インカレのトラック競技の最終日となる3日目は、男女あわせて6種目の決勝が行われた。マディソンでは、男子は中央大学、女子は法政大学が優勝。男子1kmタイムトライアルでは中央大学の市田龍生都が優勝して今大会3冠を達成した。スプリントでは、男子は梶原海斗(中央大学)、女子は松井優佳(同志社大学)、タンデムスプリントは中央大学が優勝した。大学対抗の総合成績は、男子は中央大学、女子は法政大学がトラック競技の首位となった。



インカレ最終日、朝からふり続けていた雨は徐々に弱くなり、正午頃にはほぼやんだ。午後には走路が半乾きまで回復する中で競技が行われた。

男子1kmタイムトライアル 市田龍生都が優勝してインカレ3冠達成

男子1kmTT 優勝 市田龍生都(中央大学)1分01秒503男子1kmTT 優勝 市田龍生都(中央大学)1分01秒503 photo:Satoru Kato
男子1kmTT 2位 伊藤京介(日本大学)1分03秒601男子1kmTT 2位 伊藤京介(日本大学)1分03秒601 photo:Satoru Kato男子1kmTT 3位 中原航大(法政大学)1分03秒866男子1kmTT 3位 中原航大(法政大学)1分03秒866 photo:Satoru Kato

男子1kmタイムトライアル 表彰式男子1kmタイムトライアル 表彰式 photo:Satoru Kato男子の1kmタイムトライアルは21名が出走。最終組で走った市田龍生都(中央大学)が、1分1秒503で優勝。同組で走った2位の伊藤京介(日本大学)に2秒差をつけて圧倒した。2019年インカレで、同じ中央大学の先輩にあたる山根将太が出した1分1秒390の学連記録に迫るタイムを、雨の走路で出したことは驚異的と言えよう。市田はチームスプリント、ケイリンとあわせて今大会3冠を達成した。

1kmタイムトライアル優勝 市田龍生都コメント
雨の中という悪条件の中、自己新記録を出せたことが嬉しいです。晴れていれば59秒台を出せる自信はあったんですけどね。インカレ3冠は最高の結果で、僕が3冠を取れば中央大学の総合優勝にも近づけるという自信もあったので、無事目標を達成出来て良かったです。来年のインカレも3冠を取って、59秒台を出したいです。
男子1kmタイムトライアル 結果
1位 市田龍生都(中央大学) 1分01秒503
2位 伊藤京介(日本大学) 1分03秒601
3位 中原航大(法政大学) 1分03秒866
4位 荒川達郎(日本体育大学) 1分04秒080
5位 小堀敢太(京都産業大学) 1分04秒444
6位 福田健太(中央大学) 1分04秒511


マディソン男子 終始リードした中央大が優勝 京産大が大逆転の2位

男子マディソン 終始リードして優勝を決めた中央大学(中村、山本)男子マディソン 終始リードして優勝を決めた中央大学(中村、山本) photo:Satoru Kato
2人が交代しながら走り、獲得したポイントの合計を争うマディソン。男子は90周30kmで行われた。

前半は中央大学と鹿屋体育大学が1位を争う展開。後半に入ると京都産業大学、早稲田大学、日本体育大学がポイントを加算して中央大学を追う。中央大学28点、日本体育大学24点、早稲田大学18点、京都産業大学17点となって、得点が倍となるフィニッシュへ。

男子マディソン フィニッシュで4位から大逆転の2位となった京都産業大学(中村、矢萩)男子マディソン フィニッシュで4位から大逆転の2位となった京都産業大学(中村、矢萩) photo:Satoru Kato男子マディソン 3位 早稲田大学(河野、細田)男子マディソン 3位 早稲田大学(河野、細田) photo:Satoru Kato

京都産業大学が1位フィニッシュして10点を加算、2位早稲田大学が6点、3位中央大学が4点を獲得。この結果、中央大学が計32点として逃げ切り優勝。京都産業大学が、早稲田、日体大を抜いて大逆転の2位となった。

