超級山岳グラン・コロンビエール峠の山頂フィニッシュで勝負が決するツール・ド・ラン最終日の第3ステージ。プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)がエガン・ベルナル(コロンビア、チームイネオス)とのスプリントに再度競り勝ち、2日連続となるステージ勝利と総合優勝を掴み取った。
逃げに乗り山岳賞ジャージを確定させたジュリアン・ベルナール(フランス、トレック・セガフレード) (c)Tour De L'Ain
ツール・ド・ラン2020 第3ステージコースプロフィー (c)Tour De L'Ainツール・ド・ランを締めくくる第3ステージは、2つの1級山岳を越え、ジュラ山脈で最も険しい超級山岳グラン・コロンビエール峠(距離17.7km/平均勾配7.1%/標高1501m)の山頂でフィニッシュを迎える。昨日のステージで圧倒的なチーム力を見せたユンボ・ヴィズマに対し、チームイネオスが何人アシストを残せるかに注目が集まった。
山岳賞ジャージを着用するジュリアン・ベルナール(フランス、トレック・セガフレード)と第1ステージで勝利したアンドレア・バジオーリ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)の2人の逃げでレースはスタート。メイン集団は総合で5分7秒遅れのゲラント・トーマス(イギリス・チームイネオス)が先頭に立ち、逃げを追いかける珍しい光景に。トーマスが仕事を終えると、それぞれ4人ずつを残したチームイネオスとユンボ・ヴィズマ、各チームエースたちで構成された集団は、最終山岳グラン・コロンビエール峠に突入する。
最終山岳で先頭を引くジョナタン・カストロビエホ(コスタリカ、チームイネオス) (c)Tour De L'Ain
残り14km地点で逃げていた2人が吸収されると、依然としてイネオス勢が集団をコントロール。しかしアンドレイ・アマドール(コスタリカ)、クリストファー・フルーム(イギリス)、ジョナタン・カストロビエホ(コスタリカ)がそれぞれ先頭を引き終え遅れていくと、牽引はトム・デュムラン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)に代わり、残り7kmから総合2位のエガン・ベルナル(コロンビア)は昨日同様単独での勝負を余儀なくされる。
ユンボ・ヴィズマが4人という圧倒的な数的有利を保ったまま残り3km地点を過ぎると、ステージ勝利を狙うリッチー・ポート(オーストラリア、トレック・セガフレード)が均衡を破るアタック。デュムランがすぐさま捉えるも力を使い果たし、今大会好調を見せる最終アシストのジョージ・ベネット(ニュージーランド、ユンボ・ヴィズマ)が先頭が引き始める。その後もポートが二度三度と仕掛け、4度目の加速でようやくベネットが脱落。
2日連続のステージ勝利を上げたプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ) (c)CorVos
残り3kmから積極的に仕掛けたリッチー・ポート(オーストラリア、トレック・セガフレード) (c)CorVos
エースを守る活躍を見せたトム・デュムラン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)とジョージ・ベネット(ニュージーランド、ユンボ・ヴィズマ) (c)CorVos
その直後の残り600m地点で集団最後方からベルナルがスプリントを開始。昨日同様、チームメイトの後ろで脚を溜めていたプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)がピッタリマークし、最後はベルナルの表情を伺う余裕を見せながら、2日連続のステージ勝利と第32回大会の総合優勝を掴んだ。
ツール・ド・フランスに向け最大のライバルであるエガン・ベルナルに完勝し、自身の調子の良さとチーム力を見せたログリッチは、「今日はハイペースで長い登りがありタフな一日だった。しかし今回もチームが素晴らしい働きをしてくれて、再び自分たちの強さを見せつけることができた。今回も勝ち切ることができて良かった」とコメント。ログリッチとベルナルは共に8月12日から行われるクリテリウム・デュ・ドーフィネに出場し、ツール前哨戦の第2ラウンドが始まる。
またNIPPOデルコ・ワンプロヴァンスの別府史之と中根英登は、同じグルペットで先頭から37分12秒遅れで3日間に渡るレースを終えている。
リーダージャージを守ったプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ) (c)CorVos


