フィニッシュ前に下りからのタイトコーナー、石畳が待ち受けるチェコツアー3日目の集団スプリントでヨルディ・メーウス(ベルギー、SEGレーシングアカデミー)が2連勝。コンディションが戻ってきたと言う新城幸也(バーレーン・マクラーレン)は集団内フィニッシュ。



最大5分差を得て逃げるラース・ボフェン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)最大5分差を得て逃げるラース・ボフェン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) (c)CorVos
オロモウツから4つのカテゴリー山岳を経由してフリーデク・ミーステクを目指す206.1kmで争われたチェコツアー (UCI2.1)第3ステージ。中盤には標高1000mオーバーの山岳ポイントも用意されるが、後半65kmはほぼ下りと平坦というスプリンター向けレイアウトだ。

30℃を下回らない暑さの中逃げたのはティモ・ウィレムス(ベルギー、スポートフラーンデレン・バロワーズ)や、ユンボ・ヴィズマの育成チームに所属するラース・ボフェン(オランダ)といった5名。メイン集団では初日のチームタイムトライアルで優勝し、未だ総合トップ5を占めるミッチェルトン・スコットがコントロールを担った。

総合首位ルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)が2日連続で集団コントロール総合首位ルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)が2日連続で集団コントロール (c)CorVos
マックス・カンター(ドイツ)で勝利を狙うサンウェブが集団をコントロールマックス・カンター(ドイツ)で勝利を狙うサンウェブが集団をコントロール (c)CorVos
リーダージャージを着用するルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)は、チームの総合メンバーのためにアシスト役に徹し、シレシアンベスキディ山脈を登るカテゴリー山岳プステヴニで脱落。逃げメンバーは終盤に入って吸収され、勝負は2日連続の集団スプリントに持ち込まれた。

新城幸也(バーレーン・マクラーレン)は走りながら調子の良さを感じていたというものの、「レースが中断していた影響か、レース経験が少ない選手たちの怖いもの知らずの激しい位置取り争いと、80km/hを越える下りと残り200mの右コーナー、そして石畳というレイアウトに危険を感じた(プレスリリース)」ためスプリント争いに参加せず。危険なフィニッシュレイアウトを果敢に攻略し、マックス・カンター(ドイツ、サンウェブ)との接戦を制したヨルディ・メーウス(ベルギー、SEGレーシングアカデミー)がステージ2連勝を挙げた。

マックス・カンター(ドイツ、サンウェブ)と争うヨルディ・メーウス(ベルギー、SEGレーシングアカデミー)マックス・カンター(ドイツ、サンウェブ)と争うヨルディ・メーウス(ベルギー、SEGレーシングアカデミー) (c)CorVos
ステージ2連勝を飾ったヨルディ・メーウス(ベルギー、SEGレーシングアカデミー)ステージ2連勝を飾ったヨルディ・メーウス(ベルギー、SEGレーシングアカデミー) (c)CorVos
「今日再び勝つことができて本当に嬉しい。昨日と全く違うフィニッシュだったけれどもう一度勝てるという自信があったんだ。ワールドツアーやプロチームと対等に戦えたという事実は、僕らのチーム方針が間違っていないことを証明していると思う」と自信を見せるメーウスは、ボーナスタイム10秒を加算して総合6位へのジャンプアップに成功している。

ダーブリッジからリーダージャージを引き継いだカーデン・グローブス(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)ダーブリッジからリーダージャージを引き継いだカーデン・グローブス(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) (c)CorVos
また、ダーブリッジが遅れたことでリーダージャージはカーデン・グローブス(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)が引き継ぐことに。グローブス自身もスプリントを狙い石畳の振動でチェーンが落ちるトラブルに見舞われていたという。

好調ぶりを感じているという新城は64位でフィニッシュ。「調子が戻って来たかな!移動疲れが抜けた感じで、ここ2日間とは違う脚だった。200kmを越えるステージだったのが功を奏したのか、今日は後半に行くにしたがって、いつもの感じになってきた。チェコの初上陸に続いて、今日のステージはコース途中で初めてスロバキアの国境越えた。ここにきて2か国初入国(笑)最終日は、コースもきついので力を残すこと無いように、頑張ってきたいと思う」と語っている。

チェコツアーは翌最終日、標高1000mを越える山岳や激坂が登場するクイーンステージを迎える。
チェコツアー2020 第3ステージ結果
1位 ヨルディ・メーウス(ベルギー、SEGレーシングアカデミー) 5:18:38
2位 マックス・カンター(ドイツ、サンウェブ)
3位 マーティン・ラース(エストニア、ボーラ・ハンスグローエ)
4位 ケニース・ファンローイ(ベルギー、スポートフラーンデレン・バロワーズ)
5位 アモリ・カピオ(ベルギー、スポートフラーンデレン・バロワーズ)
6位 パスカル・エーンクホーン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)
7位 ショーン・デビー(ベルギー、ビンゴール・ワロニーブリュッセル)
8位 マルクス・フールゴー(ノルウェー、ウノエックス・ノルウェージャンデヴェロップメントチーム)
9位 ティエリー・シェアー(スイス、スイスナショナルチーム)
10位 トマシュ・バルタ(チェコ、チェコナショナルチーム)
個人総合成績
1位 カーデン・グローブス(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)
2位 ダミアン・ホーゾン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)
3位 ルーカス・ハミルトン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)
4位 ジャック・バウアー(ニュージーランド、ミッチェルトン・スコット)
5位 ニコ・デンツ(ドイツ、サンウェブ)
6位 ヨルディ・メーウス(ベルギー、SEGレーシングアカデミー)
7位 マルクス・フールゴー(ノルウェー、ウノエックス・ノルウェージャンデヴェロップメントチーム)
8位 チャド・ハガ(アメリカ、サンウェブ)
9位 トースタイン・トレーエン(ノルウェー、ウノエックス・ノルウェージャンデヴェロップメントチーム)
10位 マイケル・ストーラー(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)
その他の特別賞
山岳賞 クーン・ボウマン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)
ポイント賞 ヨルディ・メーウス(ベルギー、SEGレーシングアカデミー)
ヤングライダー賞 カーデン・グローブス(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)
チーム総合成績 ミッチェルトン・スコット
text:So.Isobe
photo:CorVos

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