デルコに籍を置く岡篤志が、禁止物質(アセタゾラミド)の使用違反が疑われる分析報告(AAF)により、UCI(国際自転車競技連合)から4ヶ月の出場停止処分を受けていることが分かった。
記事に本人発表のコメントを追加


増田成幸と話す岡篤志(2020年ツール・ド・台湾にて)増田成幸と話す岡篤志(2020年ツール・ド・台湾にて) photo:Satoru Kato
UCI(国際自転車競技連合)が公開しているライセンス保有者に対するアンチドーピング規則違反のリストによれば、岡は2020年12月13日に行われた検査においてアセタゾラミド陽性に。これにより1月25日から5月24日まで、4ヶ月間の出場停止処分が下されている。

アセタゾラミドは主に高山病に対して使われる市販薬で、利尿剤や隠蔽剤(尿量を増加させ薬物濃度を下げる)に該当するものとして世界反ドーピング機関(WADA)の禁止薬物リストに分類されている。過去にはアセタゾラミドが含まれた胃薬や目薬を使用したことによる陽性例もある。

チームや本人は一切コメントしていないが、4ヶ月という短期間処分は異議申し立てが認められたものと思われる。岡はレースへの不出場やチーム拠点からの強制退去、給与未払いなどチームから不当な扱いを受けたとしてUCIに陳状を出していたが、ネオプロに対する2年契約縛りによって未だ石上優大と共にデルコに所属。今年は未だレースに出場していない。

岡篤志のコメント本人ブログで発表)4月29日20:00

昨年12月13日に行われた抜き打ちドーピング検査で、禁止薬物に指定されている「アセタゾラミド」が検出され、4ヶ月間の資格停止処分となりました。今回の件で、関係者の皆様には多大なご迷惑をおかけしたこと、心からお詫び申し上げます。

陽性の通知を受けたのは1月22日で、アセタゾラミドは利尿剤に該当し、他禁止薬物を隠蔽するために使われる恐れがあるという理由から禁止されていると記されていました。もちろん、私にそのような意図はありませんでしたが、どのようにしてその薬物が身体に入ったのか証明しなければなりませんでした。

私は普段、サプリメントや薬などを摂取していませんでしたが、検査の4日前にあたる12月9日に、眼科手術(ICL手術)を行っていました。そこで、眼科手術を行った医療機関に問い合わせたところ、手術の際に処方された薬の中にDIAMOX錠というものがあり、そこにアセタゾラミドが含まれていたことが分かりました。

医師からは、治療に必要なものであったことを説明され、TUE申請(医療申請)ができるかどうかアンチドーピング機関の先生に問い合わせましたが、命に関わるような治療ではないとして、申請は通らないと言われてしまいました。故意に使用した場合4年間、そうでない場合も最大で2年間の資格停止になると告げられました。

1月25日に、暫定的な資格停止処分を受け入れ、クリニックからの正式な診断書や、薬のリスト、状況説明書類をUCIに提出し、裁定を待つ形になりました。

判決が出たのは4月23日。

結果的に、故意ではなかったこと、治療に使われたことが認められ、処分を受け入れた1月25日から数えて4ヶ月間、「2021年5月24日までの資格停止」という判決になりました。

これまで、摂取する薬は必ずチームドクターに確認してから使用するようにしてきましたが、今回の手術の際、専門家へ確認しないまま手術に踏み切ってしまったことは私の落ち度であり、事前に防ぐことができたことだったと深く反省しております。

一般的には治療のために服用が推奨されている薬であっても、アスリートとして、アンチドーピングのために、摂取する薬の確認をすることは義務であり、今後は摂取するものについて事前の確認を怠らないように徹底してまいります。

サポーターの皆様や、サイクルロードレースファンの皆様にも、多大なご心配おかけしてしまい、申し訳ありません。

今後の活動についてですが、色々な逆風が重なり、大変厳しい状況ではありますが、このような理由でキャリアを終えたくはないと考えております。

もし私に走る場所があるのなら、また精一杯頑張りたいと思っています。

岡 篤志



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