第6ステージ以来、山岳賞ジャージ"マリアヴェルデ"をキープしているマシュー・ロイド(オーストラリア、オメガファーマ・ロット)。超級山岳の闘いもあと2ステージだが、果たしてロイドはこのジャージをヴェローナまで着続けることができるのだろうか?

マリアヴェルデを着て走るマシュー・ロイド(オーストラリア、オメガファーマ・ロット)マリアヴェルデを着て走るマシュー・ロイド(オーストラリア、オメガファーマ・ロット) photo:Gregor.Brown

ロイドの成功は、第6ステージに優勝した2週間前、マリーナ・ディ・カラーラから続いている。彼はステージ優勝に加え、もうひとつの夢をみている。それは、マリアヴェルデに包まれてヴェローナに到達することだ。

ベディッツァーノの上りで逃げ、独走ゴールした27歳のオーストラリア人ロイドは、マリアヴェルデも獲得し、12日連続でそのジャージに袖を通している。そしてそのまま最終ステージのヴェローナまで行きたいと思っている。

彼の山岳賞を狙う上での最大のライバルはイヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス・ドイモ)とカデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)の二人。彼らはともに25ポイントを持ち、ロイドの29ポイントに迫る。

「チームは選手皆に話をしている。彼らも僕たちにとってマリアヴェルデが重要だということ、そしてそれは総合争いとは別の闘いであることを理解してくれている。もっとも危険なライダーは、リュドヴィク・テュルパン(フランス、アージェードゥーゼル)。彼とはたった数ポイント差なんだ」。

マシュー・ロイドのフレームには山岳賞争いでマークするライバルのゼッケンナンバーが記されるマシュー・ロイドのフレームには山岳賞争いでマークするライバルのゼッケンナンバーが記される photo:Gregor.Brownロイドは彼の夢を叶えるために、おまじないのような番号をフレームの上に書き連ねている。それは彼のライバルたちのゼッケンナンバーである、29、34、79(※)だ。

※)29.リュドヴィク・テュルパン(フランス、アージェードゥーゼル)=20pt・山岳賞4位、79.シャビエル・トンド(スペイン、サーヴェロ・テストチーム)16pt、山岳賞7位、34. ルーベンス・ベルトリアーティ(スイス、アンドローニ・ジョカトーリ)16pt・山岳賞8位だ。

「彼らが僕からポイントを盗る可能性がある。彼らは本当にそれを欲しがっているんだ!」

平坦ステージが続いた第17・18ステージはその危険はなかった。しかしロイドは続く金曜と土曜、第19ステージと第20ステージで、早めの逃げに乗るはずだ。ガヴィアやモルティローロ峠といった有名な峠が待ち構えるステージで、マリアヴェルデを守るために。

もしロイドがそれができなかったら、エヴァンスやバッソが最後の峠で総合争いを繰り広げることで、ポイントを逆転してしまうことになるのだ。

「僕らは正しいカードを切らなくてはいけない。もし僕がポイント賞を獲得したいなら、レース中に注意しなければいけないことはたったひとつだ。
山岳スペシャリストと呼ばれる選手なら、間違いなくガヴィア峠を先頭で通過したいはずだ。それはまさに美しいものだろう。しかし、残りの山岳の詳細をよく見ておく必要がある。そうすればちょっと面白いことに気づくはずだよ。僕がどう動くべきなのかをね」。


はたしてロイドがアタックを掛けるのはどこか? あなたもぜひロイドになったつもりでプロフィールマップを確認して欲しい。

マシュー・ロイド(オーストラリア、オメガファーマ・ロット)がパドル・リックとマウリツィオ・フォンドリエストとともにステージに並ぶマシュー・ロイド(オーストラリア、オメガファーマ・ロット)がパドル・リックとマウリツィオ・フォンドリエストとともにステージに並ぶ Rcs Sports



text:Gregor Brown
translation:Makoto.AYANO
photo:Kei.Tsuji

最新ニュース(全ジャンル)