「亡き父のためにステージ勝利を上げたいと思っていた。ツールで勝つというのはいつも特別だ」と言うのは、アグレッシブな走りで天に勝利を届けたジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)。ツール2日目に活躍した選手たちのコメントです。



ステージ優勝&マイヨジョーヌ ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)

ステージ優勝とマイヨジョーヌを手にしたジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)ステージ優勝とマイヨジョーヌを手にしたジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) photo:Luca Bettini
亡き父のためにステージ勝利を上げたいと思っていた。これがレースに挑む最大の目標だった。だからこれからは全てボーナスみたいなものだ。父のためにこの勝利が欲しかったし、手に入れることができてとても幸せだ。

カスパー(アスグリーン)が逃げに入ってくれたことで(集団で)完璧なポジションが確保でき、最後の登りまで待つことができた。その後ドリス(デヴェナインス)がエズ峠を安定したテンポで走り、キャトルシュマン峠をボブ(ユンゲルス)が続いて登った。この信じられないようなチームの働きのおかげで、勝利を手にすることができた。

ツールで勝つというのはいつも特別に感じる。確かにこれで5度目の勝利だが、いつも違った感覚だ。ここでの勝利、そしてイエロージャージを着用するのはとても大きな意味がある。ツールは世界最大のレースで、権威あるジャージを着れることは常に名誉なことだ。僕はここに総合優勝をしに来たわけではない。だけどマイヨジョーヌを敬意を示し、できる限り長く守りたいと思う。このジャージを背負って過ごす一瞬一瞬を楽しむことを断言できる。

ステージ2位&マイヨブラン マルク・ヒルシ(スイス、サンウェブ)

ステージ2位&総合3位のマルク・ヒルシ(スイス、サンウェブ)がマイヨブラン獲得ステージ2位&総合3位のマルク・ヒルシ(スイス、サンウェブ)がマイヨブラン獲得 photo:Luca Bettini
最後の登りでアラフィリップが飛び出した時、すぐ後ろにつけたわけではなかったので力尽きてしまうのではないかと少し怖かった。でも彼の後ろにつければ頂上は平坦だったので、少しは回復できるだろうと思っていた。

限界に達していたので少し回復する必要があった。だからあまり前は引かなかった。でなければ完全に終わっていただろう。頂上にたどり着けば少しは前を引けるとわかっていたし、総合順位を争う(アダム)イエーツに一番プレッシャーがかかっていると思っていた。

フィニッシュでアラフィリップの後ろについたが、彼のスプリントがあまりにも強すぎた。この(マイヨブラン)ジャージを手に入れられて嬉しい。最初はイエロージャージまであと少しだったのでがっかりしていたが、数分後に喜びがこみ上げてきた。自分のコンディションに満足しているし、ドーフィネ以来順調に進歩している。ジャージを着ることができたので既にツールは成功といえるが、この後のレースでも成功を目指して頑張りたい。

ステージ3位 アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)

アラフィリップと中間スプリントで抜け出すアダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)アラフィリップと中間スプリントで抜け出すアダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) photo:Makoto.AYANO
本当にハードな一日だった。最初の登り(ラ・コルミアーヌ峠)でさえしっかりとしたペースで進んでいて、みんなから疲れが伝わってきた。僕と同じように苦しんでいる人がたくさんいるのがわかった。

かなり早いタイミングで二人が登りで飛び出したが、ユンボ・ヴィズマもかなり速いペースで走っていた。だから少し勾配の急なところまで待って、前に飛び乗ってそのまま前を引こうとしたんだ。

最後まで良い協調ができ、二人と逃げ切ることができた。スプリントで勝てるわけがなかった。そうでしょ?あの状況では3位がベストな結果だったと思う。向かい風の中先頭を走ることになって、それは良いシナリオではなかった。でも言ったように、あのスプリント勝負を勝てるわけなかった。あの二人は僕より速かったからね。だから3位に満足しているよ。

ステージ4位:グレッグ・ファンアーヴェルマート(ベルギー、CCCチーム)

下りを攻めるグレッグ・ファンアーヴェルマート(ベルギー、CCCチーム)下りを攻めるグレッグ・ファンアーヴェルマート(ベルギー、CCCチーム) (c)CorVos
昨日とは違う面白いレースだった。超厳しいレースだったけれど、ステージ優勝とマイヨジョーヌ着用のチャンスがあると感じていたのでワンデーレースのように全開で走ったんだ。残念だったけれど、逃げ切った3人が今日のベスト。レースではどんなことも起こりうるし、自分のカードを切っての目標未達はとても残念。あの登りであの選手たちと生き残り、勝利が見えてきた、勝利が近づいてきた!と思っても勝てない時もある。もう起こってしまったことは変えられない。まずは回復に務め、この先のステージで再びチャンスがやってくると思っている。第5ステージの登りスプリントでも上手く走れるはず。脚の感触も良い。今日がステージ優勝の最後のチャンスにならないことを願っている。

