雨のツール・ド・スイス2日目。終盤のアタック合戦に加わり、マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)と共に逃げたマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)が圧倒的なスプリント力で勝利した。



シュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)たちがスタートライン最前列に並ぶシュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)たちがスタートライン最前列に並ぶ (c)Tour de Suisse
ツール・ド・スイス2021第2ステージ コースプロフィールツール・ド・スイス2021第2ステージ コースプロフィール (c)Tour de Suisseノイウハウゼン・アム・ラインファルからラーヘンまで南下する178kmで争われたツール・ド・スイス第2ステージ。中盤までは平坦基調だが、後半に入ると2級山岳が連続し、最後の山頂はフィニッシュまで6.3km地点。アタッカーや「登れるスプリンター」に有利な展開が予想された。

トム・ボーリ(スイス、コフィディス)、ニコラス・ズコウスキー&マッテオ・ダルシン(共にカナダ、ラリーサイクリング)、クラウディオ・インホフ(スイス、スイスナショナルチーム)というスイス+カナダ連合4人がエスケープし、グルパマFDJがコントロール下に置くメイン集団から5分リードを得る。

後半の山岳区間に入るとステージ優勝を狙うアルペシン・フェニックスやドゥクーニンク・クイックステップが牽引役に加わり、先頭グループも脚力差が現れたことでタイム差は縮小の一途へ。2つめの2級山岳オーバーリッケン山頂でボーリが飛び出し、雨に濡れたその下りでインホフが合流。こうしてスイス人選手2人を、カナダ人選手2人とメイン集団がそれぞれ追いかける形にレース状況は変化した。

ヨーロッパ本土最大の滝、ライン滝を横目にパレードランヨーロッパ本土最大の滝、ライン滝を横目にパレードラン (c)Tour de Suisse
山岳ポイントで競り合うマッテオ・ダルシン(カナダ、ラリーサイクリング)たち山岳ポイントで競り合うマッテオ・ダルシン(カナダ、ラリーサイクリング)たち (c)Tour de Suisse
バイクエクスチェンジが猛烈ペースで集団牽引を行い、逃げグループとの差を詰めながら集団の人数を絞り込む。先頭ではトラック長距離選手のインホフが持ち前のスピードで逃げ続けたものの、チャージをかける集団には敵わない。ラスト10kmを切って始まる平均勾配8%オーバーの3級山岳リッチストラッセでインホフは飲み込まれ、ここからクライマー勢によるアタック合戦が幕開けた。

有力勢が集団先頭付近に集まって後半の山岳区間を走る有力勢が集団先頭付近に集まって後半の山岳区間を走る (c)Tour de Suisse
エディ・ダンバー(アイルランド、イネオス・グレナディアーズ)のアタックによって30名弱のメイン集団が一列棒状となり、続いてアルカンシエルを着るジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)が加速する。

マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)やリチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)、マイケル・ウッズ(カナダ、イスラエル・スタートアップネイション)がアラフィリップに飛びついたその背後で、一定ペースで踏んだマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)やヤコブ・フルサン(デンマーク、アスタナ・プレミアテック)も合流して山頂を通過した。総合首位シュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)は17秒遅れで最後の下りへと入った。

世界屈指のクライマーとパンチャーによる9名の先頭グループは、アタックと吸収を繰り返しながらウェット路面をダウンヒル。勾配が緩んだタイミングでファンデルプールが抜け出し、ここに唯一追いついたシャフマンの2人がアラフィリップたちから数秒リードでフラムルージュを通過する。マンホールの蓋や部分的な石畳が連続し、そしてコーナーの多い市街地コースは逃げる二人に味方した。

残り400mを切ってワウト・プールス(オランダ、バーレーン・ヴィクトリアス)が若干ペースダウンした二人に追いついたものの、フィニッシュラインを目掛けてファンデルプールが踏み込むと二人に為す術は無し。爆発的な加速でリードを築いたオランダチャンピオンが勝利した。

シャフマンを下したマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)シャフマンを下したマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス) (c)Tour de Suisse
ステージ優勝:マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)ステージ優勝:マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス) (c)Tour de Suisse
1秒差で首位を守ったシュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)1秒差で首位を守ったシュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ) (c)Tour de Suisse
「特に終盤は雨が降ったりとめちゃくちゃ面白いステージだった。僕にぴったりのクラシックレースのようなコースレイアウト。チームは素晴らしい走りをしてくれて、僕が言った通りキツい展開に持ち込んでくれた。仕事を成し遂げられて本当に嬉しい」と、フランドルクラシック終了後、MTBワールドカップ転戦を経てロード復帰戦で勝利したファンデルプールは話している。

リーダージャージを着るキュングは22秒遅れの追走グループ内でフィニッシュしたため、アラフィリップから僅か1秒差でリーダージャージをキープ。翌日はよりアップダウン激しい丘陵ステージとなるため、リーダージャージが誰の手に渡るかに注目が集まる。

ツール・ド・スイス2021第2ステージ結果
1位 マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス) 4:12:30
2位 マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) 0:01
3位 ワウト・プールス(オランダ、バーレーン・ヴィクトリアス) 0:04
4位 イバン・ガルシア(スペイン、モビスター)
5位 マルク・ヒルシ(スイス、UAEチームエミレーツ)
6位 リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)
7位 マイケル・ウッズ(カナダ、イスラエル・スタートアップネイション)
8位 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)
9位 ヤコブ・フルサン(デンマーク、アスタナ・プレミアテック)
10位 アンドレアス・クロン(デンマーク、ロット・スーダル) 0:09
個人総合成績
1位 シュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ) 4:24:52
2位 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) 0:01
3位 マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) 0:02
4位 マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス) 0:06
5位 イバン・ガルシア(スペイン、モビスター) 0:12
6位 マティア・カッタネオ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)
7位 リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ) 0:13
8位 ニールソン・ポーレス(アメリカ、EFエデュケーション・NIPPO) 0:25
9位 ジーノ・マーダー(スイス、バーレーン・ヴィクトリアス) 0:30
10位 アンドレアス・クロン(デンマーク、ロット・スーダル) 0:33
その他の特別賞
ポイント賞 シュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)
山岳賞 トム・ボーリ(スイス、コフィディス)
ヤングライダー賞 ニールソン・ポーレス(アメリカ、EFエデュケーション・NIPPO)
チーム総合成績 ドゥクーニンク・クイックステップ
text:So Isobe
photo:CorVos

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