Jプロツアー第10戦の「石川クリテリウム 」が福島県石川町で開催され、集団スプリントに持ち込まれた勝負を吉田隼人が制して優勝。2位にホセ・ビセンテ・トリビオが入り、マトリックスパワータグがワン・ツーフィニッシュを達成した。



梅雨の合間に広がった青空の下で行われた石川クリテリウム 梅雨の合間に広がった青空の下で行われた石川クリテリウム photo:Satoru Kato
Jプロツアー第10戦は、先週の「西日本ロードクラシック」の開催地・広島から東へおよそ1000km移動し、今年初開催となる福島県石川町でのクリテリウムが開催された。

石川町では「石川サイクルロードレース」が開催されてきたが、他大会同様にクリテリウムとあわせての2日間開催が検討されていた。本来であれば昨年開催される予定だったが、コロナ禍により中止となったため今年初めての開催となった。

コース沿いに咲く紫陽花コース沿いに咲く紫陽花 photo:Satoru Kato川沿いのコースは橋を2回渡る川沿いのコースは橋を2回渡る photo:Satoru Kato

コースは、石川町の文教福祉複合施設「モトガッコ」をメイン会場に、川沿いの公道に設定された1周1.8km。長方形のコース両端を川を渡る橋で繋いだようなレイアウトだが、途中にあるコース幅の狭いクランクコーナーが集団を自然と長く引き伸ばす。

この日の天気は晴れ。梅雨の合間の青空から夏の太陽が照りつけ、気温は31.6℃を記録。近隣の白河市では今年の最高気温を記録する暑さの中でのレースとなった。

小森亮平を先頭にマトリックスパワータグが序盤から集団コントロール小森亮平を先頭にマトリックスパワータグが序盤から集団コントロール photo:Satoru Kato
18周のレースはスタート直後からのアタック合戦の中、リーダーチームのマトリックスパワータグが集団先頭に陣取ってコントロールを開始。愛三工業レーシングチーム、シマノレーシング、チームブリヂストンサイクリングがその後ろに続く形で序盤は周回を重ねていく。

7周目 単独で飛び出した兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング)7周目 単独で飛び出した兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング) photo:Satoru Kato
レース中盤に差しかかった7周目、兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング)が単独で飛び出す。マトリックスパワータグがコントロールを続ける集団は、いつでも捕まえられる数秒差を維持して追従する。

11周目 今村駿介(チームブリヂストンサイクリング)と入部正太朗(弱虫ペダルサイクリングチーム)が先行する11周目 今村駿介(チームブリヂストンサイクリング)と入部正太朗(弱虫ペダルサイクリングチーム)が先行する photo:Satoru Kato
レース終盤 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)自ら集団を牽引して追走レース終盤 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)自ら集団を牽引して追走 photo:Satoru Kato鈴木譲(愛三工業レーシングチーム)を先頭に最終周回へ鈴木譲(愛三工業レーシングチーム)を先頭に最終周回へ photo:Satoru Kato

9周目に兒島が吸収されると集団は再びアタックが繰り返され、11周目に入部正太朗(弱虫ペダルサイクリングチーム)と今村駿介(チームブリヂストンサイクリング)の2名が先行する。メイン集団との差は10秒前後まで広がるが、レース終盤に入ると愛三工業レーシングチームが集団コントロールに加担し、残り2周で入部と今村を吸収する。集団はひとつとなって最終周回に入り、勝負は最後のスプリントに持ち込まれた。

先頭の吉田隼人(マトリックスパワータグ)の後ろで横山航太(シマノレーシング)とホセ・ビセンテ・トリビオが2位争い先頭の吉田隼人(マトリックスパワータグ)の後ろで横山航太(シマノレーシング)とホセ・ビセンテ・トリビオが2位争い photo:Satoru Kato
吉田隼人(マトリックスパワータグ)が2017年以来の優勝吉田隼人(マトリックスパワータグ)が2017年以来の優勝 photo:Satoru Kato
残り100mの最終コーナーを先頭でクリアしてきたのは吉田隼人(マトリックスパワータグ)そのまま先頭をキープしてフィニッシュラインを超え、片手でガッツポーズを決める。その後ろでは、吉田の番手につけていた横山航太(シマノレーシング)をホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)が差して2位に入り、マトリックスパワータグがワン・ツーフィニッシュを達成した。

表彰式表彰式 photo:Satoru Katoプロリーダージャージはホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ、写真右)、ネクストリーダージャージは山本哲央(チームブリヂストンサイクリング)プロリーダージャージはホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ、写真右)、ネクストリーダージャージは山本哲央(チームブリヂストンサイクリング) photo:Satoru Kato

吉田は2017年の「まえばしクリテリウム 」以来のJプロツアー優勝。2020年にマトリックスパワータグに復帰してから初の優勝となった。マトリックスパワータグは6月の第7戦から3連勝。4連勝のかかる明日の石川サイクルロードレースは、実は相性が良くないが果たして?
Jプロツアー第10戦 石川クリテリウム 結果(32.4km)
1位 吉田隼人(マトリックスパワータグ) 44分52秒
2位 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ) +0秒
3位 横山航太(シマノレーシング)
4位 入部正太朗(弱虫ペダルサイクリングチーム)  
5位 岡本 隼(愛三工業レーシングチーム)
6位 大町健斗(eNShare レーシングチーム)
※タイムは参考値



E1、ジュニア 結果

E1優勝 福田圭晃(Team BFY Racing)E1優勝 福田圭晃(Team BFY Racing) photo:Satoru KatoE1 表彰式E1 表彰式 photo:Satoru Kato

ジュニア優勝 藤本元貴(LINKVISION GIRASOLE CYCLING)ジュニア優勝 藤本元貴(LINKVISION GIRASOLE CYCLING) photo:Satoru Kato ジュニア 表彰式ジュニア 表彰式 photo:Satoru Kato
 
E1 結果(23.4km)
1位 福田圭晃(Team BFY Racing) 34分4秒
2位 高岡亮寛(Roppongi Express) +0秒
3位 雑賀大輔(湾岸サイクリング・ユナイテッド) +0秒
4位 石橋利晃(湾岸サイクリング・ユナイテッド) +1秒
5位 池川辰哉(VC VELOCE) +1秒
6位 沢野 大地(作新学院大学) +1秒
ジュニア 結果(18km)
1位 藤本元貴(LINKVISION GIRASOLE CYCLING) 26分56秒
2位 岩田聖矢(Avenir Yamanashi Yamanakako) +0秒
3位 菅野蒼羅(学法石川高校 ※オープン参加) +0秒
4位 渡部 仁(学法石川高校 ※オープン参加) +2秒
5位 林 伶音(横浜高校自転車競技部) +4秒
6位 鈴木紳之助(佼成学園高等学校 ※オープン参加) +5秒
text&photo:Satoru Kato