平坦基調も最後の勾配がスプリンターの出番を退けたブエルタ第10ステージ。キレのある飛び出しで三度目の勝利とマイヨロホを手にしたログリッチや、逆にその両方を失ったカラパス、積極的な走りで見せ場を作ったギヨーム・マルタンなどのコメントを紹介します。



ステージ優勝&マイヨロホ&ポイント賞 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)

マイヨロホを奪還したプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)マイヨロホを奪還したプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) photo:Unipublic
マイヨプントスのリードを更に広げたプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)マイヨプントスのリードを更に広げたプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) photo:Unipublic
勝利はいつも嬉しいものだ。だが勝利に慣れることはない。脚の調子は非常に良く、とても嬉しい。僕のためにチームが良い位置取りをしてくれた。これは彼らの勝利でもある。一つ年を重ね、また一つ強くなった。年を重ねれば重ねるほど強くなる。またマイヨロホを着ることができたが、チームとしてやることは変わらない。勢いを保ち、何より集中を切らすことなくプランを遂行するのみだ。この後に控える2つの山岳ステージが楽しみだ。観戦するには楽しいスペクタクルが待っているだろう。



ステージ2位 フェリックス・グロスチャートナー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)

最後は非常に慌ただしい展開になったが、チームのおかげでフィニッシュに向けて良い位置にいることができた。ギヨーム・マルタンの後ろについて先頭に上がったのだが、最後はログリッチが強すぎた。いずれにせよ2位という結果には満足している。日に日に自分の強さが増しているように感じている。しかし明日から2日間はとてもハードになる。もしタイムを失ったとしても、そこまで悲観はしない。なぜなら最終週に上の順位を目指すことのできる可能性がいくつか残されているからね。



ステージ3位 アンドレア・バジオーリ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)

バジオーリのためにペースアップを行うドゥクーニンク・クイックステップバジオーリのためにペースアップを行うドゥクーニンク・クイックステップ photo:Unipublic
最後の2kmは位置取りとタイミングの勝負だった。そしてチームメイトたちは素晴らしい働きを見せてくれた。ゼネク(スティバル)とミケル(モルコフ)が登り口で僕を非常に良い位置につけさせてくれ、そこからは注意深く、そしてタイミングを待ち残り200mで加速した。このようなフィニッシュは好きだし、ワールドツアーレースで初めてトップ3に入れたことがとても嬉しい。今日の結果は大きな自信に繋がり、レースが終わるまでにはもっと良い結果が得られるよう頑張りたい。



ステージ4位 アレックス・アランブル(スペイン、アスタナ)

最後に勾配のある僕好みのステージだったので、何かやってやろうと気合が入っていた。ステージはハードで、レースのコントロールは簡単ではなかった。でもチームは逃げを追走する素晴らしい働きをしてくれた。最後はチームメイトによる最高のサポートがあり、良い位置からスプリントすることができた。ベストを尽くしたが、勝利には十分でなかった。ログリッチがとても強かったからね。でも調子は良く、脚も動いてくれた。4位という結果に、そしてこの自分の走りに満足している。ブエルタで勝利を上げられるようこれからも頑張りたい。



ステージ7位&総合3位 ダニエル・マーティン(アイルランド、イスラエル・スタートアップネイション)

ログリッチと同タイムでフィニッシュしたダニエル・マーティン(アイルランド、イスラエル・スタートアップネイション)ログリッチと同タイムでフィニッシュしたダニエル・マーティン(アイルランド、イスラエル・スタートアップネイション) photo:Israel Start-Up Nation
逃げが決まった瞬間、誰も追走をしなかったので、今日のレースはもう終わりなのだと思ったんだ。タイム差が大きく広がっていったので、メイン集団にいる各チームは懸命に追わなければならなかった。それがステージを予想以上の厳しさにした。残り30kmからの展開はクレイジーだったよ。どのチームも先頭に出たがっていたので、チームで固まっていることに苦労した。特に広い道では多くのリスクを取らなければならなかった。チームのみんなは自分の役割を全うした。チームを先頭に位置させてくれるローリー(サザーランド)に、僕は一日中ついていくだけでよかった。

レト(ホレンシュタイン)とアレクシー(ルナール)を何度か見失ってしまったんだ。でもミヒケル(レイム)とオメル(ゴールドスタイン)が助けてくれた。そして最後は強い2人(ホレンシュタインとルナール)を見つけ、良い位置でフィニッシュすることができた。残り1km地点で風を受け過ぎてしまい、ログリッチと最後に戦うには瞬発力に欠けていた。でも先頭にいることができ、満足しているよ。



残り1km地点で仕掛けた山岳賞のギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス)

最終盤にアタックを繰り出したギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス)最終盤にアタックを繰り出したギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス) photo:Unipublic
レースが半分を過ぎた辺りで、今日は何かできるのではないかと感じていた。そのことをチームメイトに伝え、最終局面に向けて準備をしたおかげでチームが一塊になることができた。そしてピエールリュック・ペリションによる貴重なサポートを得ることができた。彼には感謝したい。

最後の登りでは良い位置を確保することができ、勾配が最も急になる残り800m地点でチャンスが見えた。集団との間に僅かながらも差を作ることができ、(追走に)できるだけ抗おうとした。

(アタックが決まらず)腹を立てるのは簡単だが、遅かれ早かれ仕掛けなければいけなかったんだ。自分の感覚に従ってアタックし、自分の力には自信があった。もちろん少し悔しさもある。しかしこのブエルタで何度も勝利に近づいてきたんだ。成功なしにここを去ることはできない。



3秒遅れでマイヨロホを手放したリチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)

14位でフィニッシュしたリチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)14位でフィニッシュしたリチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ) photo:Unipublic
とても落ち着いたステージだったが、最後は緊張感のある展開になった。多くのチームが先頭に出たがっていた。フィニッシュ付近でチームは再び素晴らしい働きをしてくれたが、今日はログリッチが強すぎた。

text:Sotaro.Arakawa