30.8kmの平坦コースで行われたツール・ド・フランス第20ステージ個人タイムトライアルでワウト・ファンアールト(ユンボ・ヴィスマ)がステージ2勝目。ステージ3位に入った総合2位ヴィンゲゴーが25秒挽回したものの、タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)が2年連続総合優勝を実質的に決めた。



地元産のワインを片手に観戦する地元産のワインを片手に観戦する photo:Kei Tsuji
7月17日(土)第20ステージ
リブルヌ〜サン=テミリオン
距離:30.8km(個人TT)
獲得標高差:250m
天候:晴れ
気温:29度

第108回ツールのマイヨジョーヌの持ち主を決める30.8kmの「時間との戦い」がボルドーワインの産地を舞台に繰り広げられた。前日のフィニッシュ地点リブルヌに置かれたスタート台から、TTバイクに乗った選手たちが大きな起伏のない平野に向かってスタート。全体的にコーナーが散りばめられているものの、ひたすら高強度で踏み続ける直線区間も長い。熱心なワイン好きでなくても聞いたことがあるようなシャトーやモンターニュを巡り、最後はサン=テミリオンに向かって緩斜面を駆け上がってフィニッシュを迎える。

7月17日(土)第20ステージ リブルヌ〜サン=テミリオン 30.8km(個人TT)7月17日(土)第20ステージ リブルヌ〜サン=テミリオン 30.8km(個人TT) image:A.S.O.7月17日(土)第20ステージ リブルヌ〜サン=テミリオン 30.8km(個人TT)7月17日(土)第20ステージ リブルヌ〜サン=テミリオン 30.8km(個人TT) image:A.S.O.

延々と葡萄畑が広がるコース延々と葡萄畑が広がるコース photo:Kei Tsuji


ファンアールトがアスグリーンとキュングを下す

序盤スタートのシュテファン・ビッセガー(スイス、EFエデュケーション・NIPPO)が1時間強にわたってホットシートに座り続けたものの、ちょうど中盤スタートのカスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ)が暫定トップに。ヨーロッパチャンピオンジャージを着るシュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)は前半からトップタイムを連発したものの、向かい風吹く終盤に失速してアスグリーンに6秒届かなかった。

とにかく赤白デザインの国旗(スイスとデンマーク)が上位に並ぶ個人タイムトライアル。ここに割って入ったのがワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)だった。ファンアールトは第1計測(7.6km地点)でキュングのタイムを2.5秒更新すると、第2計測(20.1km地点)でそのリードを24.7秒に。最後までペースを落とすどころか終盤にかけてむしろペースアップしたファンアールトが、アスグリーンの暫定トップタイムを21.2秒更新した。

ステージ5位に入ったシュテファン・ビッセガー(スイス、EFエデュケーション・NIPPO)ステージ5位に入ったシュテファン・ビッセガー(スイス、EFエデュケーション・NIPPO) photo:Kei Tsuji
21秒及ばずステージ2位のカスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ)21秒及ばずステージ2位のカスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ) photo:Kei Tsuji
ヨーロッパチャンピオンのシュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)はステージ4位ヨーロッパチャンピオンのシュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)はステージ4位 photo:Kei Tsuji
35分53秒のトップタイムで優勝したワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)35分53秒のトップタイムで優勝したワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) photo:Kei Tsuji
「ツールの個人TTで優勝することはキャリアにおける大きな目標の一つだった。ここ数日間は今日のために集中していた」と、30.8kmコースを平均スピード51.5km/hで駆け抜け、ステージ優勝を飾ったファンアールトは語る。これが自身通算ステージ5勝目で、今大会は超級山岳モンヴァントゥーを越えた第11ステージに続く勝利。集団スプリントでも山岳ステージでも、そして個人タイムトライアルで優勝を狙うことのできるオールラウンドぶりを見せつけた。

「パンチ力が必要だった第5ステージよりも高速で、体重のある自分向きのコースだった。総合上位の選手たちの中間計測タイムを見てようやくリラックスすることができた。チームにとって苦しいツールだったけど、ステージ3勝とヨナス(ヴィンゲゴー)の総合2位を果たしたチームを誇りに思う」。ファンアールトはツール閉幕後すぐに日本に移動。7月24日の東京五輪ロードレースと7月28日の個人タイムトライアルへの出場を予定している。


ヴィンゲゴーが好走するも、ポガチャルの優位は揺るがず

1年前の第20ステージ個人タイムトライアルで他を圧倒してステージ優勝し、逆転総合優勝を果たしたタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)は比較的スローな出だし。一方で、総合2位ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)が序盤からかっ飛ばした。

第1計測(7.6km地点)でポガチャルに5秒差をつけて全体の3位のタイムで駆け抜けたヴィンゲゴーは、第2計測(20.1km地点)でその差を17秒にまで拡大する(全体の2位)。フィニッシュまで全開で追い込んだヴィンゲゴーはチームメイトのファンアールトから32秒遅れのステージ3位に滑り込んだ。

