UCI(国際自転車競技連合)が2024年パリ五輪の自転車競技5種目の参加人数を明らかにした。これで男女の出場人数が全種目で同数になり、ロードレースの女子人数が67人から90人に増えた一方、男子は130人から90人へと減数されている。



女子ロードレースは67名から90名に増やされる女子ロードレースは67名から90名に増やされる photo:Kei Tsuji
12月7日、UCIは2024年パリ五輪の自転車競技に出場する選手数を発表。競技全体では東京五輪の528人から14人少ない514人となった。

発表されたのは五輪種目であるマウンテンバイク、ロードレース、トラック競技、BMX、BMXフリースタイルパークの5種目。その中でも出場人数が大幅に変更されたのは、130人から90人(40人減)になった男子ロードレースだ。その一方2004年アテネ大会以来67人だった女子ロードレースが、男子と同数の90人(13人増)へと増やされることに。

また、男女で出場人数が異なっていたトラック競技でも男子が98人から95人(3人減)、女子は91人から95人(4人増)と同数になっている。

一方で男女同数だった種目でも出場人数が変更されており、マウンテンバイクは男女それぞれ38人から36人(4人減)、BMXフリースタイルパークはそれぞれ9人から12人(6人増)と増えている。

各自転車競技の男女人数一覧表各自転車競技の男女人数一覧表 (c)UCIのリリースより
リリース内でダヴィ・ラパルティアンUCI会長は「(男女同数化は)我々が掲げたアジェンダ2022の主要な目標(男女平等)を達成するために、大きな満足感を与えてくれる結果となりました。2024年パリ大会における男女平等は、自転車競技の選手たちや組織全体に強いメッセージを届けてくれます」とコメントしている。

UCIは2018年に、2022年までの4年間の取り組み内容をまとめた「アジェンダ2022」を発表しており、その中でも女子選手の活動環境の改善と、男女平等への取り組み強化が強調されていた。今回の男女同数化は、UCIの言葉を借りればこれら取り組みが実った結果となる。

更にラパルティアン氏は「UCIはそれが競技の場でも、あるいは運営の場であっても、男性と女性が平等であるという方針をもとに取り組んでいきます。※女子プロ選手の最低給与の導入など、様々な地位向上の動きがありましたが、今回の発表はUCIとスポーツに公平性をもたらせてくれる大きな一歩でもあり、個人的にも誇りに思っています」と語っている。

※ただしコロナ禍で行われた2021年シーズンは、スポンサーフィーの減収に伴い、女子プロチームでも一部を除き当初掲げた最低給与や契約維持などが遂行されなかったという現実がある。

男子ロードは東京から40名減の90名で開催されることに男子ロードは東京から40名減の90名で開催されることに photo:So.Isobe
また現役選手でありながらもUCI運営委員会とアスリート委員会長を務めるカテリーナ・ナッシュ(チェコ、クリフプロチーム)も、リリースの中で「パリ大会はすべての種目で男女平等が達成される初めての大会となります。私は長年、この大会で女子に競技人口が増えることを楽しみにしていました。2024年大会で男女同数の選手が出場するということは、自転車競技を前進させる重要な一歩となります」。

「心に残る試合とともに、女子種目は目覚ましい成長を見せてきました。オリンピックはすべての人のキャリアを向上させ、競技者だけではなく、このスポーツに携わることを夢見る人にとっても、より多くの機会を生み出すきっかけになるでしょう」とコメントしている。

ただし疑問となるのは、130人から40人という大幅減が行われる男子ロードレース。各国、各大陸に置ける出場人数など関しては明らかにされておらず、強豪国の出場枠を減らすのか、それともランキング下位国の出場枠が残されるのかについては不明のままだ。

text:Sotaro.Arakawa