2010年6月3日、ツール・ド・ルクセンブルク(UCI2.HC)2日目、第1ステージがアップダウンコースで行なわれ、集団でのスプリントでジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ISD・ネーリ)が優勝。先頭集団でゴールした土井雪広(日本、スキル・シマノ)は総合30位に順位を上げた。

序盤から逃げ続けたアントニー・シャルトー(フランス、Bboxブイグテレコム)ら3名序盤から逃げ続けたアントニー・シャルトー(フランス、Bboxブイグテレコム)ら3名 photo:www.aotdl.comツール・ド・ルクセンブルクに登場する山岳はいずれも標高600m以下。しかしどのステージも高低差100mほどのアップダウンが延々と続くような起伏に富んだコースで、終盤は決まって周回コースが設定されている。

全長179.7kmの第1ステージには3つのカテゴリー山岳が組み込まれているが、他の3ステージと比べると難易度は低め。今大会で唯一スプリンターにチャンスがあるステージとして注目された。

メイン集団をコントロールするソール・ソジャサンメイン集団をコントロールするソール・ソジャサン photo:www.aotdl.comレース序盤に飛び出したアントニー・シャルトー(フランス、Bboxブイグテレコム)、ジョニー・フーガーランド(オランダ、ヴァカンソレイユ)、モルテン・クヌーセン(デンマーク、ディフェルダンジュ)の3名は最大7分のリード。

しかしレディオシャックやISD・ネーリがコントロールするメイン集団の追撃を振り切ることは出来ず、ゴールまで15kmを残して吸収されてしまう。3つのカテゴリー山岳を先頭通過したシャルトーは山岳賞ジャージ獲得だ。

レース終盤にかけてメイン集団を率いるランス・アームストロング(アメリカ、レディオシャック)レース終盤にかけてメイン集団を率いるランス・アームストロング(アメリカ、レディオシャック) photo:www.aotdl.comゴール前の周回コースに入るとレディオシャックが主導権を握り、最終周回の上りでランス・アームストロング(アメリカ、レディオシャック)がペースアップ。この加速によって集団は60名ほどに絞られ、そのままゴールへ突入した。

最終ストレートで早めに仕掛けたヴィスコンティが、ヤウヘニ・フタロヴィッチ(ベラルーシ、フランセーズデジュー)の追撃を振り切って勝利。UCIヨーロッパツアーの白いリーダージャージを着るヴィスコンティが両手を広げてフィニッシュした。

スプリント勝負を制したジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ISD・ネーリ)スプリント勝負を制したジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ISD・ネーリ) photo:Riccardo Scanferla39秒遅れでゴールしたジミー・アングルヴァン(フランス、ソール・ソジャサン)に代わって、リーダージャージはチームメイトのシリル・ルモワンヌ(フランス)の手に。アームストロングは総合3位に順位を上げた。

土井雪広(スキル・シマノ)は先頭集団内でゴールし、総合30位にジャンプアップ。自身のブログの中で土井は「体調がまだ回復していなかったので、スプリンターであるミッチェルのヘルプをしながら、無理はしないように体調の回復を図っています。もちろんスプリントはしていません」とコメント。その一方で「最周回の坂でのランスのアタックの早さにはビックリしたけど、ついていけたから何か出来そう。今のところ総合も悪くないところにいるので、調子が悪いことは忘れて、アグレッシブに明日は動いていくしかないなぁ」と前向きな発言も。今後の走りに注目したい。

レース展開はガゼッタ紙、ならびにレキップ紙より。


ツール・ド・ルクセンブルク2010第1ステージ結果
1位 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ISD・ネーリ)        4h29'55"
2位 ヤウヘニ・フタロヴィッチ(ベラルーシ、フランセーズデジュー)
3位 ボルト・ボジッチ(スロベニア、ヴァカンソレイユ)
4位 セバスティアン・シードラー(ドイツ、フォアアールベルク・コラテック)
5位 アイトール・ガルドス(スペイン、エウスカルテル)
6位 イアン・スタナード(イギリス、チームスカイ)
7位 セルゲイ・イワノフ(ロシア、カチューシャ)
8位 オスカル・ガット(イタリア、ISD・ネーリ)
9位 ミハル・ゴラス(ポーランド、ヴァカンソレイユ)
10位 マヌエル・オカーニャ(スペイン、アンダルシア・カハスール)
39位 土井雪広(日本、スキル・シマノ)

個人総合成績
1位 シリル・ルモワンヌ(フランス、ソール・ソジャサン)         4h33'45"
2位 グレゴリー・ラスト(スイス、レディオシャック)
3位 ランス・アームストロング(アメリカ、レディオシャック)          +01"
4位 ボルト・ボジッチ(スロベニア、ヴァカンソレイユ)             +02"
5位 アイトール・ガルドス(スペイン、エウスカルテル)
6位 アンドレアス・クレーデン(ドイツ、レディオシャック)           +04"
7位 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ISD・ネーリ)          +05"
8位 ケヴィン・イスタ(ベルギー、コフィディス)
9位 フアンアントニオ・フレチャ(スペイン、チームスカイ)           +06"
10位 サンディ・カザール(フランス、フランセーズデジュー)
30位 土井雪広(日本、スキル・シマノ)                    +12"

ポイント賞
ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ISD・ネーリ)

山岳賞
アントニー・シャルトー(フランス、Bboxブイグテレコム)

新人賞
ヨナタン・カストロビエホ(スペイン、エウスカルテル)

チーム総合成績
レディオシャック

text:Kei Tsuji
photo:www.aotdl.com