山岳賞ジャージを着用するジュリアン・ベルナール(フランス、トレック・セガフレード)と第1ステージで勝利したアンドレア・バジオーリ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)の2人の逃げでレースはスタート。メイン集団は総合で5分7秒遅れのゲラント・トーマス(イギリス・チームイネオス)が先頭に立ち、逃げを追いかける珍しい光景に。トーマスが仕事を終えると、それぞれ4人ずつを残したチームイネオスとユンボ・ヴィズマ、各チームエースたちで構成された集団は、最終山岳グラン・コロンビエール峠に突入する。

残り14km地点で逃げていた2人が吸収されると、依然としてイネオス勢が集団をコントロール。しかしアンドレイ・アマドール(コスタリカ)、クリストファー・フルーム(イギリス)、ジョナタン・カストロビエホ(コスタリカ)がそれぞれ先頭を引き終え遅れていくと、牽引はトム・デュムラン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)に代わり、残り7kmから総合2位のエガン・ベルナル(コロンビア)は昨日同様単独での勝負を余儀なくされる。
ユンボ・ヴィズマが4人という圧倒的な数的有利を保ったまま残り3km地点を過ぎると、ステージ勝利を狙うリッチー・ポート(オーストラリア、トレック・セガフレード)が均衡を破るアタック。デュムランがすぐさま捉えるも力を使い果たし、今大会好調を見せる最終アシストのジョージ・ベネット(ニュージーランド、ユンボ・ヴィズマ)が先頭が引き始める。その後もポートが二度三度と仕掛け、4度目の加速でようやくベネットが脱落。



その直後の残り600m地点で集団最後方からベルナルがスプリントを開始。昨日同様、チームメイトの後ろで脚を溜めていたプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)がピッタリマークし、最後はベルナルの表情を伺う余裕を見せながら、2日連続のステージ勝利と第32回大会の総合優勝を掴んだ。
ツール・ド・フランスに向け最大のライバルであるエガン・ベルナルに完勝し、自身の調子の良さとチーム力を見せたログリッチは、「今日はハイペースで長い登りがありタフな一日だった。しかし今回もチームが素晴らしい働きをしてくれて、再び自分たちの強さを見せつけることができた。今回も勝ち切ることができて良かった」とコメント。ログリッチとベルナルは共に8月12日から行われるクリテリウム・デュ・ドーフィネに出場し、ツール前哨戦の第2ラウンドが始まる。
またNIPPOデルコ・ワンプロヴァンスの別府史之と中根英登は、同じグルペットで先頭から37分12秒遅れで3日間に渡るレースを終えている。

ツール・ド・ラン2020 第3ステージ結果
1位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ) | 4:06:24 |
2位 | エガン・ベルナル(コロンビア、チームイネオス) | 0:04 |
3位 | ナイロ・キンタナ(コロンビア、アルケア・サムシック) | 0:06 |
4位 | ギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス) | 0:08 |
5位 | リッチー・ポート(オーストラリア、トレック・セガフレード) | 0:16 |
6位 | ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) | 0:23 |
7位 | ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ユンボ・ヴィズマ) | 0:31 |
8位 | トム・デュムラン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) | 0:44 |
9位 | ダニエル・マーティン(アイルランド、イスラエル・スタートアップネイション) | 1:16 |
10位 | ホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 1:58 |
個人総合成績
1位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ) | 11:21:12 |
2位 | エガン・ベルナル(コロンビア、チームイネオス) | 0:18 |
3位 | ナイロ・キンタナ(コロンビア、アルケア・サムシック) | 0:28 |
4位 | ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) | 0:56 |
5位 | ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ユンボ・ヴィズマ) | 1:27 |
6位 | バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) | 2:24 |
7位 | ホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 2:40 |
8位 | ギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス) | 2:45 |
9位 | ヘスス・エラダ(スペイン、コフィディス) | 3:39 |
10位 | ファビオ・アル(イタリア、UAEチームエミレーツ) | 4:26 |
山岳賞 | ジュリアン・ベルナール(フランス、トレック・セガフレード) |
ポイント賞 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ) |
ヤングライダー賞 | ホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ) |
敢闘賞 | ロメン・シカール(フランス、チーム トタル・ディレクトエネルジー) |
チーム総合成績 | ユンボ・ヴィズマ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos, Tour de l'Ain
photo:CorVos, Tour de l'Ain
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