マイヨアポワを射止めたブノワ・コヌフロワ(フランス、アージェードゥーゼール)

ブノワ・コヌフロワ(フランス、アージェードゥーゼール)がマイヨアポワ獲得ブノワ・コヌフロワ(フランス、アージェードゥーゼール)がマイヨアポワ獲得 photo:Luca Bettini
水玉ジャージは夢だ。最初こそ考えもなかったけれど、ステージを走るうちに今日の目標となったんだ。今この瞬間を味わいたいと思う。平坦区間で飛び出したルーラーたちに混じって逃げに乗った。ラ・コルミアーヌ峠の上りは快調で最大ポイントを稼ぐことができたものの、次のトゥリーニ峠ではずっと苦戦してしまった。僕はプロトン屈指のクライマーではないけれど、このジャージを守るために戦いたい。

繰り下げでマイヨヴェールを着たペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)

逃げに乗るペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)逃げに乗るペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) (c)CorVos
長いけれど良い1日だった。マイヨヴェールのためにポイント争いを行う必要があったけど、中間スプリントでチームとして良い働きができたと思う。エム(ブッフマン)がメイン集団内でフィニッシュできたことも嬉しい。毎日僕らのベストを尽くしていくつもり。

マイヨジョーヌを手放したアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)

マイヨジョーヌに身を包んだアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)マイヨジョーヌに身を包んだアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ) photo:Makoto.AYANO
黄色いジャージを着て過ごした1日はとても良かった。恐らく最初で最後のマイヨジョーヌになるだろうから、例え僕にとって厳しいステージだとしても、この新鮮な体験の一瞬一瞬を楽しもうとした。明日はマイヨヴェールを着用する。これもまた嬉しいジャージの一つだ。

逃げに乗ったミヒャエル・ゴグル(オーストリア、NTTプロサイクリング)

逃げに乗ったミヒャエル・ゴグル(オーストリア、NTTプロサイクリング)逃げに乗ったミヒャエル・ゴグル(オーストリア、NTTプロサイクリング) (c)CorVos
今日は逃げにチャンスがあると思っていた。スタート直後から強力な選手たちがアタックしているのを見て、最後に逃げグループに加わることができた。少し脚は重たかったように思う。メイン集団にあのようなコントロールが入るとは思わず、実際逃げ切りのチャンスはずっと低かった。それでも山岳賞ジャージを獲得するために戦ったけれど、KOMでは3着が2回。2人が僕よりも強かったということさ。ただし全体的な自分パフォーマンスには満足しているし、脚の感触も良く嬉しい。まだまだツールは長いのであと2、3回チャンスはやってくると思う。

総合8位につけるエガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)

有力選手を含むグループで最後の峠をこなしたエガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)有力選手を含むグループで最後の峠をこなしたエガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) photo:Makoto.AYANO
また今日もレースを走ることができて嬉しい気分だ。今日はプロパーなツール・ド・フランスのステージで楽しむことができた。チームメイトたちとレースをコントロールし、最終盤ではクウィアトとリチャルが素晴らしい働くをしてくれた。今日はなるべく脚を休めることに努めた。各ステージをこなしながら、最終盤に向けてできるだけエネルギー消費を抑えていくのがツールだ。

終盤に落車したトム・デュムラン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)

ちょっと馬鹿みたいな落車だった。何が起こったのが正確には分からない。左の肩越しにクウィアトコウスキがやってくるのが見えて、気づいたら路面に転がっていた。痛みはなく、少し膝をぶつけただけで問題はないと思う。幸い(落車の後)すぐ集団復帰することができた。

ロベルト・ヘーシンク(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)

集団コントロールを行うロベルト・ヘーシンク(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)集団コントロールを行うロベルト・ヘーシンク(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) (c)CorVos
僕たちの考えは登坂区間の麓までにプリモシュとトムを良い位置につけることだった。それは上手くいったけれど、その後は完全にスムーズに運ばなかった。ただしそれも含めてロードレース。全てをコントロールすることなんてできないんだ。現時点で最も大切なのは、チームメイトが非常に強力で、チームとして良い位置につけていること。そして、何より僕ら自身が自信を持っていること。今日、僕たちは必要があると感じたときに率先して行動した。誰かを追いかけているよりも集団コントロールしている方が良い。

text:Sotaro.Arakawa, So.Isobe