断続的なアップダウンと雨と風、気温10度以下の寒さに誰もが苦しんだジロ・デ・イタリア第12ステージ。そんな中でも「僕は雨や気温の低さが問題にならない選手なんだ」というジョナタン・ナルバエス(イネオス・グレナディアーズ)が勝利した。過酷な戦いを終えた選手たちのコメントを紹介します。



ステージ優勝 ジョナタン・ナルバエス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)

これまでのステージで何度も逃げを試みていたものの、逃げに乗れない日々が続いていた。今日はようやく逃げに乗って、そしてジロ・デ・イタリアの大きなステージで勝つことができた。幸い、僕は雨や気温の低さが問題にならない選手なんだ。長く厳しいステージだったけど、目標を達成できたよ。

パデュンがパンクした時、チーム監督からは少し待つように言われた。でもアドレナリンが出ているレース中だったので、ステージ優勝に向けて走り続けている自分がいた。補給食もしっかり摂って、最後まで独走する力が残っていた。

ゲラント(トーマス)のリタイアはチームにとって大きな痛手だったけど、チームの士気は高くて、僕も目標を失うことなく走り続けた。今シーズンは誰にとっても難しく、(春にかけて)ステイホームの時期が長かったけど、こうしてジロを楽しむことができて嬉しい。

残り24kmを独走するジョナタン・ナルバエス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)残り24kmを独走するジョナタン・ナルバエス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ) photo:LaPresse


ステージ2位 マーク・パデュン(ウクライナ、バーレーン・マクラーレン)

これもロードレース。ステージ2位という成績には喜べないけど、ハードな展開に持ち込んでセクションをかけ、ステージ優勝に向けて良いレース運びができていたと思う。コンディションは日に日に上がっている。このジロではチームリーダーのペリョ・ビルバオをアシストするのが役目だけど、チャンスがあればまた挑戦したい。

先頭で逃げ続けたジョナタン・ナルバエス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)とマーク・パデュン(ウクライナ、バーレーン・マクラーレン)先頭で逃げ続けたジョナタン・ナルバエス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)とマーク・パデュン(ウクライナ、バーレーン・マクラーレン) photo:CorVos


ステージ4位 ジョセフ・ロスコフ(アメリカ、CCCチーム)

前回逃げた第8ステージと比べると、逃げのメンバー的にも展開的にも、天候的にも、今日の方が5倍ハードだった。前回よりも調子が良かったので積極的なレースを展開できたけど、さすがに冷たい雨で一時的に脚がうまく動かなかった。

勾配15%に達するような登りでは誰かの後ろについていても楽ではないので、450ワット固定で踏んで、逃げグループの先頭に立って自分のペースで走ることにした。正直言って今日はステージ優勝のチャンスがあると思っていた。でも終わってみれば、フィニッシュにたどり着けたことを幸せに感じるぐらい、酷い天気だった。



ステージ6位 ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ)

降り続いた雨によってコース上は酷い有様で、一瞬も気が休まるタイミングがなかった。ペースはずっと速かったし、メイン集団は見る見るうちに人数を減らして行った。最後は集団スプリントに絡んで再びのトップ10フィニッシュ。良い1日だった。

ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ)らを先頭に8分25秒遅れでフィニッシュするメイン集団ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ)らを先頭に8分25秒遅れでフィニッシュするメイン集団 photo:LaPresse


ステージ7位 パトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)

長くてハードなステージだった。局所的に土砂降りで、本当に寒かった。今日のようなコンディションでは、タイムを奪うよりもタイムを失う可能性の方が高いので、チームとして率先してレースを動かす作戦ではなかった。とにかく身体を冷やさずに、危険な動きに反応できる位置で力を温存しながら走るのが重要だった。逃げが逃げ切って、ラファウ(マイカ)と一緒に安全に集団内でフィニッシュできて良かったよ。



マリアローザ ホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ)

とてもハードだった!ずっと雨が降り、気温が上がらない中を6時間近く走った。厳しい状況にも気持ちを切らさず、走り続ける意志の強さが必要だった。今日のステージ優勝者(ナルバエス)もアクセル・メルクスの育成チーム出身。未来の若手を発掘して育成するアメリカチームの存続を願っている。

マリアローザ着用10日目を迎えるホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ)マリアローザ着用10日目を迎えるホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ) photo:LaPresse


ステージ16位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、NTTプロサイクリング)

想像以上に雨が降って、気温が下がり、風が吹き付けるとても厳しいステージだった。今日もチームとしてメイン集団の主導権を握り、チームメイトたちの素晴らしい走りのおかげで集団先頭で安全に走ることができたよ。できればライバルたちを何人か引き離したかったけど総合成績は大きく変わらず。明日からもチームとして諦めない走りをしたい。

ステージ中盤からメイン集団のペースを上げたNTTプロサイクリングステージ中盤からメイン集団のペースを上げたNTTプロサイクリング photo:LaPresse


ステージ17位 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、トレック・セガフレード)

寒く、雨が降り続いたのでとてもハードなステージになった。今日のような悪天候のステージはまるで耐久テストのよう。身体をドライに保つために何度もウェアを着替えたよ。注意を怠ると致命的なミスに繋がるので気持ちを切らすことができなかった。とにかく落車に巻き込まれることなく今日という日を終えることができて良かった。明日からは天候が回復することを願っている。



ステージ101位 新城幸也(バーレーン・マクラーレン)

マルク(パデュン)が予定通りに逃げに乗り、逃げ切ることが出来たが、最終局面でパンクでステージ優勝のチャンスを逃してしまった。でも、ステージ2位も立派で、マルクにはまだまだ可能性があることも証明されたと思う。

誰もが苦しんだステージだっただろう。最低気温が5度を記録した。フィニッシュまで80km位を残して、メイン集団から遅れてしまい、それからは強い風と雨と寒さに耐えながらの時間だった。そんな中でも、ビルバオはしっかりと集団でタイム差無しでゴールして、まだまだ可能性を残している。

天気の悪さは明日も引き続き、、、寒さだけがどうにかならないかと思うが・・・。レース後に再度PCR検査を行い、チームは皆陰性で明日もスタートします。

30分遅れでフィニッシュする新城幸也(バーレーン・マクラーレン)30分遅れでフィニッシュする新城幸也(バーレーン・マクラーレン) photo:CorVos



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