ポローニュ2日目も集団スプリントで決着。前日の重苦しい雰囲気を打ち消すかのように、レインボージャージを着るマッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)が勝利した。



ヤコブセンを欠いたドゥクーニンク・クイックステップがスタートライン最前列に並ぶヤコブセンを欠いたドゥクーニンク・クイックステップがスタートライン最前列に並ぶ (c)CorVos
前日の落車に巻き込まれたジャスパー・フィリプセン(ベルギー、UAEチームエミレーツ)は出走を選んだ前日の落車に巻き込まれたジャスパー・フィリプセン(ベルギー、UAEチームエミレーツ)は出走を選んだ (c)CorVos総合優勝候補筆頭のレムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)総合優勝候補筆頭のレムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) (c)CorVos


ファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ)らを巻き込んだ壮絶なクラッシュから1日。ツール・ド・ポローニュ第2ステージのスタート地点、ポーランド南西部の街オポーレは前日と同じ青空の下にあった。

この日は未だ昏睡状態にあるヤコブセンはもちろん、第6頸椎骨折のエデュアルド・プラデス(スペイン、モビスター)と、右手の人差し指が3箇所折れたダミアン・トゥゼ(フランス、コフィディス・ソルシオンクレディ)、肩の腱を断裂したマルク・サロー(フランス、グルパマFDJ)が未出走となったものの、落車で激しく吹き飛ばされたジャスパー・フィリプセン(ベルギー、UAEチームエミレーツ)やニールソン・ポーレス(アメリカ、EFプロサイクリング)は出走を選択。なお、整復手術が成功したサロー(4週間の戦線離脱)や、病院で一晩経過観察経たプラデスは退院し、自宅への帰路についている。

未出走の総合1位ヤコブセンと同2位サローの代わりに、前日逃げに乗り積極的に中間ポイントを稼いだ総合3位のカミル・マウェツキ(ポーランド、CCCチーム)がリーダージャージを着用してレースがスタート。CCCチームによれば、前夜レース主催者にリーダージャージ着用を伝えられたマウェツキはドゥクーニンク・クイックステップに着用権利を譲ろうとしたものの、レース規定により実現しなかったという。

2日連続逃げのジュリアス・ファンデンベルフ(オランダ、EFプロサイクリング)とマチェイ・パテルスキ(ポーランド、ポーランドナショナルチーム)2日連続逃げのジュリアス・ファンデンベルフ(オランダ、EFプロサイクリング)とマチェイ・パテルスキ(ポーランド、ポーランドナショナルチーム) (c)CorVos
ヤコブセンを気遣うメッセージが沿道に多数掲げられたヤコブセンを気遣うメッセージが沿道に多数掲げられた (c)CorVosリーダージャージを着用したカミル・マウェツキ(ポーランド、CCCチーム)リーダージャージを着用したカミル・マウェツキ(ポーランド、CCCチーム) (c)CorVos


兎にも角にも始まったポローニュ2日目。ジュリアス・ファンデンベルフ(オランダ、EFプロサイクリング)とマチェイ・パテルスキ(ポーランド、ポーランドナショナルチーム)が2日連続でエスケープに乗り、昨日より2名少ない状態で6分のリードを稼ぎ出す。マウェツキからの繰り下がりで山岳賞ジャージを着たファンデンベルフだったが、60.5km地点の2級山岳を先頭通過したことでランキング首位浮上に成功している。

前日の落車で宙を舞ったフィリプセンが「昨日のできごとがあったのでどこか落ち着かない気分だった。レース中も皆の頭の中にあのシーンが浮かんでいたと思う」と振り返る状態で距離を消化。かつてドイツ領だった街ザブジェの周回コース(7kmx3周回)に入ってこの日の大部分を逃げた2人は捕まり、ボーラ・ハンスグローエやロット・スーダル、そしてミッチェルトン・スコット先導で集団スプリントフィニッシュに向けて距離を詰めていく。65km/hに迫るスピードで突き進む集団先頭ではスプリンターチームに混ざってリチャル・カラパス(エクアドル)の危険回避のためにチームイネオスも隊列を組んだ。