「暑くて苦しんだけど、走りを楽しむことができたし、全力を出し尽くした」と語る最終走者ポガチャルはヴィンゲゴーにタイム差を挽回されながらも、大きなミスを犯すことなく、ステージ8位のタイムでガッツポーズとともにフィニッシュ。総合2位ヴィンゲゴーと5分20秒差、総合3位リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)と7分03秒差でパリに向かうことになった。この日の走りを受けて、最終的な総合トップ10の順位は変わっていない。

ステージ23位のリチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)ステージ23位のリチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ) photo:Kei Tsuji
ステージ3位に入ったヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)ステージ3位に入ったヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ) photo:Kei Tsuji
安定感のある走りでステージ8位に入ったタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)安定感のある走りでステージ8位に入ったタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) photo:Kei Tsuji
フィニッシュに向かって追い込むヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)フィニッシュに向かって追い込むヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ) photo:Kei Tsuji
総合優勝に向かって追い込むタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)総合優勝に向かって追い込むタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) photo:Kei Tsuji
ツール初出場の24歳ヴィンゲゴーとの戦いを制し、大会2連覇を実質的に決めた22歳ポガチャルは「昨年と今年の勝利は違う。今年は早い段階でマイヨジョーヌを獲得したので、しっかりと気持ちの準備ができていた。今日も素晴らしいパフォーマンスだったと思う。今はただこの瞬間を喜びたい」とコメント。2年連続で3賞ジャージを獲得した(獲得することになる)ポガチャルはマイヨジョーヌを着て翌日のパリステージを走る。

ガッツポーズでフィニッシュするタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)ガッツポーズでフィニッシュするタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) photo:Bettiniphoto
ステージ40位に沈んだリゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーション・NIPPO)ステージ40位に沈んだリゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーション・NIPPO) photo:Kei Tsujiステージ42位のペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)ステージ42位のペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) photo:Kei Tsuji

ステージ16位に入ったアレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ・プレミアテック)ステージ16位に入ったアレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ・プレミアテック) photo:Kei Tsujiエンリク・マス(スペイン、モビスター)はステージ27位エンリク・マス(スペイン、モビスター)はステージ27位 photo:Kei Tsuji

ステージ26位のウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ)ステージ26位のウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ) photo:Kei Tsujiステージ31位のベン・オコーナー(オーストラリア、アージェードゥーゼール・シトロエン)ステージ31位のベン・オコーナー(オーストラリア、アージェードゥーゼール・シトロエン) photo:Kei Tsuji

今大会ステージ2勝目を飾ったワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)今大会ステージ2勝目を飾ったワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) photo:Bettiniphoto
実質的に総合優勝を決めたタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)実質的に総合優勝を決めたタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) photo:Bettiniphoto
ツール・ド・フランス2021第20ステージ結果
1位ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)0:35:53
2位カスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ)0:00:21
3位ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)0:00:32
4位シュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)0:00:38
5位シュテファン・ビッセガー(スイス、EFエデュケーション・NIPPO)0:00:44
6位マティア・カッタネオ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)0:00:49
7位ミッケル・ビョーグ(デンマーク、UAEチームエミレーツ)0:00:52
8位タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)0:00:57
9位マグナス・コルトニールセン(デンマーク、EFエデュケーション・NIPPO)0:01:00
10位ディラン・ファンバーレ(オランダ、イネオス・グレナディアーズ)0:01:21
16位アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ・プレミアテック)0:01:58
23位リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)0:02:09
26位ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ)0:02:20
27位エンリク・マス(スペイン、モビスター)0:02:29
31位ベン・オコーナー(オーストラリア、アージェードゥーゼール・シトロエン)0:02:41
40位リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーション・NIPPO)0:03:06
42位ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)0:03:13
53位ギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス)0:03:44
マイヨジョーヌ(個人総合成績)
1位タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)80:16:59
2位ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)0:05:20
3位リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)0:07:03
4位ベン・オコーナー(オーストラリア、アージェードゥーゼール・シトロエン)0:10:02
5位ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ)0:10:13
6位エンリク・マス(スペイン、モビスター)0:11:43
7位アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ・プレミアテック)0:12:23
8位ギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス)0:15:33
9位ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)0:16:04
10位リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーション・NIPPO)0:18:34
マイヨヴェール(ポイント賞)
1位マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ドゥクーニンク・クイックステップ)304pts
2位マイケル・マシューズ(オーストラリア、バイクエクスチェンジ)269pts
3位ソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)216pts
マイヨアポワ(山岳賞)
1位タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)107pts
2位ワウト・プールス(オランダ、バーレーン・ヴィクトリアス)88pts
3位ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)82pts
マイヨブラン(ヤングライダー賞)
1位タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)80:16:59
2位ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)0:05:20
3位ダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ)0:21:21
チーム総合成績
1位バーレーン・ヴィクトリアス241:17:56
2位EFエデュケーション・NIPPO0:19:12
3位ユンボ・ヴィスマ1:11:35
text:Kei Tsuji in Libourne, France
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