2010年6月5日、ツール・ド・ルクセンブルク(UCI2.HC)の第3ステージが行なわれ、有力選手たちのペースアップによって30名ほどに縮小した集団によるスプリント勝負で、トニー・ギャロパン(フランス、コフィディス)が勝利。マッテーオ・カラーラ(イタリア、ヴァカンソレイユ)がリーダージャージを守った。

話し込むフランク・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)とランス・アームストロング(アメリカ、レディオシャック)話し込むフランク・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)とランス・アームストロング(アメリカ、レディオシャック) photo:Cor Vos第3ステージも引き続き起伏に富んだコースレイアウト。登場するカテゴリー山岳の数は今大会最多の8つで、終盤の周回コースには急勾配のブロデルブールが設定されている。

この日も序盤からアタッカーの動きが活発で、フレディ・ビショ(フランス、Bboxブイグテレコム)やアンヘル・ビシオソ(スペイン、アンダルシア・カハスール)ら5名がエスケープ。カテゴリー山岳で26ポイントを荒稼ぎしたビシオソは、チームメイトのモンテネグロから山岳賞リーダーの座を引き継ぐことに成功した。

上りでペースを上げるフアンアントニオ・フレチャ(スペイン、チームスカイ)上りでペースを上げるフアンアントニオ・フレチャ(スペイン、チームスカイ) photo:Cor Vos終盤の周回コースに入ると逃げグループからビショが飛び出し、単独でエスケープを続行。しかしペースの上がったメイン集団には敵わず、最終周回で吸収されてしまう。ブロデルブールの上りでフランク・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)らがアタックを仕掛けたが成功せず、最後は30名ほどの集団によるスプリント勝負に持ち込まれた。

第1ステージの優勝者ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ISD・ネーリ)や新人賞ジャージのアレクサンドル・ジェニエ(フランス、スキル・シマノ)を下して優勝したのは、22歳のトニー・ギャロパン。レディオシャック監督のアラン・ギャロパンの甥っ子が、プロ初勝利を飾った。

ステージ優勝を飾ったトニー・ギャロパン(フランス、コフィディス)ステージ優勝を飾ったトニー・ギャロパン(フランス、コフィディス) photo:Cor Vos総合上位陣は集団内でゴールしたため、順位に大きな変動は無し。カラーラがシュレクを1秒、ランス・アームストロング(アメリカ、レディオシャック)を30秒リードしたまま最終日を迎えることとなった。

チームリーダーであるジェニエのアシストに徹する土井雪広(日本、スキル・シマノ)は1分45秒遅れの集団でゴール。総合成績は23位から27位にダウンした。自身のブログの中で土井は「自分の事考えて走るわけにはいかなかったからこの成績は仕方ない。アレックス(ジェニエ)は今日もアシストを満足させる成績を残してくれた」と語っている。

「今年のルクセンブルグは世界のトップスター勢揃いだから辛いの当たり前。そんな中で走れることが楽しくて仕方ない。ここはハイレベル。ここで走っているグランツールでも活躍するトッププロに、勝てるわけがないのに勝とうと思っている自分が居る。マッサージャーに『ユキ、脚が終わってるぞ。疲れてる』と言われたけど、明日は最終日!ガンガンいきます!」

ルクセンブルクは残り1ステージ。最終ステージは比較的難易度の低い149kmのアップダウンコースで行なわれる。

レース展開はレキップ紙、ならびにガゼッタ紙より。

ツール・ド・ルクセンブルク2010第3ステージ結果
1位 トニー・ギャロパン(フランス、コフィディス)             4h57'28"
2位 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ISD・ネーリ)
3位 アレクサンドル・ジェニエ(フランス、スキル・シマノ)
4位 セルゲイ・イワノフ(ロシア、カチューシャ)
5位 ビョルン・ルークマンス(ベルギー、ヴァカンソレイユ)
6位 マッテーオ・カラーラ(イタリア、ヴァカンソレイユ)
7位 スティーブ・オウアナー(フランス、スキル・シマノ)
8位 エドゥアルト・ヴォルガノフ(ロシア、カチューシャ)
9位 フアンアントニオ・フレチャ(スペイン、チームスカイ)
10位 ジェレミー・ロワ(フランス、フランセーズデジュー)
32位 土井雪広(日本、スキル・シマノ)                   +1'45"

個人総合成績
1位 マッテーオ・カラーラ(イタリア、ヴァカンソレイユ)         14h41'58"
2位 フランク・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)            +01"
3位 ランス・アームストロング(アメリカ、レディオシャック)          +30"
4位 フアンアントニオ・フレチャ(スペイン、チームスカイ)           +34"
5位 セルゲイ・イワノフ(ロシア、カチューシャ)
6位 ビョルン・ルークマンス(ベルギー、ヴァカンソレイユ)           +35"
7位 アレクサンドル・ジェニエ(フランス、スキル・シマノ)           +39"
8位 アンドレアス・クレーデン(ドイツ、レディオシャック)           +50"
9位 グレゴリー・ラスト(スイス、レディオシャック)              +51"
10位 サンディ・カザール(フランス、フランセーズデジュー)          +52"
27位 土井雪広(日本、スキル・シマノ)                   +2'48"

ポイント賞
ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ISD・ネーリ)

山岳賞
アンヘル・ビシオソ(スペイン、アンダルシア・カハスール)

新人賞
アレクサンドル・ジェニエ(フランス、スキル・シマノ)

チーム総合成績
レディオシャック

text:Kei Tsuji
photo:www.aotdl.com, Cor Vos