2021/07/03(土) - 17:07
最長ステージでマイヨジョーヌが逃げるという驚きの展開に。マチューとワウトが仕掛けるゲームのようなレース。そしてログリッチは遅れ、マイヨジョーヌへの夢が絶たれた。7日目にしてツールは早くも大きな分岐点を迎えた。
最長ステージの朝は早い。スタートは11時と、短いステージだった昨日より3時間も早めの設定。前週の寒さは何処へ? 午前中から気温はぐんぐん上がり、本格的な夏日の到来となった。
ドゥクーニンク・クイックステップのチームバスエリアにはジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ)の妻マリオン・ルッスさんが訪問しており、小さな盛り上がり。アラフィリップは用意を済ませるとしばらくぶりの会話を楽しみ、キッスを交わしてスタートサインへと向かった。今日もアラフィリップ向けのステージ。
最長ステージだと言うのに各エース級の選手たちは山岳仕様のバイクを用意していた。プリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ)は発表前のサーヴェロR5を選択。第1ステージの大規模落車で観客の持つOPI・OMIの看板にひっかかって最初に転んだトニー・マルティンはまだ身体に不調を抱えているのか、痛みを和らげるポジションを探して試行錯誤していた。
バスから出てきたログリッチの身体からは絆創膏や包帯はほぼ無くなっているが、身体のあちこちが傷つき、表情も冴えない。しかしファンへの声がけも積極的にこなし、スタートへと向かった。
最長ステージかつ獲得標高差3,000m以上。合計5つのカテゴリーの山岳と起伏は後半100kmに詰め込まれ、勝負どころの終盤まではクルージングになると誰もが思っていたが、スタート直後からのアタックで果敢な攻撃が続いた。そしてマイヨジョーヌがマイヨジョーヌを守るために逃げに加わった。
マチュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス)にとっては一日でも長く着たいマイヨジョーヌ。そのためには総合勢の戦いが始まる前にアタックあるのみ、と。マイヨジョーヌを着れば防御に回るという定説をひっくり返し、マイヨジョーヌが逃げるという破天荒な展開を作り出した。レース後にマチュー自身が言ったように「こんなレースは見たことがない」。
対して総合2位につけるタディ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)にとっては、3週間の後半に備えるためにもマイヨジョーヌを着るのは少しでも先送りして、自分の力とチーム力を温存しておきたい。今着ているのは白いマイヨブランのほうが都合がいい。そうした見方もあってUAEエミレーツがマチューのマークを甘くするのは予想できたことだった。
しかし逃げたメンバーが強力すぎて、しかも29名という大人数。しかも総合3位ワウト・ファンアールト(ユンボ・ヴィスマ)まで入るとなるとUAEにとっても話は別。ワウトは大きなタイム差を許して逃して良い相手ではないし、マチューもこの先何をしでかすか想像がつかない怪物。そして中間ポイントを取りたいマイヨヴェールのマーク・カヴェンディッシュ(ドゥクーニンク・クイックステップ)も逃げに乗り込んだ。
人数が多すぎて強力すぎて、UAEチームエミレーツにとっては試される一日となった。ブランドン・マクナルティ(アメリカ)は第5ステージの個人TTの落車で身体を痛めているし、マルク・ヒルシ(スイス)も第1ステージの落車で脱臼し、傷ついている。
個人TTで圧勝したポガチャルの弱点は見つけられないが、唯一挙げるとすれば、チーム力が弱いこと。強いて言えば、そこに付け込むしかないだろうという話はよくされている。そんな全チームの思惑が偶然にも揃ったかのような逃げが形成された。
