マイヨヴェール争いを繰り広げたペテル・サガンや、第16ステージで逃げ切り勝利を飾ったレナード・ケムナを擁するボーラ・ハンスグローエのバイクをピックアップ。チームが使用したのは今夏スペシャライズドからデビューしたばかりのTARMAC SL7、そしてSHIV TTだ。



ボーラ・ハンスグローエの走りを支えたスペシャライズド TARMAC SL7ボーラ・ハンスグローエの走りを支えたスペシャライズド TARMAC SL7 photo:Makoto.AYANO
ペテル・サガン(スロバキア)によるマイヨヴェール獲得を目指したものの、サム・ベネット(アイルランド、ドゥクーニンク・クイックステップ)の前に一歩及ばなかったボーラ・ハンスグローエ。それでも、第16ステージではレナード・ケムナ(ドイツ)が逃げ切り勝利を収めるなど見せ場を作った。サガンのスプリント、ケムナの登り、ダニエル・オス(イタリア)の引きなど、あらゆるシーンで選手たちの走りを支えたのがスペシャライズドの「TARMAC SL7」だ。

従来ボーラはTARMACとVENGEを使い分けていたが、TARMAC SL7で統一された模様。チームのメインスポンサーであるハンスグローエ社のコーポレートカラー、エメラルドグリーンを差し色としたフレームデザインに変更はないが、サガンバイクのみオールブラックカラーで、チェーンステーには世界選手権3連覇を表す3本ラインがあしらわれている。

特別なオールブラックカラーにペイントされたペテル・サガンのTARMAC SL7特別なオールブラックカラーにペイントされたペテル・サガンのTARMAC SL7 photo:Makoto.AYANO
サガンのバイクには世界選手権3連覇を表す3本ラインがチェーンステーに入るサガンのバイクには世界選手権3連覇を表す3本ラインがチェーンステーに入る photo:Makoto.AYANO
100%からツールに合わせて発表された特別なゴールド/ホワイトのアイウェアを使用するサガン100%からツールに合わせて発表された特別なゴールド/ホワイトのアイウェアを使用するサガン photo:Makoto.AYANO
ボーラはシマノのグローバルサポートチームであり、コンポーネントは油圧ディスクブレーキのDURA-ACE DI2一択。軽量性を重視してXTRのディスクローターを選択するチームも存在するが、ボーラは全選手がDURA-ACEグレードのSM-RT900を使用している。また、パワーメーターはシマノのFC-R9100-P、スプリンタースイッチの有無は選手によってまちまちだ。

ハンドル/ステムはTARMAC SL7専用品が基本だが、PRO製品をチョイスする選手も。ダニエル・オスはさらなる剛性を求めてか、極太のVIBE SPRINTステムとVIBEアルミハンドルをセット。エマヌエル・ブッフマン(ドイツ)とマキシミリアン・シャフマン(ドイツ)はステム一体型ハンドルのSTEALTH EVOを使用していた。バーテープはスペシャライズドと関係の深いスパカズだ。

ダニエル・オスはVIBE SPRINTを愛用するダニエル・オスはVIBE SPRINTを愛用する photo:Makoto.AYANO
ステム一体型ハンドルのSTEALTH EVOを使用する選手もステム一体型ハンドルのSTEALTH EVOを使用する選手も photo:Makoto.AYANO
さらにホイールにも要注目だ。今年新登場したエアロモデル「Rapide CLX」と軽量クライミングモデル「Alpinist CLX」をレース投入しているものの、旧CLX50 Discのチューブラー仕様(市販されないプロ専用モデル)もまだまだ使用率は高い模様。Rapide CLXとAlpinist CLXはクリンチャー専用設計のため、パンクリスクを考慮するとチューブラータイヤを選択したいという選手たちの考えだろう。

コースによっては後輪をRapide CLX、前輪をAlpinist CLXという組み合わせをした選手も見られた。クリンチャータイヤはスキンサイドのTURBO COTTONをチョイス。チューブラーと比較した際の乗り心地を重視したためだろうか。

最新のRapide CLXホイールを投入。タイヤはクリンチャー仕様のTURBO COTTON最新のRapide CLXホイールを投入。タイヤはクリンチャー仕様のTURBO COTTON photo:Makoto.AYANO
軽量なAlpinist CLXを使用するレナード・ケムナ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)軽量なAlpinist CLXを使用するレナード・ケムナ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos
タイムトライアルバイクは昨年から登場した「SHIV TT Disc」を使用しており、TT機材も含めディスクブレーキで統一している数少ないチームとなっている。ホイールはフロントがRapide CLXで、リアが321。リアホイールのカラフルな「RIDING FOR FOCUS」デザインは昨年同様だ。スペシャライズドにエアロボトルのラインナップが無いため、選手によってはロゴを消したエリートのエアロボトルをセットしていた。

TTバイクはディスクブレーキ仕様のSHIV TTTTバイクはディスクブレーキ仕様のSHIV TT photo:Makoto.AYANO
ロゴを消したエリートのエアロボトルを使用する選手もいたロゴを消したエリートのエアロボトルを使用する選手もいた photo:Makoto.AYANOスペーサーを積み上げたエアロバー位置が高いセッティングスペーサーを積み上げたエアロバー位置が高いセッティング photo:Makoto.AYANO


text:Yuto.Murata
photo:Makoto.AYANO