手首骨折で途中リタイアを喫したバウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)に続き、同じ落車に巻き込まれたロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール)も脳震盪によってツールを離脱する。総合4位と13位につけていた2人が思わぬ幕切れでレースを降りた。



脳震盪を起こしながらピュイマリーを登るロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール)脳震盪を起こしながらピュイマリーを登るロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール) photo:Makoto.AYANO
平穏にレースを消化していたメイン集団内で落車が起きたのは、フィニッシュまで残り90kmを切った下り区間。ナイロ・キンタナ(コロンビア、アルケア・サムシック)を含む多くの有力選手が巻き込まれたクラッシュの中に、総合4位ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール)と総合13位バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)の姿もあった。

多くの選手が再乗車して復帰を目指したが、モレマは救急車に乗り込みリタイア。病院に運ばれたトレック・セガフレードのセカンドエースに下った診断は、左手首の複雑骨折と前腕骨折(橈骨、尺骨、舟状骨骨折)。現在処置によって痛みを取り除いているものの、手術を要する重傷によってモレマはこの先数ヶ月の戦線離脱を強いられることとなる。

バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) photo:Kei Tsuji
一方バルデは集団復帰に成功したものの、3級山岳アングラール=ド=サレ峠でのイネオス・グレナディアーズのペースアップで遅れ、ステージ終盤に脳震盪の兆候を示しながらも8分35秒遅れのステージ27位でフィニッシュ。クレルモン=フェランの大学病院で受けたCTスキャンでは異変が見つからなかったというが、チームは脳震盪症状に苦しむバルデの翌日未出走を決定。チームドクターによれば復帰日は「経過観察を行いながら」決めていくという。

「地元を走るこのステージは期待していたのと真逆の展開になってしまった。ダウンヒル中のハイスピード高速落車は激しく、その後ずっと苦しんでいた。診断の結果、予想通りレースを続けることができなくなった。チームメイトたちがベストを尽くし、良い走りでツール・ド・フランスを終えてくれると信じている」と、悔しい途中リタイアを喫することとなったバルデは語っている。

text:So.Isobe

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