マチューとワウトの「シクロクロスの宿敵」は、逃げ集団に居ながら楽しそうに話すシーンも。このライバル2人が揃うととんでもないことが実現してしまう。マイヨジョーヌにベルギーチャンピオンジャージ、マイヨヴェール、そしてグランツール優勝経験者ヴィンチェンツォ・ニバリ、ロンド・ファン・フラーンデレン優勝者カスパー・アスグリーン、ステージ優勝経験者セーアン・クラーウアナスン、レジェンドのフィリップ・ジルベールなどなど、賞歴を書ききれない実力者揃いのメンバーの逃げ。じつに23チーム中18チームのメンバーが乗った。
そんな大グループを追走する役割を負わされたUAEエミレーツには試練の長い一日になった。
この日最大の難所である2級山岳シニアル・デュションで始まったマテイ・モホリッチ(バーレーン・ヴィクトリアス)の独走。道幅が狭く、路上雨のペイントも「ユイの壁」を彷彿とさせる激坂で先頭に立ったモホリッチは、そのまま頂上を通過し、続く4級山岳ラ・グルロワ峠も独走通過して、得意の「スーパータック」ポジションは使わない(使えない)ままフィニッシュまで逃げ切った。
ジロ・デ・イタリアとブエルタ・ア・エスパーニャでもステージ優勝を経験しているモホリッチは、これで3つのグランツールすべてでステージ優勝したことに。しかもそのどれもが最長ステージでの逃げ切り勝利だ。しかし世界最大のレースであるツールの勝利は特別だと話す。
「今日は絶好のチャンスだと思っていた。ずっとこのステージを狙っていたんだ。ジロとブエルタのステージ優勝経験があるけど、この勝利はやっぱり別格。間違いなくキャリア最大の勝利。まだ自分向きのステージがもう一つだけあるので、そこでも勝利を狙いたい。そしてこのジャージ(マイヨアポワ)に敬意を表して、明日からも逃げたい」。
最後の登りでもゲームを楽しむかのように飛び出したマチューとワウト。マチューにとってワウトは普段の宿敵以上に今日マイヨジョーヌを奪う可能性のある「油断ならない男」。
マチューはフィニッシュに向けてスプリントし、貴重な秒差を稼ぐことを狙って貪欲に攻めた。マイヨジョーヌは守りきり、もう一日着ることができる。総合1位マチュー、2位ワウト、3位アスグリーンはそのままロンド・ファン・フラーンデレンの表彰台のような顔ぶれに。
スロベニアのチャンピオンジャージが華麗なフィニッシュを決めた一方、後方ではもうひとりのスロベニア人が苦しんでいた。シニアル・デュションの18%激坂で、総合有力候補のグループからログリッチがずるずると脱落していった。表情が歪み、身体に力が入っていないライディング。その集団から3分48秒遅れる結果で、事実上の総合争いからはフェードアウトした。
昨年の教訓から、ツール前にはレース出場を避けてトレーニングし、無傷でツールに乗り込んだログリッチ。しかしブルターニュでの落車で激しく路面に叩きつけられて痛めた身体は回復していなかった。2日前の第5ステージの個人TTで見せた好走で芽生えた僅かな希望も、アップダウンの繰り返す長いロードの上に完全に消え失せた。
「背中の痛みと尾骨の痛みが酷いんだ。お尻から落ちて背中とあばらを強く打ちつけた。痛くてやっかいだ」と話していたログリッチ。「すべてを路上に置いてきてしまった」。マチューに9分11秒遅れ、ポガチャルに5分28秒遅れ。7日目にして早くもマイヨジョーヌの望みは完全に絶たれた。
ユンボ・ヴィスマのテクニカルディレクター、ゼーマン氏はこの日、自ら運転する補給車両でログリッチのフォローに入っていた。
「ポンティヴィーでの落車は深刻だった。その怪我がプリモシュのエネルギーを奪っていった。奇跡的に個人TTではダメージを最小限に留めたが、こんなにも厳しい250kmレースはトゥーマッチだと分かってしまったね。彼の身体は空っぽで、いつもの調子なんかじゃ全然居られなかったようだ」。