男子マディソン 表彰式男子マディソン 表彰式 photo:Satoru Kato男子マディソン 序盤に落車しながらも復帰して完走した日本大学男子マディソン 序盤に落車しながらも復帰して完走した日本大学 photo:Satoru Kato

序盤に総合優勝争いをする日本大学が落車して遅れてしまった。これが今大会唯一の落車となったが、幸いにもレース復帰して5位完走。1周遅れの-20点が無ければ中央大学を上回るポイントが惜しまれる。



女子マディソン 鹿屋体育大学降格により法政大学が優勝

女子マディソン優勝 法政大学(鈴木、太郎田)女子マディソン優勝 法政大学(鈴木、太郎田) photo:Satoru Kato女子マディソン 鹿屋体育大学のハンドスリング女子マディソン 鹿屋体育大学のハンドスリング photo:Satoru Kato

60周20kmで行われた女子のマディソン。鹿屋体育大学が10回あるポイント周回のうち5回を1位通過してリードを広げ、2位法政大学との差を6点まで広げる。

女子マディソン 表彰式女子マディソン 表彰式 photo:Satoru Kato最終周回、フィニッシュに向けてのスプリントが始まる中、鹿屋体育大学は交代を試みる。しかし交代せずに先頭でフィニッシュ。2位に法政大学が続いた。その際、交代に入ろうとした鹿屋体育大学の選手が、後方からスプリントに入っていた法政大学の前に入ったことが危険走行と判断され、フィニッシュは法政大学が1位、鹿屋体育大学が3位降格処分となった。

この結果、法政大学と鹿屋体育大学が同点となり、フィニッシュ着順で法政大学が優勝。太郎田水桜は3km個人パーシュート、オムニアムとあわせて3冠を達成した。
男子マディソン(30km) 結果
1位 中央大学(中村、山本) 32p
2位 京都産業大学(中村、矢萩) 27p
3位 早稲田大学(河野、細田) 24p
4位 日本体育大学(平安山、西澤) 24p
5位 日本大学(佐藤健、高橋) 14p
6位 明星大学(松井、高田) 7p
女子マディソン(20km) 結果
1位 法政大学(鈴木、太郎田) 39p
2位 鹿屋体育大学(石上、成海) 39p
3位 順天堂大学(阿部、牧田) 32p
スプリント 男子は梶原海斗、女子は松井優佳が優勝 タンデムは中央大

スプリントは初日の200mフライングタイムトライアルの予選を経て勝ち上がった2名による決勝が行われた。

男子スプリント決勝 外から伊藤京介(日本大学)をまくりに行く梶原海斗(中央大学)男子スプリント決勝 外から伊藤京介(日本大学)をまくりに行く梶原海斗(中央大学) photo:Satoru Kato
男子は中央大学の梶原海斗と、日本大学の伊藤京介の対戦となり、強烈なまくりを見せた梶原海斗が2本連取で優勝。梶原はチームスプリントとあわせて2冠を達成した。

女子スプリント決勝 松井優佳(同志社大学)が2本連取で優勝女子スプリント決勝 松井優佳(同志社大学)が2本連取で優勝 photo:Satoru Kato
女子は同志社大学の松井優佳が、法政大学の阿部セラを下して優勝。前日の500mタイムトライアルとあわせて今大会2冠を達成した。

男子スプリント 表彰式男子スプリント 表彰式 photo:Satoru Kato女子スプリント 表彰式女子スプリント 表彰式 photo:Satoru Kato

男子スプリント優勝  梶原海斗コメント
決勝で対戦した日大の伊藤君は1年生なのに強かったですね。予選から通して自分の戦い方が出来たと思います。最後は先行したかったのですが先に行かれてしまい、落ち着いてまくりに構えて勝てたので良かったです。今後は競輪学校を受験し、競輪選手を目指します。

