Eサイクリング世界選手権が初開催　男女のアルカンシエル着用者決まる

Zwift（ズイフト）上で開催された第1回UCI Eスポーツ世界選手権で、並み居るトッププロを破ったボート選手のジェイソン・オズボーン（ドイツ）が優勝。女子レースではアシュレー・ムールマン（南アフリカ）が初代チャンピオンに輝いている。

---

初開催されたUCI Eスポーツ世界選手権 (c)Zwift
レースはワトピアを使った50km (c)Zwiftレースを走る與那嶺恵理（OANDA JAPAN） (c)本人提供UCIによって初開催されたUCI Eスポーツ世界選手権は、ズイフトのワトピアを使い、男女共通の50kmコースで争われるバーチャルサイクリングの世界ナンバーワンを決める大会。優勝者にはアルカンシエルと優勝賞金約100万円が贈られるほか、これまでのバーチャルレースで明らかとなった機材差を統一するべく参加選手のスマートトレーナーはタックスのNEO2Tで揃えられるという「公式戦」だ。

アワーレコードホルダーのヴィクトール・カンペナールツ（ベルギー）やエドヴァルド・ボアッソンハーゲン（ノルウェー）といったバーチャレルースで活躍する選手の他に、クライマーのドメニコ・ポッツィヴィーヴォ（イタリア）やリゴベルト・ウラン（コロンビア）、シクロクロス選手のエリ・イゼルビッド（ベルギー）、MTB選手のラース・フォースター（スイス）、女子では新旧世界王者のアンナ・ファンデルブレッヘンとアネミエク・ファンフルーテン（共にオランダ）やアシュレー・ムールマン（南アフリカ）なトップ選手が参加したほか、ズイフト男女ランキング1位のアマチュア選手なども、各国の代表ジャージをまとって参加した。

日本から参加したのはEFプロサイクリングへの移籍が発表されたばかりの別府史之（NIPPO・デルコ・ワンプロヴァンス）と東京五輪代表に選ばれた増田成幸（宇都宮ブリッツェン）、與那嶺恵理（OANDA JAPAN）、そして樫木祥子（株式会社オーエンス）という合計4名が出場した。

19カ国、54選手が参加した女子レースでは序盤から強烈なペースで進み、初めてズイフトのレースに挑んだという與那嶺はレース開始後10分ほどで集団から脱落。「いきなり体重の6倍以上で踏み続けなければならない強烈なペースに驚きました。このレースを前で展開するためには、実際のレースとは違うズイフト専用の踏み方を習得する必要があると感じました」と振り返っている。

レースは次第に絞り込まれ、最後はサラ・ジガンテ（オーストラリア）との一騎打ちを制したムールマンが勝利。ズイフトのアンバサダーでもあるムールマンにとっては、35歳の誕生日の大きな勝利となった。

初代チャンピオンに輝いたアシュレー・ムールマンとジェイソン・オズボーン（のアバター） (c)Zwift
男子エリートレースは最終盤にカナダチームがチームタイムトライアル状態で総攻撃を仕掛けたものの失敗。続いてゴール前の登坂区間でチームメイトのアシストを受けたジェイソン・オズボーン（ドイツ）が体重の12倍以上の出力で踏んで抜け出し、さらに「アイテム」を使用して逃げ切り勝利。26歳のオズボーンはボート競技の世界トップランカーで、トレーニングでロードバイクを活用している選手。トニ・マルティン（ユンボ・ヴィズマ）が優勝した昨年のドイツ国内TT選手権ではアマチュアながら6位に食い込んだ実力の持ち主だ。

世界チャンピオンになったムールマンとオズボーンには、ズイフト上のアバターにアルカンシエルが与えられている。