チームはログリッチがこの日遅れることを予め見越していた。「今朝、プリモシュはそれまでの日よりも痛みが酷くなっていると言っていたんだ。落車の日から僕らは回復していくことを願っていたが、残念ながらそれはなかった。チームの誰も彼を待たなかったのはそれでだ」。
ログリッチのマイヨジョーヌへの夢は今年も叶わない。回復を前提に走り続け、アシストに回るのか。それとも東京五輪に備えるのか。
ログリッチ同様に怪我の影響が残るゲラント・トーマスもシニアル・デュションの登りで遅れを見せたが、幸いにもグループへの再合流を果たした。「痛みが残り、良くない状況だが数日かければ回復するだろう」とトーマスは希望をつなぐ。
チームイネオスの単独リーダーになったリチャル・カラパスはアタックを仕掛けてタイム差を稼ぎかけたがフィニッシュ前に有力グループに引き戻された。
一日中仕事を続けたUAEチームエミレーツは力を使い果たしたが、ポガチャルはシニアル・デュションの18%の激坂もまったくブレずに涼しい顔で登った。
タイムを失ったことは失敗と認めるが、そのタイム差には不安は感じていないようだ。フィニッシュ後はスロベニア人同士モホリッチを祝福。クールダウンのスピニングをしながら、インタビューに応えるモホリッチの後ろで変顔をして映り込む余裕ぶりだ。まさに3人のスロベニア人の悲喜こもごも。
ユンボ・ヴィスマにとってはリーダー交代のタイミングだ。ワウトは昨年のツールでクライマーの選手たち同様、それ以上に山岳を登れていたことは明らか。ステージ優勝狙いと東京オリンピックを目標にログリッチのアシストに徹すると話していたが、今のポジションで自身がツール総合優勝にチャレンジしない理由は無い。
そして同じように東京五輪のマウンテンバイクが控えるマチューも、難関山岳での実力は未知数。「今日の走りは2度と無い。総合を狙ってツールに来たわけじゃない。もう一日マイヨジョーヌを守るために戦うが、僕は身体が重いから明日は(グランボルナンで)失うだろうね。」と話すが、果たしてそうだろうか。
text&photo:Makoto.AYANO in FRANCE
最長ステージの朝は早い。スタートは11時と、短いステージだった昨日より3時間も早めの設定。前週の寒さは何処へ? 午前中から気温はぐんぐん上がり、本格的な夏日の到来となった。
ドゥクーニンク・クイックステップのチームバスエリアにはジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ)の妻マリオン・ルッスさんが訪問しており、小さな盛り上がり。アラフィリップは用意を済ませるとしばらくぶりの会話を楽しみ、キッスを交わしてスタートサインへと向かった。今日もアラフィリップ向けのステージ。
最長ステージだと言うのに各エース級の選手たちは山岳仕様のバイクを用意していた。プリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ)は発表前のサーヴェロR5を選択。第1ステージの大規模落車で観客の持つOPI・OMIの看板にひっかかって最初に転んだトニー・マルティンはまだ身体に不調を抱えているのか、痛みを和らげるポジションを探して試行錯誤していた。
バスから出てきたログリッチの身体からは絆創膏や包帯はほぼ無くなっているが、身体のあちこちが傷つき、表情も冴えない。しかしファンへの声がけも積極的にこなし、スタートへと向かった。
最長ステージかつ獲得標高差3,000m以上。合計5つのカテゴリーの山岳と起伏は後半100kmに詰め込まれ、勝負どころの終盤まではクルージングになると誰もが思っていたが、スタート直後からのアタックで果敢な攻撃が続いた。そしてマイヨジョーヌがマイヨジョーヌを守るために逃げに加わった。
マチュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス)にとっては一日でも長く着たいマイヨジョーヌ。そのためには総合勢の戦いが始まる前にアタックあるのみ、と。マイヨジョーヌを着れば防御に回るという定説をひっくり返し、マイヨジョーヌが逃げるという破天荒な展開を作り出した。レース後にマチュー自身が言ったように「こんなレースは見たことがない」。
対して総合2位につけるタディ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)にとっては、3週間の後半に備えるためにもマイヨジョーヌを着るのは少しでも先送りして、自分の力とチーム力を温存しておきたい。今着ているのは白いマイヨブランのほうが都合がいい。そうした見方もあってUAEエミレーツがマチューのマークを甘くするのは予想できたことだった。
しかし逃げたメンバーが強力すぎて、しかも29名という大人数。しかも総合3位ワウト・ファンアールト(ユンボ・ヴィスマ)まで入るとなるとUAEにとっても話は別。ワウトは大きなタイム差を許して逃して良い相手ではないし、マチューもこの先何をしでかすか想像がつかない怪物。そして中間ポイントを取りたいマイヨヴェールのマーク・カヴェンディッシュ(ドゥクーニンク・クイックステップ)も逃げに乗り込んだ。
人数が多すぎて強力すぎて、UAEチームエミレーツにとっては試される一日となった。ブランドン・マクナルティ(アメリカ)は第5ステージの個人TTの落車で身体を痛めているし、マルク・ヒルシ(スイス)も第1ステージの落車で脱臼し、傷ついている。
個人TTで圧勝したポガチャルの弱点は見つけられないが、唯一挙げるとすれば、チーム力が弱いこと。強いて言えば、そこに付け込むしかないだろうという話はよくされている。そんな全チームの思惑が偶然にも揃ったかのような逃げが形成された。
マチューとワウトの「シクロクロスの宿敵」は、逃げ集団に居ながら楽しそうに話すシーンも。このライバル2人が揃うととんでもないことが実現してしまう。マイヨジョーヌにベルギーチャンピオンジャージ、マイヨヴェール、そしてグランツール優勝経験者ヴィンチェンツォ・ニバリ、ロンド・ファン・フラーンデレン優勝者カスパー・アスグリーン、ステージ優勝経験者セーアン・クラーウアナスン、レジェンドのフィリップ・ジルベールなどなど、賞歴を書ききれない実力者揃いのメンバーの逃げ。じつに23チーム中18チームのメンバーが乗った。
そんな大グループを追走する役割を負わされたUAEエミレーツには試練の長い一日になった。
この日最大の難所である2級山岳シニアル・デュションで始まったマテイ・モホリッチ(バーレーン・ヴィクトリアス)の独走。道幅が狭く、路上雨のペイントも「ユイの壁」を彷彿とさせる激坂で先頭に立ったモホリッチは、そのまま頂上を通過し、続く4級山岳ラ・グルロワ峠も独走通過して、得意の「スーパータック」ポジションは使わない(使えない)ままフィニッシュまで逃げ切った。
ジロ・デ・イタリアとブエルタ・ア・エスパーニャでもステージ優勝を経験しているモホリッチは、これで3つのグランツールすべてでステージ優勝したことに。しかもそのどれもが最長ステージでの逃げ切り勝利だ。しかし世界最大のレースであるツールの勝利は特別だと話す。
「今日は絶好のチャンスだと思っていた。ずっとこのステージを狙っていたんだ。ジロとブエルタのステージ優勝経験があるけど、この勝利はやっぱり別格。間違いなくキャリア最大の勝利。まだ自分向きのステージがもう一つだけあるので、そこでも勝利を狙いたい。そしてこのジャージ(マイヨアポワ)に敬意を表して、明日からも逃げたい」。
最後の登りでもゲームを楽しむかのように飛び出したマチューとワウト。マチューにとってワウトは普段の宿敵以上に今日マイヨジョーヌを奪う可能性のある「油断ならない男」。
