りはきつく、脚を休める区間が一切なかった。残り70kmからほぼフルガス状態だったものの、最後は調子も良く全力で踏むことができた。表彰台という結果に満足しているが、勝利が欲しかった。このブエルタが開幕して以来、チームとしては5度目のトップ3フィニッシュになる。更に上の結果を得られるよう明日からも頑張りたい。

ステージ4位&総合6位 アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、アスタナ・プレミアテック)

今日は調子が良く、日に日に上向いているように感じる。ステージ自体はとてもハードでペースも速く、最後の風がレースをさらに厳しいものにした。そんな中でもチームメイトが素晴らしい働きをしてくれ、集団が分裂して後ろに取り残された僕を集団先頭まで運んでくれたんだ。良いポジションで登りに入ることができ、あとは前に走る選手についていくだけだった。

ラスト1kmからアタックを試みたのだが、逃げていた最後の1人を捉えることができず4位に終わった。それでも今日のレースと自分のコンデイションにはとても満足している。このあとのステージがどうなるか見てみよう。

ステージ5位&総合2位 エンリク・マス(スペイン、モビスター)

総合順位を2つ上げ総合2位に入ったエンリク・マス(スペイン、モビスター)総合順位を2つ上げ総合2位に入ったエンリク・マス(スペイン、モビスター) (c) MovistarTeam
ここには才能に溢れた選手しかおらず、それぞれが自分のやるべき仕事を理解している。それが証明されたのが今日のレースということだろう。今日のステージまでチーム全体で集団先頭に出なかったのは、今日から厳しいステージが始まると分かっていたからだ。金曜のバルコン・デ・アリカンテと日曜のベレフィケもタフかつ重要なステージになるだろう。チャンスを掴む自信はあるし、ライバルたちからアドバンテージを掴まなければならない。なぜならログリッチはとても強く、最後はサンティアゴで彼の得意な個人タイムトライアルが待っているのだからね。

ステージ6位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、バイクエクスチェンジ)

残り2kmからの登りに集団後方で入ってしまったため、ポジションを上げため力を使わなければならなかった。だが集団先頭を捉えると、総合を争う選手たちがお互いの様子を見合っていたので、自分にもチャンスがあると思った。ただ先頭についていくこともできたが、勝たなければ意味がないと思い一か八か仕掛けたんだ。

ステージ7位&総合5位&ヤングライダー賞 エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)

レース開始直後からフルガスで、風が強くナーバスなステージだった。目の前にチャンスがあれば掴みにいかなくてはならない。グランツールは山岳とタイムトライアルだけで勝負が決まるわけではなく、今日のようなステージでも負けてしまうこともあるのだからね。良い位置で登り始めたかったので、ジョン(ナルバエス)が速いスピードで突っ込んでいった。この結果には満足だよ。

ステージ8位&総合4位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)

総合2〜4位を独占するモビスターのアレハンドロ・バルベルデ(スペイン)総合2〜4位を独占するモビスターのアレハンドロ・バルベルデ(スペイン) (c) MovistarTeam
(前日の)落車の影響で首に痛みがあったため、レース序盤から集団牽引させず様子を見たんだ。風は強く危険だったが、フィニッシュ手前の登りまでチームメイトが集団を完璧なペースでコントロールしてくれた。勝利こそできなかったものの、チームとして良い走りができた。また僕を含め先頭集団に3人残ることができた。明日も厳しいステージになるが、今日も風の影響で十分タフなレースだった。

ステージ9位&総合3位 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、モビスター)

今日は終始ペースが速く、最後はストレスフルな展開となった。そんな中でも僕たちは良い走りができ、それほどタイムも失わなかった。ログリッチの飛び出しに驚きはなく、彼の強さと走りの質を知っているので当然の結果だと思う。第1週目の前半を大きな問題もなくこなせているが、徐々にステージは難易度を増していき、明日は山岳フィニッシュが待っている。

マイヨロホを失ったケニー・エリッソンド(フランス、トレック・セガフレード)

マイヨロホのケニー・エリッソンド(フランス、トレック・セガフレード)マイヨロホのケニー・エリッソンド(フランス、トレック・セガフレード) photo:Unipublic
今日のステージをめいいっぱい楽しんで走ることができた。今日着用したマイヨロホをどうするかはまだ決めていない。それにまだ洗濯すらしていないんだ。これは僕のプロ生活のハイライトとなる出来事で、子どもに伝えるべき話の1つになったよ。「お父さんはそんなに弱い選手じゃなかったんだよ」ってね。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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