残り1km地点の緩い左最終コーナーを先頭でクリアし、ホームストレートで最高のリードアウトトレインを組み上げたのはトレック・セガフレード。他チームが並びかけることを一切許さず、残り200mサインをきっかけにジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー)がマッズ・ピーダスン(デンマーク)を発射した。

スプリンターチーム先導でフィニッシュまでの距離を減らしていくスプリンターチーム先導でフィニッシュまでの距離を減らしていく (c)CorVos
横並びのスプリント勝負で先着したマッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)横並びのスプリント勝負で先着したマッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード) (c)CorVos
夕日を浴びながら加速したピーダスンにはパスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)とダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)が迫ったが、ピーダスンはリードを失いながら辛くも逃げ切りに成功。ここまでアシストとして動く機会の多かった世界王者が、世界選手権以降初となる勝利をポーランドで収めた。

「昨日の恐ろしいクラッシュに巻き込まれたヤコブセンにこの勝利を捧げたい。彼が普段の生活に、そしてレースに早く戻れることを願ってやまない」と、一つ下のオランダ王者を気遣うピーダスンは、ボーナスタイム10秒を得て総合首位に浮上。表彰式ではアルカンシエルの上に黄色いリーダージャージを重ね着した。

「今日のチームワークは素晴らしかった。連携を見て、自分がゴール勝負を狙うために更なるモチベーションが湧いたんだ。チームにとって、そして自分にとってもアルカンシエルでの勝利を挙げることができて嬉しく思う。明日以降リーダージャージを守るために全力を尽くしていきたい。こうした形でシーズンを再開できて最高の気分だ」と、24歳の世界王者は話している。

マッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)が総合首位浮上マッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)が総合首位浮上 (c)CorVos
またこの日、「多分昨日の落車のせいだと思うけれど、トップスピードまで到達できずイライラした」と言うフィリプセンは8位フィニッシュし、ポイント賞リーダージャージを獲得した。

翌第3ステージは、序盤から2級、1級、2級、1級、2級、1級、1級と連続するカテゴリー山岳(ただし登坂距離は最長でも4.5km以下)を超え、最後は起伏に富む周回コースの登坂フィニッシュが控える大会初となるクラシックハンター向けレイアウト。翌々日のクイーンステージと共に、総合成績を狙うためには遅れることが許されない、気の抜けないレースとなりそうだ。
ツール・ド・ポローニュ2020 第2ステージ結果
1位 マッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード) 3:26:02
2位 パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
3位 ダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)
4位 ルディ・バルビエ(フランス、イスラエル・スタートアップネイション)
5位 アルベルト・ダイネーゼ(イタリア、サンウェブ)
6位 アルベルト・トーレス(スペイン、モビスター)
7位 シュモン・サイノク(ポーランド、CCCチーム)
8位 ジャスパー・フィリプセン(ベルギー、UAEチームエミレーツ)
9位 ピート・アレハールト(ベルギー、コフィディス・ソルシオンクレディ)
10位 ユルゲン・ルーランツ(ベルギー、モビスター)
個人総合成績
1位 マッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード) 7:57:42
2位 パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) 0:04
3位 カミル・マウェツキ(ポーランド、CCCチーム)
4位 ルカ・メズゲッツ(スロベニア、ミッチェルトン・スコット) 0:06
5位 ダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)
6位 ワウト・プールス(オランダ、バーレーン・マクラーレン) 0:09
7位 ジャスパー・フィリプセン(ベルギー、UAEチームエミレーツ) 0:10
8位 シュモン・サイノク(ポーランド、CCCチーム)
9位 アルベルト・ダイネーゼ(イタリア、サンウェブ)
10位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、バーレーン・マクラーレン)
その他の特別賞
ポイント賞 ジャスパー・フィリプセン(ベルギー、UAEチームエミレーツ)
山岳賞 ジュリアス・ファンデンベルフ(オランダ、EFプロサイクリング)
チーム総合成績 UAEチームエミレーツ
text:So.Isobe
photo:CorVos

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