マチューはフィニッシュに向けてスプリントし、貴重な秒差を稼ぐことを狙って貪欲に攻めた。マイヨジョーヌは守りきり、もう一日着ることができる。総合1位マチュー、2位ワウト、3位アスグリーンはそのままロンド・ファン・フラーンデレンの表彰台のような顔ぶれに。
スロベニアのチャンピオンジャージが華麗なフィニッシュを決めた一方、後方ではもうひとりのスロベニア人が苦しんでいた。シニアル・デュションの18%激坂で、総合有力候補のグループからログリッチがずるずると脱落していった。表情が歪み、身体に力が入っていないライディング。その集団から3分48秒遅れる結果で、事実上の総合争いからはフェードアウトした。
昨年の教訓から、ツール前にはレース出場を避けてトレーニングし、無傷でツールに乗り込んだログリッチ。しかしブルターニュでの落車で激しく路面に叩きつけられて痛めた身体は回復していなかった。2日前の第5ステージの個人TTで見せた好走で芽生えた僅かな希望も、アップダウンの繰り返す長いロードの上に完全に消え失せた。
「背中の痛みと尾骨の痛みが酷いんだ。お尻から落ちて背中とあばらを強く打ちつけた。痛くてやっかいだ」と話していたログリッチ。「すべてを路上に置いてきてしまった」。マチューに9分11秒遅れ、ポガチャルに5分28秒遅れ。7日目にして早くもマイヨジョーヌの望みは完全に絶たれた。
ユンボ・ヴィスマのテクニカルディレクター、ゼーマン氏はこの日、自ら運転する補給車両でログリッチのフォローに入っていた。
「ポンティヴィーでの落車は深刻だった。その怪我がプリモシュのエネルギーを奪っていった。奇跡的に個人TTではダメージを最小限に留めたが、こんなにも厳しい250kmレースはトゥーマッチだと分かってしまったね。彼の身体は空っぽで、いつもの調子なんかじゃ全然居られなかったようだ」。
チームはログリッチがこの日遅れることを予め見越していた。「今朝、プリモシュはそれまでの日よりも痛みが酷くなっていると言っていたんだ。落車の日から僕らは回復していくことを願っていたが、残念ながらそれはなかった。チームの誰も彼を待たなかったのはそれでだ」。
ログリッチのマイヨジョーヌへの夢は今年も叶わない。回復を前提に走り続け、アシストに回るのか。それとも東京五輪に備えるのか。
ログリッチ同様に怪我の影響が残るゲラント・トーマスもシニアル・デュションの登りで遅れを見せたが、幸いにもグループへの再合流を果たした。「痛みが残り、良くない状況だが数日かければ回復するだろう」とトーマスは希望をつなぐ。
チームイネオスの単独リーダーになったリチャル・カラパスはアタックを仕掛けてタイム差を稼ぎかけたがフィニッシュ前に有力グループに引き戻された。
一日中仕事を続けたUAEチームエミレーツは力を使い果たしたが、ポガチャルはシニアル・デュションの18%の激坂もまったくブレずに涼しい顔で登った。
タイムを失ったことは失敗と認めるが、そのタイム差には不安は感じていないようだ。フィニッシュ後はスロベニア人同士モホリッチを祝福。クールダウンのスピニングをしながら、インタビューに応えるモホリッチの後ろで変顔をして映り込む余裕ぶりだ。まさに3人のスロベニア人の悲喜こもごも。
ユンボ・ヴィスマにとってはリーダー交代のタイミングだ。ワウトは昨年のツールでクライマーの選手たち同様、それ以上に山岳を登れていたことは明らか。ステージ優勝狙いと東京オリンピックを目標にログリッチのアシストに徹すると話していたが、今のポジションで自身がツール総合優勝にチャレンジしない理由は無い。
そして同じように東京五輪のマウンテンバイクが控えるマチューも、難関山岳での実力は未知数。「今日の走りは2度と無い。総合を狙ってツールに来たわけじゃない。もう一日マイヨジョーヌを守るために戦うが、僕は身体が重いから明日は(グランボルナンで)失うだろうね。」と話すが、果たしてそうだろうか。
text&photo:Makoto.AYANO in FRANCE
フォトギャラリー
Amazon.co.jp