女子スプリント優勝 松井優佳コメント
スプリントは個人戦の時の嫌なイメージがあって苦手意識を持っていましたが、思っていたより今回は走れたなと感じました。決勝で対戦した阿部セラ選手が先行して勝つのが上手ということは知っていたので、それをまくりに行く技術はないので自分が先行すれば脚では負けないという自信がありました。

今後は競輪学校を受験しますが、先行逃げ切りが出来るようになることを目標に、どんな戦い方でも勝てる選手になりたいと思っています。

男子タンデムスプリント決勝 4コーナーで先行する朝日大学 この後、中央大学がまくり切る男子タンデムスプリント決勝 4コーナーで先行する朝日大学 この後、中央大学がまくり切る photo:Satoru Kato
タンデムスプリントは、中央大学と朝日大学の対戦。1本目は中央大学が先着したものの、走行違反を取られて降格となった。しかし2本目、3本目を連取して優勝。3本目では早いタイミングでしかけた朝日大学に大きく先行されたが、最終コーナーからホームストレートでまくり切る強さを見せて勝負を決めた。
スプリント 結果
男子 女子
1位 梶原海斗(中央大学) 松井優佳(同志社大学)
2位 伊藤京介(日本大学) 阿部セラ(法政大学)
3位 黒瀬浩太郎(鹿屋体育大学) 中西美央(鹿屋体育大学)
4位 山根慶太(鹿屋体育大学) 小原乃亜(八戸学院大学)
5位 川上隆義(日本大学) 野寺 梓(法政大学)
6位 橋谷成海(日本体育大学) 松下彩也香(八戸学院大学)
男子タンデムスプリント 結果
1位 中央大学(青木、保田)
2位 朝日大学(山元、吉野)
3位 鹿屋体育大学(田仲、成海)
4位 日本大学(角、逸見)
5位 法政大学(小西、平川)
6位 日本体育大学(服部、清水)



総合成績 男子は中央大学、女子は法政大学が首位

男子トラック総合成績 表彰式男子トラック総合成績 表彰式 photo:Satoru Kato女子トラック総合成績 表彰式女子トラック総合成績 表彰式 photo:Satoru Kato

トラック競技を終えての大学対抗総合成績は、男子は中央大学、女子は法政大学が首位となった。

中央大学は7種目で優勝。短距離、中距離と満遍なく上位成績を収め、2019年に続く連覇の期待が高まった。中央大学の高島監督は、

「選手それぞれ実力通りの力を出してくれた結果だと思います。僕は特に指導してるわけではありませんが、選手達が届きそうで届かないような目標設定を明確にしてあげることで、それに向けてみんなが奮闘するという仕組みがうまく流れているなと感じています。

今大会では不安のあった種目もあって、1点でも取れれば良い思っていたところもありましたが、フタを開けてみたら予想以上の結果を出してくれました。僕の中ではインカレは五輪を超える存在だと口を酸っぱくして伝えていたことに選手が同調してくれて、ここに向けて努力してきた結果が不安をも凌駕するのかなと感じました。

最後のインカレ・トラック競技に参加した4回生最後のインカレ・トラック競技に参加した4回生 photo:Satoru Kato日本大学とは17点差がありますが、ロードの選手層の厚さを考えたら大きな差とは言えません。1週間後のロードに向けて気を抜くことなく、頑張るんだぞと選手達には伝えます」と、語った。

一方、女子は首位の法政大学と2位の鹿屋体育大学の差はわずか6点。ロードレースの結果が総合優勝を決めることになりそうだ。

インカレのロードレースは群馬サイクルスポーツセンターにて、女子が8月21日、男子が22日に開催される。


トラック総合成績
男子 女子
1位 中央大学 93点 法政大学 41点
2位 日本大学 76点 鹿屋体育大学 35点
3位 朝日大学 46点 同志社大学 14点

text&photo:Satoru Kato

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